スマホに気をとられ、銃に気がつかなかった乗客たち

スマートフォンは、一般市民が犯罪を通報する手段としても活用されてきた。しかし、最近公表された、サンフランシスコで起きた銃撃殺人事件の監視カメラ映像で、通勤列車の乗客たちはスマホやタブレット端末に気をとられて、身の回りの危険に対する注意力が低下していることがわかった。警察当局は危機感を強めている。
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スマートフォンは、一般市民が犯罪を通報する手段としても活用されてきた。しかし、最近公表された、サンフランシスコで起きた銃撃殺人事件の監視カメラ映像で、通勤列車の乗客たちはスマホやタブレット端末に気をとられて、身の回りの危険に対する注意力が低下していることがわかった。警察当局は危機感を強めている。

地元紙『サンフランシスコ・クロニクル』(San Francisco Chronicle)の報道によると、サンフランシスコ市警察は、サンフランシスコ市営鉄道(通称:Muni)に設置された監視カメラの映像から、容疑者の若い男は、列車内で拳銃を隠さずに持ち歩いていたことが明らかになったと述べている。だが、車内の乗客たちはスマートフォンに集中していたために、誰もこの容疑者の様子に気付かなかった。

監視カメラ映像によると、ニコム・テファカイソン容疑者は9月23日(米国時間)、列車内で45口径の拳銃を取り出して上に挙げ、銃口を車内の通路に向けた後、銃を下ろし、再び銃を取り出すといった動作を複数回繰り返した。拳銃で鼻を拭いたりもしていた。しかし、数十人の乗客は皆、携帯電話に集中していたため、容疑者がサンフランシスコにある州立大学2年生のジャスティン・バルデスさん(20歳)に向けて発砲するまで、誰も容疑者の不審な行動に反応を示さなかった。

「KCBS」の記事によると、この銃撃事件は、特別な動機のない無差別殺人だという。警察は事件の後、テファカイソン容疑者の自宅で大量の武器を発見した。

「乗客たちは容疑者の目の前にいたが、不審な行動に気付かなかった」と、ジョージ・ガスコン州検査官はサンフランシスコ・クロニクル紙に対して述べている。容疑者はまったく銃を隠していなかったが、「乗客たちメールを打ったり、ネットサーフィンしたりして画面に集中するあまり、周囲の状況に対してまったく注意を払えていなかったのだ」。

西ワシントン大学の心理学教授であるアイラ・ハイマン氏は、今回の現象を説明するような研究結果を、2009年に発表している。同研究では、一輪車に乗ったピエロが大学キャンパス内を通過したところ、付近で携帯電話を操作していた学生のうち、このピエロの存在に気付いたのはわずか4分の1に過ぎなかったことを明らかにした。

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