ところで、大塚家具「大感謝」フェアの成果は?

報道各位が広く世間に浸透させた大塚家具の「大感謝」フェアの成果はどうだったのでしょうか。
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President of Japan's Otsuka Kagu furniture chain Kumiko Otsuka gestures as she answers questions during a press conference after its annual shareholders' meeting in Tokyo on March 27, 2015. A bitter family feud at a leading Japanese furniture retail took a climatic turn March 27 as shareholders rejected a bid by the company's hard-driving founder Katsuhisa Otsuka to oust his own daughter Kumiko as president. AFP PHOTO / Toru YAMANAKA (Photo credit should read TORU YAMANAKA/AFP/Getty Images)
TORU YAMANAKA via Getty Images

大塚家具の久美子社長が、見事に報道番組をジャックし、大塚家具の宣伝媒体としてしまいましたが、そのたくましさには本当に恐れ入りました。それはさておき、報道各位が広く世間に浸透させた大塚家具の「大感謝」フェアの成果はどうだったのでしょうか。

一昨日、大塚家具の月次情報が公表されていました。それによると、なんと5月の全店売上高は前年同月の170%で、一年ぶりの前年超えとなりました。実際にセールが始まったのは4月18日で、4月30日までの予定だったのが、予想以上の客足で5月10日まで延長されたそうです。売り上げは納品時に計上されるので5月の売り上げが好結果となりました。

これで順調に業績が回復し、親子の確執も一件落着となるのでしょうか。いやいや、油断は禁物というか、フェアが成功したのはマスコミの過熱報道があってのことで、そんな神風がそうそう吹いてくれるというものではありません。

もはや大塚家具のビジネスそのものが成長性を失ったどころか、衰退に向っていたので、なんらかの大きな変革、また業態転換が求められてきたわけですが、本当に大塚家具が変われるのか、そして再び成長エンジンを回して、低迷から脱却できるのかどうかはこれからが勝負でしょう。

ただメーカーから仕入れて、売るだけであれば、利益率が低下するばかりで、店舗の維持費、また人件費が重くのしかかってきます。より付加価値をとろうとすると、自社ブランドで家具やインテリア用品を開発することも必要になってくると思いますが、そのためには家具からインテリアへという戦略を描くだけでなく、それなりの人材やチームが欠かせません。

戦略を描くのはそれこそコンサルタントでもできますが、ビジネスは実際にそれを実現していくほうが能力を求められてきます。さて大塚久美子社長が次にどのような手を打ってこられるのかが楽しみになってきました。

(2015年6月3日「大西宏のマーケティング・エッセンス」より転載)

相場格言集
調子に乗れば落ちる。(01 of10)
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相場が勢いづいているときは、調子にのって買ってしまうものだが、そういう時に限って高値づかみしたりする。調子にのっているなと感じる時は、あえて気を引き締めてかかるべし。 (credit:Getty)
飛びつく魚は釣られる(02 of10)
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出遅れたと思って焦って飛びつくと失敗するたとえ。 (credit:Getty)
買いにくい相場は高い(03 of10)
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株が割安だからという理由で買うことも多いだろうが、安いのにはそれなりの理由があり、上がりにくいという場合があるものである。 (credit:Getty)
利食い千人力(04 of10)
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もっと利益が出るはずと欲をかいて利益を追うようなことはせず、ある程度で儲けを確定させるのが賢明だ。
天井三日、底百日(05 of10)
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典型的な相場のサイクルというものは、徐々に上がって最後に大きく上がり、その後、一気に落ちて、下がりきると長い間動かなくなってしまうものだ。 (credit:Getty)
売るべし 買うべし 休むべし(06 of10)
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相場には、「売り」と「買い」だけでなく、「休む」という選択肢もある。 (credit:Getty)
一運、二金、三度胸(07 of10)
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今が買いだと思っているなら、度胸で買ってみるべし。 (credit:Getty)
相場は相場に聞け(08 of10)
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自分の思った通りに動かないのが相場というもの。自分の考えに固執せず、相場の動きに耳を傾けて、謙虚にふるまうべし。 (credit:Getty)
仕掛けは処女のごとく、手仕舞いは脱兎の如し(09 of10)
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「仕掛けは恐る恐る」少しずつ様子を見て行い、下げ始めると、とにかく足が速いので、手仕舞うときは、素早く行う。 (credit:Getty)
木は庭に植えず山に植えよ(10 of10)
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庭に植えた木は、なかなか成長が感じられないものだが、山に植えた木であれば、いつも眺めることはできないので、たまに行っったときに、いつの間にか大きく育っていることに気がつくものだ。\n\n相場も同じで、日々の上下に一喜一憂せず、しばらく忘れるくらいの余裕を持つことが大切。\n (credit:Getty)