菅義偉官房長官は3月10日、東日本大震災発生日に合わせて開いてきた首相記者会見を、震災6年目となる2017年は取りやめると発表した。安倍晋三首相は11日の追悼式で政府の代表として追悼の言葉を述べるほか、12日には岩手県を訪問し、被災者へのお見舞いと復興に向けた取り組みについて発信する。
東日本大震災の発災以降、野田佳彦元首相と安倍首相は、追悼式への出席や被災地訪問に加え、記者会見も行っていた。記者団から「記者会見を行わないことで、復興に対する政府の姿勢が後退したと受け止められないか」との質問に、菅氏は「それは全くない」と述べた。時事ドットコムは打ち切りの理由について、震災から6年となり「一定の節目を越えた」という政府関係者の話を伝えた。
これに対しネットからは「震災をはやく『過去のもの』にしてしまいたいというホンネですかね」「記憶が急速に風化しつつある中、それじゃいかん」という、打ち切りに反対する声や、「森友学園のような、震災と関係ない内容を質問する記者がいるからでは」「会見より復興がどれくらい進んだかという内容のほうが大事」など、様々な意見が出ている。
なお、これまでの3.11の記者会見では「福島第一原発の状況」「原発再稼働」「避難指示区域など住民の帰還をどうサポートするか」「震災を原因とする子どもの貧困対策」「巨額な費用を使ってのインフラ整備の是非」など、震災を取り巻く質問がほとんどを占めており、少し離れた内容としてはイギリス「フィナンシャル・タイムズ」の記者がアベノミクスや金融政策、ウクライナ情勢について、震災に関連して質問したに過ぎなかった。
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ドローンで撮影した福島県双葉郡
楢葉町の田んぼと仮置き場(01 of09)
Open Image Modal■「空から見ると、色々な思いが見えてきた」
福島第一原発を囲むように存在する双葉郡のあちこちでドローンを飛ばしていると、それまでは見えなかった地元の人の思いが浮かび上がってきた。
松本さん「例えばこの写真の向こうには、田んぼが映っています。田んぼの色が違うのがわかりますか? 楢葉町では2016年からようやく、コメの栽培が再開されたんですよ。でも、まだ全部に稲を植えるわけではなく、この黄色いところだけに植えて、テストしているんです。もともとこの緑の場所全部で、コメが作られていたんですよ」\n\n撮影:2016/9/30 (credit:FiveStar / 松本淳)
Jヴィレッジ(02 of09)
Open Image Modal松本淳さん「これはJヴィレッジを2016年5月と11月に撮ったものです。Jヴィレッジは東電が3月までに返還を完了する予定になっていますが、写真を比べると、テントや駐車場の鉄板が撤去されているのが分かります」\n (credit:FiveStar / 松本淳)
浪江町請戸地区(03 of09)
Open Image Modal津波被害の大きかった浪江町請戸地区。\n撮影日時2017/2/14 (credit:FiveStar / 松本淳)
浪江町請戸地区(04 of09)
Open Image Modal津波避難の大きかった浪江町請戸地区。田んぼのあとにはすすきが生えていた。\n撮影:2016年11月 (credit:FiveStar / 松本淳)
南相馬市にある仮設住宅(05 of09)
Open Image Modal南相馬市にある浪江町の仮設住宅(左側)。向かいに災害復興住宅が建設中だ。仮設住宅に住む東海林サチコさんは、「今住んでいる仮設住宅はマボロシ」と話す。\n撮影:2016/11/25 (credit:FiveStar / 松本淳)
双葉町(06 of09)
Open Image Modal福島第一原発5、6号機がある双葉町。画面奥の沿岸部に福島第一原発が見える。\n撮影:2017/1/25 (credit:FiveStar / 松本淳)
双葉町(07 of09)
Open Image Modal福島第一原発5、6号機がある双葉町。\n撮影:2016/12/9 (credit:FiveStar / 松本淳)
大熊町(08 of09)
Open Image Modal福島第一原発がある大熊町。原発周辺はドローンを飛ばすことができない。画面奥に小さく見えるのが福島第一原発。 (credit:FiveStar / 松本淳)
ドローン撮影をする松本さん(09 of09)
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