世界の水不足は、予想されていた以上に深刻だった

世界に広がる水不足危機は、これまで考えられていたよりも深刻だとの新たな研究結果が発表された。
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2015年11月6日、南アフリカ、フランクフォート近郊のマニー・バン・ルーイ農場の羊たち。フリーステート州の農家は、1992年以来の深刻な渇水に見舞われている。

世界に広がる水不足危機は、これまで考えられていたよりも深刻だという、新たな研究結果が発表された。科学誌『サイエンス・アドバンシズ』の2月15日号によると、世界人口の約66%にあたる約40億人が、1年間のうち1カ月以上も、適切な真水の供給を得られずに生活しているのだという。これまでの研究では、中〜重度の水不足に年に1カ月以上さらされている人口は17~31億人と、もっと低い数値だった。

今回の研究では、オランダにあるトゥウェンテ大学のアルジェン・フークストラ博士率いる研究チームが、世界に広がる水不足の状況を、これまでよりも包括的かつ正確に分析できるコンピューターモデルを使って調査した

「これまで、水不足に関するこの手の研究はもっぱら年単位で、しかも大河川流域だけに絞られていました」とフークストラ氏は述べた。「これでは誤った楽観的な印象を招いてしまいます。渇水は1年間のうち乾季に起こるのですから」。

「水不足はいまや地球規模の問題である事実が、私たちの研究で実証されました」フークストラ氏は続けた。「世界経済フォーラムはここ数年、水不足問題を気候変動やテロリズムと並ぶ世界3大問題と捉えています」。

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世界の人口の約3分の2が、年に1カ月以上の水不足に直面している。

同研究チームによれば、深刻な水不足は、消費量が供給可能量の2倍になったときに起きる。結果として水不足被害の半分は、世界第1、第2の人口を持つ国々で起きている。インドと中国だ。どちらも水需要は高い。

また深刻な水不足は、大規模な灌漑農業地域(アメリカのグレートプレーンズのような)や、自然の真水を入手しにくい地域(アラビア砂漠のような)にも広がっていることを研究結果は示す。そういった地域は人口も比較的密集している。アメリカの南部や西部でも似た現象が見られ、カリフォルニア州のように人口の激しく密集した地域では何年も渇水が続いている

水不足は結果として作物の不作や食料不足、ひいては事業不振による経済的損失につながり、生物多様性を損なう環境問題もひき起こす。水不足に悩む地域は、不足を解消しようと地下水の汲みあげに依存しがちだが、それが資源の永久的枯渇にもつながりかねない。

水不足はまた、中東やアフリカのような地域では国際紛争の火種にもなり得る。

「真水の不足は世界経済にとって大きなリスクです。40億の人々に直接影響を及ぼすのですから」とフークストラ氏はニュー・ヨーク・タイムズに語った。「それ以外の人々もその地域から食料を輸入していることを思えば、これは私たちすべての問題といえます」。

これら暗たんとする結果を発表する一方で、研究では水不足の緩和策を紹介している。雨水を活用して灌漑設備への依存を減らし、水の使用効率を向上させ、そしてこれが人間にとってもっとも難しいだろうが、今ある資源を分かち合うなどだ。これらの方法が効果をあげるには、行政、企業、投資家の協力が不可欠だと研究チームは指摘する。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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