「#大学生の日常も大切だ」が人気。 一方アメリカの大学では、対面授業からオンライン授業への切り替えも

「貴重な大学生活を返して」。長引く大学の授業のオンライン化に悲鳴が絶えない。一方、対面授業を再開したアメリカの大学では、感染者の急増で再びオンラインに戻る動きも始まっている。
|
Open Image Modal
新型コロナウイルスの感染者数の増加を受け、対面授業を再び中止したアメリカ・インディアナ州のノートルダム大学
Christian Science Monitor via Getty Images

「精神的に限界」

「私たち大学生のかけがえのない日々が失われている。もうこりごりです」

「苦労して受験勉強を乗り越えて楽しい大学生活が待っていると思いきや、入学早々オンライン授業。友達もできず家に一人でこもって課題の山」...。

新型コロナウイルスの感染拡大で長期化する大学のオンライン授業。入学直後からキャンパスに通えない新入生を中心に、対面授業の再開を切望する声がSNSであふれている。

一方で、アメリカでは対面授業の再開後、学生の感染者数が急増したことで再びオンライン化を決めた大学も出ている。

 

再開から8日で停止に

アメリカ・インディアナ州のノートルダム大学は、秋学期が始まってから8日後の8月18日、対面授業の一時停止を発表した。発表によると、8月3日以降、927人が新型コロナウイルスの検査を受け、うち生徒146人と大学職員1人に陽性反応が出た。入院患者はいないという。大学側は「感染者のほとんどがキャンパス外に居住しているシニアの学生で、マスクを着用せず、ソーシャルディスタンスを確保していない集まりに関わっていた」と説明している。

ノートルダム大学の発表に先立ち、ノースカロライナ大チャペルヒル校は8月17日、生徒130人が新型コロナウイルスの陽性が確認されたとして、2週間の対面授業の停止を発表ニューヨーク・ポストによると、授業再開から1週間で、学生のコロナ陽性率が2.8%から13.6%に急上昇したという。

チャペルヒル校の学生委員長の一人は、「多くの学生や大学職員、一部の教員のほか、郡保健局さえも、これ(クラスター)が起こるであろうと警告していました」と語り、公開書簡で大学側の「不注意と義務の怠慢」が今回の感染拡大を引き起こしたと述べている

こうしたキャンパス内での感染の広がりを受け、ミシガン州立大学も8月18日、対面授業の計画の停止を発表した。「他の大学機関で、キャンパスに再び人が集まった際に発生している状況」を考慮したという。

 

「#大学生の日常も大切だ」 

朝日新聞と河合塾の調査(国公私立の768大学が対象、85%が回答)によると、7月上旬時点で全授業の8割以上をオンラインにしている大学は7割だった。文部科学省が新型コロナウイルスへの感染を確認した大学生・短大生などは690人(8月2日時点)で、大学生が関係するクラスターも各地で確認されている

一方で、オンライン授業の長期化に、対面授業を望む大学生たちの声は膨らんでいる。Twitterではハッシュタグ「#大学生の日常も大切だ」が拡散。大学側から秋学期も対面ではなくオンライン授業を継続するという内容の通知を受け、落胆する声も上がっている。