橋下徹氏「しこり残っているなら認識甘かった」 最初の亀裂、合流前の京都会談とは【維新分裂】

橋下徹氏は、石原氏らとの最初の亀裂となったされる京都での会談について「しこり残っているなら認識甘かった」との心境を述べた。
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橋下徹・日本維新の会代表は5月29日、大阪市で記者会見を開き、石原慎太郎氏らと日本維新の会を分党することになった経緯などを説明した。橋下氏は、石原氏らとの最初の亀裂になったされる京都での会談についても触れ、「しこり残っているなら認識甘かった」との感想を述べた。

■最初の亀裂、合流前の京都会談とは

問題の会談は、日本維新の会に太陽の党が合流する直前の2012年11月3日に、京都で行われたもの。維新側の出席者は橋下氏の他、松井一郎氏と、松野頼久氏が出席、太陽側は石原氏の他、平沼赳夫氏、園田博之氏らが出席したという。

この京都会談で、橋下氏が太陽側のメンバーについて「石原さん以外の人は、いらない」と発言したことが最初の亀裂だったと、石原氏は述べた。

これに対し橋下氏は、「ふっかけられた喧嘩だった」と釈明。「合流前のことだから、水に流れたものだと思っていた」と振り返った。

会合は合流するかどうかというときに、石原さんの仲介で集まった。思うところを述べてくれと。

その時、東京サイド(編注:太陽の党側)から、橋下なんかいらない、なぜ橋下なんかといっしょになるのだという報道がたくさん出ていた。僕には納得いかないことだったので、先に喧嘩を売られたので、言い返さなくくちゃいけない。確かにそこで、『石原さんとやりたいんで石原さん以外はいらない』と言った。

しかし、平沼さんらは誰一人、僕に反論せず飲み込んでくださった。

後で石原さんに『思うところはいいけれども、言い過ぎだなぁ』とよく茶化される。『平沼くんもよく耐えた』と。それぐらいのことを言った。

その後、僕は合流前のことは全部、綺麗に水に流れたと思っていた。しこりが残っているのであれば、僕の認識が甘かった」

(ニコニコ生放送「【5月29日】橋下徹 大阪市長 記者会見」より 2014/05/29)

■合流後の1年半を振り返って

橋下氏は、石原氏らが合流してからこれまでの1年半について、「良いことしかない」と話した。特に、石原氏の将来の読み方や、人間の洞察力を称賛。「きつく言われることもありましたが、政治ってこんなものなのだ、永田町ってこんなものなんだと。あれだけ学ぶべる人はいない」と述べた。

また、「昨日まで会社の社長をやっていたような新人議員ばかりの政党が、国会で機能するわけがない」として、首相候補にあげられる議員が複数いるとされる旧太陽メンバーの指導で、新人国会議員が「精神的にも、忍耐力も強くなった」と発言。分党という結果になってしまったことについては、「トップである僕のマネジメント力量の無さが最大の要因。個性豊かな議員をまとめるのもトップの役割だがトップとしての力量がなかった」と反省の意を表した。

日本維新の会には62名の国会議員が所属。橋下氏は「意見が違うのは当たり前」としながらも「石原さんは僕が(維新と旧太陽の議員間を)調整しているのを見て、苦しませたくないとか、早く開放してあげたいという思いもあったのかも」と述べた。

■石原氏らとの今後について

分党の原因とされるのは、政策に「自主憲法」という文言を盛り込むかどうかだったとされる。旧太陽メンバーと維新メンバーとでは、憲法改正を行うという点では一致しており、文言だけの問題だったという。

28日に行われた石原氏の会談で橋下氏は、石原氏が「自主憲法」という言葉の代わりに「国民の手による憲法」等の別の言葉を使用できるか探ろうとしたという。しかし、石原氏は「自主憲法」という言葉を使うことを主張。折れなかった。「作家としてのこだわりがあったのではないか」と、橋下氏は分析している。

この「自主憲法」という言葉と、「原発政策」の2つが、石原氏と橋下氏の間では意見が異なったというが、他のほとんどの政策については意見が一致しているため、今後は「重なるところは、できる限り一緒にやっていきたい」としている。

なお、分党したことで維新は今後、党内選挙などを行い執行役員を決めることになるという。維新は結いの党との合流を目指しているとされるが、新党の党首などについて橋下氏は、「その時になってから」と述べた。

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