トランプ氏、新たな入国禁止令を検討 司法の差し止め・法廷闘争に対抗か

最高裁まで争って敗れる可能性や、法廷闘争に時間がかかる可能性に備えたものとみられる。
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U.S. President Donald Trump gestures as he holds a joint press conference with Japanese Prime Minister Shinzo Abe (not pictured) at the White House in Washington, U.S., February 10, 2017. REUTERS/Jim Bourg
Jim Bourg / Reuters

アメリカのドナルド・トランプ大統領は2月10日午後(現地時間)、大統領専用機(エアフォース・ワン)内で、新たな入国禁止令を検討していると述べた。

トランプ氏は1月27日、難民の受け入れ制限やイスラム圏7カ国からのアメリカへの入国を禁止する大統領令に署名したが、西部ワシントン州の連邦地裁が2月3日に一時差し止めを命じていた。サンフランシスコの連邦控訴裁判所は2月9日、連邦地裁の差し止めを支持していた

トランプ大統領の発言は、最高裁まで争って敗れる可能性や、法廷闘争に時間がかかる可能性に備えたものとみられる。

ロイター通信によると、安倍晋三首相との首脳会談を終え、トランプ大統領はワシントンからフロリダに向かう大統領専用機に、記者を同乗させた。その中で、トランプ氏は、週明けの13日か14日に「まったく新しい大統領令」を検討していると述べた。

トランプ氏は法廷闘争についてこう話した。「我々はその戦いに勝つだろう。残念なことは、法的には時間がかかるということだ。セキュリティの理由からスピードが必要だ」

ホワイトハウス関係者は、最高裁判所に上告するつもりはないと述べたが、ホワイトハウスのプリーバス大統領補佐官は10日夜、「最高裁への上告を含め、すべての選択肢を排除しない」と、最高裁まで争う可能性を示唆するとともに「テロリズムからアメリカ人をさらに守るため、新たな大統領令を検討している」と述べた。

この問題に詳しいある議員は「トランプ氏は大統領令を見直し、グリーンカード保有者や永住者を対象から除外すると明記することもできる」と述べた。「そうすることで、控訴審の裁判官が示した、元の大統領令への懸念は緩和される可能性がある」