メディアから取材されるアパレル工場

今回は、私が「工場直販モデル」を各工場に持ちかけた際の工場の反応からお話したいと思います。
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本ブログを開設し、多くのご意見をいただくようになりました。

ファクトリエは、工場直販の新しい流通モデルと取り上げていただいておりますが、工場から店舗までの間に様々な流通業者が入る、"既存のアパレル流通構造"を否定しているわけではありません。

ただ、これまでは工場と店舗の間に入る商社や卸などに存在価値がありましたが、ファストファッション台頭による原価低減や世界規模での効率化が進む中で、流通それぞれが価値を高めなければ、今後非常に難しくなるのではないかと考えています。そのため、既存流通を否定しているのではなく、ファクトリエはファクトリエとしての価値を、アパレルはアパレル、商社は商社、卸は卸の価値を高める良い機会になるはずです。

現在、百貨店と期間限定ショップを展開中ですし、ZOZOTOWNとは10周年記念でコラボ商品を作っており、これは既存流通を否定していたら、本来行えない取り組みです。

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さて、これまでの記事で工場の現状などについてお伝えしてきましたが、今回は、私が「工場直販モデル」を各工場に持ちかけた際の工場の反応からお話したいと思います。

工場からすると取引先が増えて喜んで取り組んでくれそうだ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、結論から言うと、直販モデルに工場はあまり前向きではないケースがほとんどでした。

その理由は2つ。

1.工場直営店を出して失敗した経験。「商」が苦手な工場

バブル期に工場は表参道などに工場直営店を相次いでオープンしました。しかし、なかなかうまくいかず、借金を抱えて撤退した経緯があります。補助金を活用していたこともあり致命傷にはなりませんでしたが、この過去の失敗経験が、ファクトリエの直販モデルに積極的になってもらえない要因でした。

200もの工場を回りながら話を聞いているうちに、工場が作った直営店が失敗した理由は、「商」ができないということであるとわかりました。

物を作ることはできてもそれを売ることが苦手。ということです。

つまり、日本の工場は多くは、OEM(受託生産)が中心で、「●●を作ってくれ」と依頼されて依頼通りに作ることだけをやってきました。そのため、作ることのノウハウしかなかったのです。(もちろんすべての工場がそうというわけではありません)

どれだけ高い縫製技術で作られていても、デザインが悪ければ売れないのがファッション。どういうデザインにすれば受け入れられるのか、どうやって販売すればよいかがわからず、失敗していたのです。

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2.既存取引先からの目

加えて、工場が前面に出ることによって、これまで取引していたメーカー・商社からの圧力も気にされていました。

これらの理由であまり積極的でなかった工場を口説くのはなかなか苦労しましたが、「ファクトリエが"商"の部分を担う」と何度も訪問して口説き、やっと提携工場を13にまで増やすことができました。

スペシャリストと、ファッション性の高い商品を作る

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(1)の「デザイン力がない」という点では、私やファッション雑誌の元編集長、ラグジュアリーブランドのファッションディレクター、著名スタイリストがアドバイザーとなってデザインを監修し、デザイン性の高い商品を作っています。

「ファクトリエ By 工場名」の取り組み

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(2)の「既存取引先の目が気になる」という点を解決するために、全ての商品を「ファクトリエ バイ (工場名)」にすることで、ファクトリエから依頼されて作っているという体裁を整え、販売しています。

この他にも、工場に代わってファクトリエがマーケティングやPR、販売を担当。工場が情報をメディアに提供することはほとんどなく、メディアとのつながりは弱いのですが、お互い協力することで、最近では提携している工場が地元新聞や業界新聞で取材され、百貨店などの新たな取引先から声がかかるなど、工場に注目が集まることで良い循環ができつつあるなぁと実感しています。

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工場の技術力とデザイン力の強いアイテムを作り、PRして販売する。

当たり前のことのようですが、工場に欠けている部分を補って二人三脚で展開していければと思います。

次回は、この「商」の部分を補おうという動きがマスメディアの中にも起きていることについてお伝えしたいと思います。