スペースワールド、2017年閉園 事故が招いた低空飛行と経営難

最近は経営難に陥っていた。
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北九州市八幡東区のテーマパーク「スペースワールド」が、2017年12月末で閉園すると、公式サイトで12月16日、発表された。

西日本新聞によると、15日に従業員らへの説明を終えたという。

基幹産業だった鉄鋼業の不振に悩む北九州市で、活性化の期待を担ってオープンしたが、最近は経営難に陥っていた。

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スペースワールドは1990年4月オープン。1901年に稼働した日本初の近代製鉄所「八幡製鉄所」の遊休地に、新日鉄(現・新日鉄住金)が、福岡県や北九州市、地元銀行の出資を加えた第三セクター方式で開業させた。(写真は1901年2月、東田第一溶鉱炉の前で記念撮影する伊藤博文ら)

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宇宙飛行士の訓練を体験できる施設や、実物大のスペースシャトルのレプリカなど、宇宙をテーマにした娯楽施設が人気を呼んだ。

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ピークだった1997年度には年間約216万人が来場したが、翌1998年8月、絶叫マシン「アトラスタワー」で、ワイヤーが切れてゴンドラが地上50mから地面に落ち、乗っていた12人が重軽傷を負う事故が発生。捜査では耐用年数を過ぎたワイヤーを使い続けるなどの整備不良が露呈した。(写真は2000年12月7日、捜査結果を説明する福岡県警の捜査員)

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この年を境に入場者数は減少に転じ、「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)などとの競合も激化して、2004年度は約165万人まで入場者数が減少、約331億円の債務超過に陥った。2005年5月、スペースワールド社は民事再生法を申請。8月に札幌でスキーリゾート施設などを運営する加森観光に経営を譲渡した。

同社は約40億円をかけて新規アトラクションを整備する一方、2008年度には約110人いた正社員の半分をリストラするなど経営再建してきたが、客足は大きく回復しなかった。西日本新聞によると、2012年度の入場者数は約164万人で、最近は入場者数の公表もなかった。

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2016年11月には、スケートリンクに約5000匹の魚を氷漬けにしたアトラクション「氷の水族館」に「なんて酷いことを」とネット上で批判が相次ぎ、企画を中止していた

「香椎花園」(福岡市東区)と並ぶ主要テーマパークだっただけに、福岡県出身のタレントが惜しむ声をTwitterに投稿した。

スペースワールド
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Japan, Fukuoka Prefecture, Kyushu, Aerial view of Space World and city. (Photo by: JTB Photo/UIG via Getty Images) (credit:JTB Photo via Getty Images)
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スペースシャトル実物大模型が展示されるスペースワールド(福岡県北九州市・八幡東区) \n\n撮影日:1992年06月 (credit:時事通信社)
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パパもボクも思わず興奮。ロボットはどの世代にとってもヒーローであるようだ。スペースワールド(北九州市)には「マジンガーZ」など昔の懐かしいスーパーロボットから最先端の犬型ロボットまで約60体が勢揃い。子供たちが興味を持ったのはもちろんだが、「家族サービス」を口実に子供を連れてやってきたお父さんたちも大喜びだった(福岡・北九州市) \n\n撮影日:1999年 (credit:時事通信社)
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北九州市の「スペースワールド」にお目見えしたUFOから降下する「UFOジェットコースター」(福岡県) \n\n撮影日:1999年07月 (credit:時事通信社)
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大観覧車のスポークに取り付けたネオン管がさまざまな色や模様に光って夏の夜空を彩る。北九州市八幡東区にあるスペースワールドの大観覧車「スペース・アイ」改装が完了し、夜間イルミネーションが始まった。大観覧車は直径80メートルで、スポークタイプとしては世界最大。96本のスポークに取り付けられたネオン管が、コンピューター制御で幾何学模様や渦巻きなどを描き、まるで”光のダンス”を思わせる(福岡県北九州市八幡東区のスペースワールド) \n\n撮影日:2000年07月19日 (credit:時事通信社)
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福岡・北九州市の「スペースワールド」でスペースシャトル前で行われた人前結婚式(福岡・北九州市) \n\n撮影日:2000年05月 (credit:時事通信社)
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北九州市内のテーマパーク「スペースワールド」に登場したスポークタイプの巨大観覧車「スペースアイ」。同タイプでは世界最大で高さ100メートル(福岡・北九州市) \n\n撮影日:2000年04月 (credit:時事通信社)
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北九州市に宇宙飛行訓練の体験を取り入れた「林間学校」が登場。宇宙のテーマパーク「スペースワールド」(北九州市八幡東区)の施設を利用して「スペーススクール」と名付けられた林間学校で、月面上と同じ感覚のジャンプ体験、360度さまざまな方向の回転に慣れる訓練など、宇宙飛行士の体験を取り入れた5日間のコースに、多くの小学生が集まっている(福岡県北九州市のスペースワールド) \n\n撮影日:2000年08月08日 (credit:時事通信社)
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福岡県北九州市の遊園地「スペースワールド」の遊具アトラスタワーと呼ばれる昇降型の絶叫マシン落下事故で、遊具の模型を前に捜査結果を説明する福岡県警捜査1課の捜査員(午後3時、福岡市博多区の福岡県警本部記者会見室) \n\n撮影日:2000年12月07日 (credit:時事通信社)
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映画「スターウォーズ」の誕生20周年を記念した特別展の公開に合わせて、北九州市のスペースワールドで「スターウォーズ展」が開催。実物大の宇宙戦闘機のレプリカや実際に映画で使われたミニチュアなど3000点が集合(福岡・北九州市) \n\n撮影日:1997年07月 (credit:時事通信社)
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北九州市の宇宙テーマパーク「スペースワールド」にそびえ立つスペースシャトルのレプリカ。本物のシャトルは年内に退役する予定だが、こちらのシャトルは引き続き現役を続行する。 \n\n撮影日:2010年04月11日 (credit:時事通信社)
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(credit:時事通信社)

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