『スウィート17モンスター』―深刻な人口減少/宿輪純一のシネマ経済学®(120)

日本経済の問題点の一つに、人口減少がある。減少するということは、経済成長に深刻な影響がある。

(THE EDGE OF SEVENTEEN/2016年)

いわゆる、伝統的なアメリカの女子高生青春ドラマ。恋愛が未経験なため妄想を勝手に膨らませている、デリケートな17歳の少女が、さまざまな恋愛的な出来事を通して成長し、一皮むけていく姿を描く。いまさらながらアメリカの高校生の生活が良く分かって楽しい。主人公ネイディーンには、『トゥルー・グリット』などの可愛いヘイリー・スタインフェルド。他に『メッセンジャー』などの、コミカルな演技が光るウディ・ハレルソンも教師として登場、脇を固める。

恋愛になれていないため、妄想を膨らませては何かと騒動を起こし、母親や教師のブルーナーらを翻弄している、情緒不安定な高校生ネイディーンが主人公。同性の親友と一緒にいるときだけ安らげると信じていたが、なんと、彼女が人気者でエリートの兄ダリアンと恋仲にってしまい、情緒不安定が最高潮に達する・・・・。

社会に出る前の学生の姿が描かれている。彼らもいつかは社会に出ていく≒会社に入っていく。日本経済の問題点の一つに、人口減少がある。中長期的な経済成長は、人口・資金・生産性(イノベーション)の掛け算とされている。この人口が減少するということは、経済成長に深刻な影響がある。

本作品の舞台はアメリカで、最近も力強い経済成長を続けている。トランプの経済政策(トランプノミクス)によるところも大きいが、もともとベースとして、人口が毎年300万人増加している。ちなみにそのうち100万人が移民である。その人口増加が経済成長を加速する。

人口増加には2つある。出生と移民である。子供が生まれるとそれだけで、消費が刺激される。しかし本当に経済に良い影響があるのは、働き始めたときである。収入を得て、消費を増加させ、住宅などの購入も進むことになる。

日本では産業における人手不足が顕著になってきている。(労働力人口が15歳から64歳までの人口としていることには、筆者は疑問があるが)産業の面からも、移民問題に対して積極的に考えても良い時期に来たのかもしれない。しかし、現在、コンビニエンスストアに見られるように、海外、特にアジアの方々が多数働いている。感覚的には、労働力としてすでに移民が受け入れられているのである。いまだに外国語に苦労している筆者にとっては、難しい言語といわれている日本語が大変上手なことにびっくりする。

【「シネマ経済学」商標登録のお知らせ】

筆者が2003年から様々な媒体で書き、テレビでも解説してきた「シネマ経済学」ですが、平成28日12月18日付で特許庁(小宮義則長官)により、商標登録して頂き、商標登録証も届きました。以前、共著者が共著を英訳し単著として勝手に出版した事件(現在も係争中)が発生し、皆様からのアドバイスも多数頂戴し、以降、著作権や商標権に真剣に対応するようになりました。今後「シネマ経済学」に興味がある方は、筆者までまずご連絡ください。今後「シネマ経済学」(単語)にも®(Registered Trademark)を付けます。

【「宿輪ゼミ」のご案内】

博士(経済学)・帝京大学経済学部経済学科教授・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・映画評論家の宿輪先生が2006年4月から行っているボランティア公開講義。その始まりは東京大学大学院の学生達がもっと講義を聞きたいとして始めたもの。どなたでも参加でき、分かりやすいと、経済学博士の講義は好評。「日本経済新聞」や「アエラ」の記事にも。いよいよ4月で11周年、開催回数は227回、会員は1.2万人を超えて、日本一の私塾とも言われています。原則、毎月第1と第3の水曜日に開催。今後の予定は5月 10日(水)、24日(水)に開催。Facebook経由の活動が中心となっており、以下からご参加下さい。

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