PRESENTED BY 積水ハウス

男性育休は働き方改革であり「マネジメント改革」。81社の声を集めて企業と専門家が徹底トーク

いよいよ男性育休の改正法施行。社員が幸福感をもって育休を取るにはどうしたらいいか、企業と専門家が集まって一緒に考えました。
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2022年は男性育休において、エポックメイキングな年です。法改正により4月に「育休の周知・意向義務」が施行。10月には「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設、育児休業の分割取得も可能に。2023年には、従業員1,000人を超える事業主に対し、育児休業の取得状況の公表が義務づけられます。

社会、行政が男性育休への動きを加速させるなか、育休当事者、周囲の環境を整えるために企業も試行錯誤しながら施策を進めています。

そこで男性育休推進にいち早く取り組んできた積水ハウスが、9月14日(水)に「男性育休フォーラム2022」と題して、ウェビナーを開催。

二部構成のイベントの第一部では、積水ハウスの最新の取り組みや積水ハウスの想いに賛同した81社からなる「男性育休プロジェクト」をマスコミ向けに発表。男性育休にまつわる識者が集い、熱のこもったディスカッションもおこなわれました。

今回は、BuzzFeed Japanとハフポスト日本版が携わった第二部をダイジェストでお届けします。

大きく進む、男性育休を取り巻く環境。取得率や状況にも明るい変化が…

NPO法人ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんの開会の言葉から始まった第二部。登壇したのは男性学が専門で、大妻女子大学人間関係学部准教授の田中俊之さん、社会保険労務士法人名南経営に所属し、育休など企業の人事関連のコンサルをしている特定社会保険労務士・産業カウンセラーの宮武貴美さん。そして、積水ハウス ダイバーシティ推進部の森本泰弘さん。

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(右から)モデレーターの安藤さん、積水ハウスの育休の推進担当者である森本さん。男性育休の研修制度の監修なども手がける田中さん、育休に関する著書もある宮武さん
Photo Miho Arai

第二部冒頭は、「男性育休、どう変わる?」がテーマ。まず森本さんが、積水ハウスの男性育休への取り組みや、2022年8月時点の育休取得率など最新情報を披露。男性育休のリーディングカンパニーと言われる積水ハウスの現在の取り組み、知見やデータをまとめて発行を続けている「男性育休白書」について語りました。また、積水ハウスがいかに男性育休を大切に考え、育んでいるか…その“想い”についても熱い言葉で説明がありました。

「積水ハウスグループのグローバルビジョンは“『わが家』を世界一幸せな場所にする”なんです。このビジョンを実現するためには、幸せな家を提供する私たち社員とその家族が幸せであってほしい、幸せでなければ実現できない、という想いがあります」と、森本さん。

さらに、仲井社長が男性育休を力強く推進するきっかけとなったスウェーデン視察の話や、ゆかりのある駐日スウェーデン大使からこの日のために寄せられたコメントムービーが流れました。

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実は13.97%と、過去最高だった2021年の男性育休の取得率(※1)。これを受けて男性育休の変遷や現在の状況について、田中さんの解説がありました。一方、宮武さんからは2022年の育休制度の変更において、企業やビジネスパーソンが覚えておきたいポイントを紹介。さらに、リソースが潤沢ではない中小企業が男性育休を進める場合への実質的なアドバイスも。

「まずは男性育休を取る社員が出てくる環境を整えることですね。短くてもいいから取る、ということが第一歩。そのためには会社や上司が制度を伝え、取得者から育休を取る予定を会社に早めに伝えてもらうのが重要になると思います」

多くの企業が解決したい。止めることができない生産部門の補完要員へのヒント

続いておこなわれたセッション①~③には、賛同企業81社の中から、他社と育休推進への共通課題をもつ3社が登壇。安藤さん、田中さん、宮武さん、そして森本さんとディスカッションしながら具体的に課題を掘り下げました。最初に登場したのは、本田技研工業の向後睦子さん。 

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CG統括部人事部キャリア・多様性推進室室長補佐の向後さんは、事業所ごとに育休取得率が違うなど、企業規模が大きいがゆえの現状や着実に上がっている育休取得率などを語った

男性社員が9割を占める本田技研工業。事業の根幹である生産部門は稼働を止めることがないため、代替要因の確保が育休取得で考えたいこと、と言います。

田中さんからは、組織体制の見直しや残業を良しとする風土がないかなど、俯瞰の目で全体を見つめ直すアドバイス。

「“残業が当たり前の人”が育休で抜けるのは大変だと思います。残業がない、少なければ育休取得者が出ても周囲がカバーできる。

また、有給休暇などが取れているのかも非常に重要。育休だけ促進されることはあり得ないわけです。例えば介護休暇や有給休暇がちゃんと取れるベースがあってこそ、育児休業も促進されると思います。こうしたことを考える“余裕”が組織としてあるのかが非常に大切です」

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部下のキャリアやワークライフバランスを重視しながら組織の業績も残し、本人も仕事とオフタイムを楽しむ管理職のイメージである「イクボス」の概念が鍵を握るのでは、と田中さん
Photo Miho Arai

森本さんは、積水ハウスでは「イノベーション&コミュニケーション」を合言葉に、職場での対話を重視していると言います。また、様々な職種でも工夫すれば育休を取得できること、「一日の終わりに家事や育児のタスクを入れることで時間内に仕事を終えようとする習慣がつき、労働時間の削減につなげていく」というライフスタイルに踏み込んだ具体案を語りました。

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安藤さんからは自ら関わる「イクボスプロジェクト」についての説明や、事業継続やリクルート活動においても男性育休が重要な要素になるコメントがあった。イクボス研修の結果、残業時間の削減、有給消化率の向上、離職率の低下、業績アップなど数値面でも良い影響が出たと言う
Photo Miho Arai

あらためて、企業が男性育休に取り組むことの意味が登壇者の間でも賛同を得ていました。

宮武さんは人材調整について、組織全体や現場に即した話し合いが重要、と指摘。「今の時代、いつ、誰が休んでもおかしくないと思います。育児はもちろん、介護、メンタル不調など病気と仕事の両立でも起きることです。新型コロナ感染でも突然、休むことになります。これらに対応できるよう、今ある制度で何ができるかを現場から意見を出してもらって話し合っていくことが大切です。人事・総務が考えてもなかなかその答えは出ないと思います」

一方で、宮武さんは本田技研工業のマネジメント層の男性育休セミナーや育休に関するハンドブックの発行を評価。育休取得者だけではなく管理職・同僚の理解を向上させ、両輪で回していくことの重要性をあらためて語りました。こうして向後さんとのディスカッションは盛り上がりを見せながらセッションが終了しました。

「管理職セミナーで制度を浸透させていくことはとても大切です。また、就業規則だと難しく書いてあって、なかなか読まれない。ハンドブックなどで“わかりやすく”管理職や従業員に伝えていくことが必要ですね」

専門性が高い社員、属人化しやすいタスク。「あの人じゃないと」をどう変える?

賛同企業のアンケートで多かった声の一つが「専門性の高い社員」「属人化しやすい業務」が育休を取得しづらいこと。セッション②では、この課題に取り組む、IT企業のコーソルの支援本部管理部部長、松浪暁子さんが新たに登壇しました。

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データベースエンジニアなど、専門職の多いコーソル。松浪さんは、男性育休施策を続けるうちに社内が変わり、直接的に関係するか現段階では不明なものの、離職率の低下の要素のひとつでは、と推測している

宮武さんからは属人化しやすい職種の社員が育休を取得するうえで、余裕を持って上司や家族と話し合うことの重要性、管理職の振る舞いや対応、取得者の育休への「納得性」を高めることなどについての解説がありました。また、2022年10月から開始する「出生児育児休業(産後パパ休業)」で創設された、分割して育休を取得する方法など休みを柔軟に取ることも考えられるという話も。

「最大のポイントは労使合意による就業が可能になることです。専門性の高い人材の課題の解決のひとつになるのでは、と思います。

また、短い育休を夫婦が交替で取れるように。短期間、複数回の育休を取ることで専門性の高い社員が仕事を乗り越えていくことができる制度が整い始めています。長くなくてもいいので、短期間で複数回取りたい人にとてもいい制度では」と、宮武さん。

一方、コーソルでは奏功をしている施策が3つあると松浪さん。1つ目が人事・社員が1対1でおこなう「全社員面談」を通じた“話し合う風土”を醸成していたこと。2つ目がチーム単位でのミーティングや業務の見える化。3つ目が育休に特化した取り組みである「イクメン座談会」「育休セミナー」を実施することで、「育児休業を取れる」という空気感が社内に醸成されているそう。また、育児を終えた世代の社員からは「育休を取りたかった」など、今の社内のムードを歓迎する声が上がっていると言います。

田中さんは「『イクメン座談会』はとてもいい取り組みですね」と評価。「社内にパパ友がいるのはとても心強いと思います。中高年は友人が少なくなりがち。子どもをきっかけに友人を作ってもらえたらと思います。それを見た後輩が育休を取ろうと思う気運にも繋がります」

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森本さんからは、育休へのマインドを変える示唆に富んだコメントがあった
Photo Miho Arai

「怪我や病気などが発生した時に、みんなでなんとかしようとする。そのため、普段から業務・情報を共有することも重要。さらに育休には準備期間がある。準備期間で脱・属人化を図り、仕事のやり方を変えるチャンスに。

マネジメントスキルにも関わるので、上司や同僚、後輩も一緒になって働き方を見直してみては」と、森本さん。

なかなか難しいと感じる企業が多かった脱・属人化ですが、登壇者やコーソルの松浪さんのコメントが視聴者の大きなヒントになったようです。

取得する本人も、家族も満足。育休への不安払拭に挑み、結果を出している「あの企業」 

最後のセッション③のテーマは「職場の心理的安全性」。男性育休を取ることへのためらいやキャリア停滞への不安、復帰後のポジション…こうしたことを挙げる社員がいることが、賛同企業のアンケートから判明しました。

どうしたら心理的安全性を高められるかに取り組んだ結果、会社への帰属意識が高まったなど、成果を上げた企業がありました。「よなよなエール」などで知られるヤッホーブルーイングです。

男性育休を取ることへの積極的な空気感が作られている、とヤッホー盛り上げ隊(人事総務ユニット)ユニットディレクターである長岡知之さん。その鍵は取得した社員が、自主的に全社発表をしていることにあると言います。本人も家族も満足し、そのポジティブなムードが育休取得を後押ししているそう。

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男性育休への明るいムードが醸成されているヤッホーブルーイング。「取りたい人が取れる雰囲気づくり」に力を入れた結果、2021年度の男性育休対象者の取得率は100%に。結果、就業継続にもつながっていると長岡さん

30代の社員が多いことから今後、育休取得が重複したり、育休取得をしなければという「圧」がかかったりしないよう取り組みたいと語ります。そうした意味でも、心理的安全性を高める道半ば、とも。

続いて、森本さんから積水ハウスの心理的安全性への取り組みの説明が。

「まずはダイバーシティ&インクルージョンの考え方に心理的安全性をしっかりと組み込んで推進していることです。ここでカギとなるのはコミュニケーションであり、対話です」 

また、トップマネジメントで育休の目的が明確に示されていることも大きいと言います。「育休対象者全員が取得してほしいというトップの願いを社員みんなで実現し、幸せの輪を広げていこうという風土ができつつあります」

さらに、当日に発表された「男性育休白書2022」に掲載された興味深いアンケート結果を紹介。男性育休に対するネガティブな意見が積水ハウスでは全国平均よりもかなり低く、積水ハウスのマネジメント層は男性育休取得にほぼ全員が賛成、育休取得が必要と回答。これも全国平均を上回っています。「業務分担やワークシェアへの取組み、職場の雰囲気の醸成なども全国平均と比べ高い数値となっており、これらを総合して心理的安全性の確保に繋がっていると感じる」と森本さん。

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宮武さんは男性育休を取る際はもちろん、復帰後のことまで考えてケアすること、周囲への周知があらためて大切である、と言う
Photo Miho Arai

安藤さんからは、男性育休の数々のプロジェクトに携わってきた経験から心理的安全性の重要性や企業のメリットなど、広い視野での解説がありました。

さらに賛同企業であるユニ・チャームと江崎グリコが共同で行い、男性の育休を推進する無償提供の「みんなの育休」プロジェクトを紹介。企画の監修者である田中さんから、概要や企業のメリットが語られました。安藤さん曰く、「こうした企業が知見をシェアする動きもありますね」

エンディングでは積水ハウスが賛同企業・団体で働く人々のリアルな声を集めたムービーが流れました。動画を通じて、男性育休の実情や育休を取った本人、家族や周囲が幸福に日々を過ごしていけることがわかる、温かな内容です。

イベント終了直後、登壇者からも、こんなメッセージがありました。

安藤さんは男性育休と共に社会がよい方向に歩んでいると感じるそうです。

「僕らはNPO法人なので、社会に何かよい変革を起こしたいと活動しています。男性育休はその大きなメルクマール(指標)だと思っています。10年前、育休を取る男性は珍しい存在でした。それが今では約14%になり、3〜5日取得する方は約8割とも言われます。男性育休は“普通化”し始めているんですね。

このウェビナーのように、企業の業績が上がった、採用にポジティブな影響があるなどが語られるようになったのはとても大きな変化だと思います」

田中さんは男性育休の進歩を感じた、と言います。

「今回、いろいろな意見があったように、だいぶ進んで変化が来たかな、と。積水ハウスをはじめ、賛同企業がこれだけ前向きな取り組みをされているとは、私も知らない部分がありました。大変勉強になるとともに、時代の変化を本当に感じるイベントだったなと思います」

宮武さんは社会保険労務士ならではの分析をします。

「今回は育児休業制度に関する内容が多かったのですが、社会保険労務士として、それを支える社会保障の制度も今後クローズアップをしてお伝えできればと思いました。例えば休んだときに収入はどうなるのか、その保障を従業員に伝えることの重要性などが考えられますね。

また進んでいる企業、そうではない企業の二極化も感じました。私は仕事柄、あまり進んでいない企業のお話を聞くことが多いので、私がこれから何ができるのかを振り返る、非常に有意義な学びの場でした」

森本さんからは、賛同企業に対する感謝の言葉がありました。

「今回はたまたま積水ハウスが主催で、賛同企業の皆様と素晴らしい会を開けました。様々な企業の話を聞いてみて、組織や企業の中でどんなコミュニケーションを図るか、また、社員のためにどう育休を生かしていくかが重要だと思いました。その話し合いのきっかけや刺激に我々がなれたら嬉しく思います。このような取り組みが日本に広がっていくことでみんなが幸せになると、あらためて感じました」

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男性育休を取る本人も、同僚も、幸福に仕事をして家族との時間を大切にする社会へ。

多様な暮らし、多様な働き方を応援しながら、積水ハウスは日本の幸せな光景のために、これからも育休を力強く推し進めていく──そんなことを感じさせるウェビナーでした。

▶︎イベントの詳しい様子はこちらから

※1…厚生労働省「令和3年度均等基本調査」より