新型コロナ、感染の11%は未成年。ユニセフ、子供はかかりにくいという説に「真実でない」

重症化しやすい高齢世代と比べて軽視されがちな子供への対策強化を各国に訴えている。
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休校が明けたケニア・ナイロビの小学校(2020年11月)
SOPA Images via Getty Images

新型コロナウイルス感染者の11%が未成年ーー。

11月2日の「世界子どもの日」を前に、国連児童基金(ユニセフ)が新型コロナウイルスが子供の教育や健康に与えた影響をめぐる報告書を発表した

報告書によると、年齢別データのある87カ国で、約2570万人の感染者のうち、約11%が20歳未満だった。「子供たちは新型コロナの影響をあまり受けないという根強い俗説があるが、真実ではない」とヘンリエッタ・フォア事務局長はコメントしている。

上の世代と比べて重症は少ないが、事務局長は「感染は氷山の一角にすぎない」としたうえで、「パンデミックの危機が長引くほど、子供たちの教育、健康、栄養、福祉への影響はより深刻になる」と指摘している。

報告書では、感染への恐れから、定期予防接種や小児感染症の外来診療が減少したと指摘。2020年10月の時点で、世界中で2億6500万人の子供たちが学校給食がなかった。また、2020年11月時点で、5億7200万人の学生が休校の影響を受けているという。

教育や保健サービス、住居などへのアクセスがない貧困の子供も増えるとしている。

ユニセフは、デジタルデバイスなどを通じた子供の確実な学習機械の確保など、重症化しやすい高齢世代と比べて軽視されがちな子供への対策強化を各国に訴えている。