報道自粛+軍事ビジネス=オリンピック――浦島花子が見た日本

日本は刻々と死の商人になろうとしているのか。
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ROCKHAMPTON, AUSTRALIA - JULY 09: Australian soldiers from the 1st Military Police Battalion conduct a breach in an urban environment as part of exercise Talisman Sabre on July 9, 2015 in Rockhampton, Australia. Talisman Sabre is a biennial military exercise that trains Australian and U.S. forces to plan and conduct combined task force operations to improve combat readiness and interoperability on a variety of missions from conventional conflict to peacekeeping and humanitarian assistance efforts. TS15 will incorporate force preparation activities, Special Forces activities, amphibious landings, parachuting, land force manoeuvre, urban operations, air operations, maritime operations and the coordinated firing of live ammunition and explosive ordnance from small arms, artillery, naval vessels and aircraft. (Photo by Ian Hitchcock/Getty Images)
Ian Hitchcock via Getty Images

日本は刻々と死の商人になろうとしているのか。

5月中旬、横浜で行われた日本初の軍事見本市を皮切りに、日本は他の国へのの軍事品販売に躍起になっているようだ。

あれ、でも待てよ。今日はまだ健在の憲法9条によれば、戦力を保持してはいけないのではなかったか。

軍事見本市には、日本の大手企業が腕を振るって参加していた。憲法9条違反で、こんな企業が取り締まりを受けないとはどういうことだろう?

憲法9条とは、自分で戦力を保持しない限りは、武器を作って売るのはOKよ! ということなのか?

5月26日付のロイター英語記事「Japan to join U.S., Australia war games amid growing China tensions (大きくなる中国の圧力に向けて、アメリカとオーストラリアの戦争ゲームに参加する日本=直訳by花子)」は、ニューヨークタイムズを始め、 世界各国のメディアが取り上げたが、日本のメディアでは、英字新聞Japan Timesくらいしか取り上げていなかったのはとても残念だ。

その頃の日本のニュースは、国際サッカー連盟FIFAの汚職事件で騒いでいたが、その影で、こんなニュースが抹消され、ほとんどの日本人に伝わっていなかったとは、誠に遺憾である。

これも、すでに大きな動きとなってしまった安全保障関連法案反対運動が、更に強くならないようにとのメディアの自粛か、それとも百田応援団率いる政権からの圧力だったのか?

実際、先日7月5日にこの6回に渡る軍事演習は始まっている。そのこともJapan Times以外、ほとんどの日本のメディアは知らん顔だった。

報道機関が自粛すればするほど、偏った報道が出回り、国民の無知さを助長するだけである。

上記の軍事演習に戻るが、アメリカとオーストラリアが行う3万人規模の軍事演習に、日本の自衛官40人が参加した。ニュージーランドからも500人がオーストラリア側の訓練に参加したという。

5月26日のロイター記事によると、防衛大臣の中谷元氏は、中国を標的にしていることは否定し、今回の訓練はアメリカとの協力を更によくするためと主張しているが、この軍事演習の本当の理由は、すでに安倍首相とオーストラリアのアボット首相の間で盛り上がっている、軍事品ビジネスを成立させるためであるという。

特に、現在オーストラリアが目をつけている日本製の潜水艦の売買が成立した暁には、フィリピンやベトナムなどの太平洋諸国にも、日本の軍事品マーケットを広げる可能性が出てくると。

2500億以上もする新国立球技場のためにも、日本は軍事品ビジネスに手を出さなければやっていけないということか。それでは、健全なスポーツ精神ともおさらばである。死の商人になってまで、オリンピックをする必要はない。

戦争は一部の人間の金儲けのためである。そして下層の人間は、そんな人達のために、ただ使い捨てされるのだ。

浦島花子は願う。防衛大臣中谷元氏自らが、近い将来、はだしのゲンにならないように。

いや、そんなのは大きなお世話だろう。どうせ今の権力者達は、タイタニック号の船長のように、自分の選択により失う他人の命なんかどうでもいいのだから、さっさと自分の安全だけは確保するべく、救命ボートに乗り込むのだ。

3.11当時の東電幹部が、みんなこぞって海外移住したように。

実際に人殺しをするのは自分じゃないから、武器を売ることくらいいいじゃん、とか、そうやって雇用が増えればいい、くらいに思っている人は、今一度考えて欲しい。日本の自衛官が日本製の武器で殺される可能性が、将来あるということを。