アップル、人種差別解消のため104億円 「有色人種の起業家を支援」

きっかけとなったのは2020年に大きく広がった「Black Lives Matter」運動だった。
Open Image Modal
プロペル・センター
アップルの公式サイトより

アップルは1月13日、人種差別を解消し人種間の公平性を高めるプロジェクト「Racial Equity and Justice Initiative projects(REJI)」の内容を発表した。1億ドル(約104億円)を投じる。

目玉は、アフリカ系アメリカ人を対象に設立された大学群「歴史的黒人大学(HBCU)」に2500万ドルの資金を提供、ミシガン州デトロイトに「プロペル・センター」を建設することだ。

センターは「革新的なカリキュラム、テクノロジーサポート、キャリアの機会、フェローシッププログラムを提供し、多様性に富んだ次世代のリーダーを支援する」ことが目的。AIやエンターテインメント・アート、アプリ開発、キャリア準備、起業家精神など、幅広い教育を行う。

さらに2021年後半には、デトロイトの街中にミシガン州立大学と共同で「Apple Developer Academy」を開設。アプリ開発などに関するプログラムを提供するほか、有色人種の起業家を資金的に支援するため、今後20年間で1000社に投資する計画だ。差別を無くそうと活動する団体への寄付も行うという。

アップルCEOのティム・クック氏は「私たちは皆、より公正で公平な社会をつくるという喫緊の課題への責任がある」とし、「この新しいプロジェクトはアップルが永続的に取り組むという明らかな姿勢を示している」としている。

きっかけはBLM

こうした活動のきっかけは黒人差別の撤廃を求める「Black Lives Matter」運動の広がりだ。

2020年5月、アメリカ・ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を圧迫され死亡。BLMの運動がアメリカ、さらに世界的にも広がり、多くのアメリカの企業が人種差別に反対するメッセージを表明した。

アップルも同年6月はじめ、「人種差別に声を上げる」とした声明文を発表。その後、REJIの創設を発表していた。