駅の掲示板に貼られた紙幣、あなたなら持って行く?(動画)

2015年5月、ロサンゼルスのユニオン駅に、ドル紙幣がたくさん貼りつけられた掲示板が現れた。掲示板には「お金がある方は出来る分寄付をして下さい。お金が必要な方は必要な分持っていってください」と書かれていた。

駅に行ったら掲示板に紙幣が貼られている。「必要だったら持っていってもいいよ」と書かれている。あなたならどうするだろう?

2015年5月、アメリカ・ロサンゼルスのユニオン駅に、ドル紙幣がたくさん貼りつけられた掲示板が現れた。掲示板に書かれていたのは「お金がある方は出来る分寄付をして下さい。お金が必要な方は必要な分持っていってください」というメッセージだ。

掲示板にはすぐに人々が集まった。多くの人がドル紙幣を持っていったが、一方で手持ちの紙幣を貼りつけた人もたくさんいた。

まるで広告キャンペーンのように見えるが、これは社会実験プロジェクト「ザ・ツールボックス」の企画だ。このプロジェクトを始めたタイラー・ブリッジズ氏は「性別や人種、そして社会的・経済的背景の異なる人たちが寄付し、お金を持っていきました」と話す。「中にはウェディングドレス姿で数ドル持っていった花嫁もいました」

掲示板に新しく貼りつけられたドル紙幣はほとんどが1ドル札だったが、5ドル札や10ドル札、なかには20ドル札を貼付ける人もいた。

「たくさん寄付をした人たちの共通点は、全員が笑顔にあふれていたことです」と、ブリッジズ氏は語っている。「人に与えるということは、本人にとってもプラスになるということが、たくさん寄付をした人たちの表情からよく分かりました」

一方で、たくさんの紙幣を持っていこうとした人もほんの一部いたが、お金を持っていった人のほとんどが、数枚だけ持っていったという。

このプロジェクトの狙いは「寛大さと思いやり」を示すことだとブリッジズ氏は話す。そして彼は、別の街でも同じ実験をして、その様子を撮影した動画が投稿されることを願っている。

「誰にだって良い日もあれば、悪い日もあります。救いの手を必要とする日もあれば、救いの手を差しのべることが出来る日もあるでしょう。だから『愛を分かち合うこと』を伝えて、その大切さを思い出してほしかったのです」

動画を見るだけで「分かち合い」の大切さを感じることができる。ブリッジズ氏の目的は達成されたと言ってもいいだろう。

ブリッジズ氏はこの他にも社会実験を行っている。2月に実施したプロジェクトではホームレスの人たちを散髪して別人のようになった姿を撮影しているが、その動画は、すでに200万回以上再生されている。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:梅田智世、合原弘子/ガリレオ]

「米国の貧困」がわかる数字
15.1%(01 of07)
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2010年の米国人口に占める貧困層の割合 (credit:Getty)
22%(02 of07)
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18歳以下の子供に占める貧困層の割合 (credit:Getty)
2万2113ドル(03 of07)
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米国の4人家族(子供2人)の貧困線 (credit:Getty)
-11.3%、-6.6%、-4.5%(04 of07)
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2007年から2010年にかけての家計所得の変化を、所得額の下位20%、中央の20%、上位20%の順に並べたもの (credit:Getty)
6298ドル(05 of07)
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2000年から2010年にかけての、労働年齢における家計所得中央値の減少額 (credit:Getty)
5494ドル(06 of07)
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2000年から2010年にかけての、アフリカ系米国人の家計所得中央値の減少額 (credit:Getty)
4235ドル(07 of07)
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2000年から2010年にかけての、ヒスパニック系米国人の家計所得中央値の減少額 (credit:Getty)

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