ユニクロがバングラディシュに出店「ソーシャルビジネスベンチャー」としてグラミン銀行と雇用創設を目指す

ファーストリテイリング
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Reuters

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明るく照らされた店舗の前には入店を待つ約150人の列ができた。

多くの国際的なアパレルブランドにとって、同国は人件費など低廉なコストが魅力となっていたが、販売市場として着目し出店するのは初めて。

ユニクロは460万ドルを投資。ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏が創設し、貧困層向けに小口の無担保融資を行っているグラミン銀行と合弁を組んだ。

バングラデシュは約3000万人の中間所得層を抱えており、小売り市場の規模は700億ドル。

4月には縫製工場が入るビルが倒壊した事故が起き、1100人以上が死亡。国際的なアパレルブランドにとっては労働者の安全と生活の向上も課題となっている。

<高根の花>

朝7時半から入店待ちの列に並んだ地元の大学講師のDipjon Mitraさんは「ダッカの若者はユニクロがきっかけとなり、他のブランドの出店が続くことを期待している」と述べた。

ダッカの店舗は90平方メートルと、他国の大型店舗と比べて小規模となるほか、イスラム教徒が多い国柄を反映し女性は伝統的な衣料を好むことから、品ぞろえの大半が男性向けとなる。

5%の税抜きで、標準的なスリムフィットジーンズは990タカ(12.73ドル)、ショートスリーブシャツが890タカ(11.44ドル)。最低賃金が38ドルの一般的なバングラデシュ人には高根の花となり、拡大する中間所得層がターゲットだ。

ユニクロはウェブサイトで、自社のTシャツは地元の市場で売られている商品よりも20─30%高価だとしつつ、消費者は高品質なモノには財布のひもを緩めるだろうと指摘する。

ファーストリテイリングの広報担当者(東京駐在)は「われわれはユニクロ製品を販売するのではなく、地元市場に一段と注力した(グラミン銀行との合弁会社である)『グラミンユニクロ』を約200─1000円(2─10ドル)で販売する」と述べた。

<利益は貧困解消向けに再投資>

ファーストリテイリングは今のところ、4月のビル倒壊事故を受けてバングラデシュで策定が進んでいる労働環境改善に向けた安全協定に参加せず、独自の検査を強化するとしている。

同社の広報担当者は、細則が分からないため、自社として安全協定に参加するか未定だとした。

ファーストリテイリングはウェブサイトで、グラミン銀行との取り組みについて「ソーシャルビジネスベンチャー」と表現し、利益を農村地域の貧困解消のために再投資する計画だとしている。

合弁会社の最高経営責任者(CEO)を務める新田幸弘氏は「われわれは革新的なデザインやファッションをこの地の中間所得層に届けたいと思っており、複数の都市で出店を進め、雇用拡大を図ることを計画している」と述べた。

出資比率はユニクロが99%で、グラミン・ヘルスケア・トラストが1%。

[ダッカ 5日 ロイター]