「私たちはみんなジョージ・フロイド」 抗議のうねり、欧州でも

黒人男性が、白人警察官の暴行により死亡した事件で、抗議のデモはフランスやオランダなど欧州各国にも広がっている。
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オランダ・アムステルダムで起きた抗議デモ
Eva Plevier / Reuters

アメリカのミネソタ州で、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を押さえつけられて死亡した事件。人種差別に抗議する「Black Lives Matter」(黒人の命は大切だ、黒人の命を軽視するな)運動が全米に拡大する中、デモの動きは欧州各国にも広がっている。一部では警察と衝突する事態にも発展している。

 

■フランス、4年前にも犠牲者

BBCなどによると、フランスでも人種差別に抗議するため多数の人が集まった。フランスでは2016年、当時24歳の黒人男性アダマ・トラオーレさんが警察に拘束され、警察署内で死亡する事件があった。フロイドさんの死を機にこの事件に再び注目が集まり、フランス各地で6月2日、抗議行動が拡大。数万人が参加した。参加者たちは「私たちはみんなジョージ・フロイドです」「米国のフロイド、フランスのトラオーレ」などとプラカードを掲げ、亡くなった二人への敬意と黒人差別に抗議する意を示した。

パリ警察が抗議する群衆に向かって催涙ガスを発射するなど、一部で衝突する事態になった。

 

■「密」でもマスク着用

ロイターなどによると、オランダの首都アムステルダムでも、ダム広場に約1万人が集まった。オランダ政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、デモ参加者に対してソーシャルディスタンスの確保を呼びかけていたが、膨大な参加者が集まり距離を保つことはできなかった。抗議者の大多数はマスクを着用していたという。

イギリスのロンドンなどでも、フロイドさんの死亡事件に抗議するため数千人が集まった。

【訂正】2020/06/04 8:20
記事中、一部にアメリカのデモに関する記述があった部分を削除しました。