山本太郎氏、国会中継しないNHKに皮肉 「受信料払う価値あるわぁ」【安保法案】

山本太郎氏がNHKの生放送でNHKの報道姿勢を牽制した。
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Facebook / 山本太郎

生活の党と山本太郎となかまたちの、山本太郎共同代表(40)が9月13日、NHKの特別番組「緊急生討論 10党に問う どうする安保法案採決」に生出演し、NHKが安全保障関連法案の採決を生中継するよう釘を差した。生中継しないなら「有権者への裏切り行為」だという。

この日、山本氏は与党が今週中の可決を目指している安保法案についての意見を求められ、「大きな問題の一つは、強行採決だと思っています」と話し始めた。山本氏は、安保法案が衆院でも強行採決されたので、参院でも間違いなく強行採決されるだろうと分析。「強行採決というのは民主主義と真逆ですよね。暴挙ともいってもいいと思う」と与党の姿勢を批判した。

しかしすぐに、批判の矛先は安倍政権ではなくNHKに向かった。「(強行採決が)どうして行われるかというと、安倍政権が卑怯だからという言葉だけでは片づけられない」として、「NHKが公共放送としての役割を果たしていただきたい。第三の目として監視する役割を放棄しないでいただきたい」と話した。

強行採決の生中継については、衆院での議論の際も話題になっていた。NHKは衆院特別委での安保法案の強行採決の模様を、正午のニュースを延長して中継したものの、午前中に安倍晋三首相が出席した行われた総括質疑は生中継しなかったのだ。

これに対して、視聴者からは「なぜ中継しないのか」と、インターネット上でもNHKに問い合わせが殺到。NHK広報局の公式Twitterは午前11時31分ごろ、「国会中継の放送がないことについて、こちらのアカウントにたくさんのご意見・お問い合わせをいただいています。いただいたご意見は私の方から担当に必ず伝えます。(2号)」とツイートしていた。(ただし、このツイートは、9月14日午後2時現在、削除されている)

毎日新聞によると、NHKはこの対応について、次のように説明している。

NHK広報局によると、国会中継は全会派がそろう審議を対象に、国民的な関心が高い重要案件を扱う委員会質疑であること▽各会派が一致して委員会開催に合意すること−−などを総合的に判断して放送するか決めている。15日は委員会に全会派がそろうかどうか、直前まではっきりしなかった。

また法案が審議入りした5月26日の衆院本会議も中継しなかった。広報局は「本会議を放送するのは原則として、首相の施政方針や所信表明など政府演説と、それに対する代表質問がある場合」とした。

一方、法案が採決された今月16日の衆院本会議は、当初予定していたトーク番組を変更して生中継した。広報局は「国民的な関心が高い案件かどうかなどを総合的に判断した」と説明した。

Listening:<安保法案強行採決>テレビ局報道、扱いに差大きく - 毎日新聞より 2015/07/20)

山本氏は13日の番組のなかで、公共放送によって生中継が行われることの重要性について次のように述べ、生中継を強く要望した。

「強行採決をやるっていったら、それは、生中継が入るといったらできない。有権者にそんなところ見せられないでしょ。だからこれは生中継する必要があるんです。有権者への裏切り行為、その瞬間を生中継しないなら、公共放送を名乗る資格はない。安保特別委員会での、くれぐれも生中継お願いします。受信料を払っている皆さんのために」

番組の司会者を務めた島田敏男NHK解説委員は、「はい、様々な意見として受け止めます」と述べていたが、NHKに山本氏の思いが伝わったかどうかはわからない。山本氏は14日、安保法案に関する参院特別委の中継について次のようにつぶやいた。

乱闘国会
JAPAN-POLITICS-DEFENCE-MILITARY(01 of29)
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Japanese ruling and opposition lawmakers scuffle at the Upper House\'s ad hoc committee session for the controversial security bills at the National Diet in Tokyo on September 17, 2015. Japanese lawmakers came to blows as they tried -- and failed -- to stop the passage of a security bill that could see the military fight abroad for the first time in decades. AFP PHOTO / Yoshikazu TSUNO (Photo credit should read YOSHIKAZU TSUNO/AFP/Getty Images) (credit:YOSHIKAZU TSUNO via Getty Images)
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野党議員が反対する中、安全保障関連法案を採決する衆院平和安全法制特別委員会の浜田靖一委員長(中央)\n\n2015年7月15日 (credit:時事通信社)
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衆院平和安全法制特別委員会でプラカードを持った民主党議員らに囲まれる中谷元防衛相(中央右)と岸田文雄外相(同左)\n\n2015年7月15日 (credit:時事通信社)
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衆院平和安全法制特別委員会で、民主党の辻元清美氏(左下)の質問に答弁する安倍晋三首相(右)\n2015年7月15日 (credit:時事通信社)
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衆院平和安全法制特別委員会で質問する民主党の辻元清美議員\n\n2015年7月15日 (credit:時事通信社)
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衆院平和安全法制特別委員会でプラカードを持った民主党議員らが委員長席に詰め寄る中、起立し賛成する自民党議員\n\n2015年7月15日 (credit:時事通信社)
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衆院厚生労働委員会の開会を阻止しようとする民主党議員らともみ合いになる渡辺博道委員長(中央)=12日午前、東京・国会内\n\n撮影日:2015年06月12日 (credit:時事通信社)
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民主党議員ともみ合った際に頸部を損傷したとする診断書を手に、記者団の質問に答える自民党のの渡辺博道衆院厚生労働委員会委員長(中央)=2015年06月12日午後、東京・国会内 (credit:時事通信社)
自衛隊イラク派遣・与党が強行採決 (09 of29)
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衆院イラク復興支援特別委員会で与党が自衛隊イラク派遣承認案を強行採決、もみ合う与野党委員ら(東京・国会・衆議院第1委員室) \n\n撮影日:2004年01月30日 (credit:時事通信社)
参院外交防衛委・イラク特措法案を強行採決 (10 of29)
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イラク復興支援特措法案審議の質疑終了後採決が強行され、委員長席に殺到する与野党議員(午後7時34分、東京・国会・参議院第34委員会室) \n\n撮影日:2003年07月25日 (credit:時事通信社)
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Masaharu Nakagawa (C), chairman of the upper house special Diet committee, announces the approval of a controversial bill for a new secrecy law in the committee session at the Diet in Tokyo on December 5, 2013 while lawmakers of opposition parties try to stop the approval. AFP PHOTO / KAZUHIRO NOGI\n \n\n撮影日:2013年12月05日 (credit:AFP PHOTO / KAZUHIRO NOGI)
国会・強行採決する委員長 (12 of29)
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参議院厚生労働委員会で、年金制度改革関連法案の強行採決に踏み切る国井正幸委員長(左から2人目)(東京・国会内) \n\n撮影日:2004年06月03日 (credit:時事通信社)
衆院予算委・委員長席に詰め寄る野党議員 (13 of29)
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衆院予算委員会で2007年度予算案の強行採決を阻止しようと金子一義委員長(右から2人目)に詰め寄る野党議員(2日午後、東京・国会内) \n\n撮影日:2007年03月02日 (credit:時事通信社)
衆院予算委開会を阻止する新進党 (14 of29)
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徹夜で座り込んでいる委員室前で新聞を読む新進党議員ら(東京・国会・衆院第1委員室前) \n\n撮影日:1996年03月08日 (credit:時事通信社)
国会・強行採決に抗議する自民党議員ら (15 of29)
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参院厚生労働委員会で雇用対策関連4法案を採決する岩本司委員長(左手前から2人目、後ろ姿)に抗議する自民党議員ら。右奥は事態を見守る民主党議員ら(東京・国会内) \n\n撮影日:2008年12月18日 (credit:時事通信社)
衆院厚労委・医療改革法案を強行採決 (16 of29)
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医療制度改革法案を採決する衆議院厚生労働委員会。中央は岸田文雄委員長。その周りは採決に反対し詰め寄る野党議員ら(東京・国会内) \n\n撮影日:2006年05月17日 (credit:時事通信社)
参院税制特別委・強行採決 (17 of29)
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税制改革関連6法案を自民党の賛成多数で強行採決、委員長席に詰め寄る野党議員ら(東京・国会) \n\n撮影日:1988年12月21日 (credit:時事通信社)
自民党、国鉄運賃値上げ強行採決 (18 of29)
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自民党が国鉄運賃値上げ法案を強行可決し、混乱する衆院運輸委員会(東京・国会・衆議院第7委員室) \n\n撮影日:1969年03月25日 (credit:時事通信社)
国会・強行採決した委員長 (19 of29)
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参議院厚生労働委員会で、年金制度改革関連法案を強行採決し、衛視らに守られながら委員会室を出る国井正幸委員長(東京・国会内) \n\n撮影日:2004年06月03日 (credit:時事通信社)
衆院予算委員会・強行採決 (20 of29)
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砂田委員長をガードする浜田幸一自民党理事(東京・国会) \n\n撮影日:1987年04月15日 (credit:時事通信社)
衆院内閣委で総定員法案強行採決(21 of29)
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与野党議員にもまれながら混乱のうちに総定員法案を強行可決した衆院内閣委員会(東京・国会) \n\n撮影日:1969年04月08日 (credit:時事通信社)
衆院沖縄協定委で強行採決 (22 of29)
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自民党による沖縄返還協定の強行採決に野党議員が委員長席になだれ込み、混乱する衆議院沖縄返還協定特別委員会(東京・国会) \n\n撮影日:1971年11月17日 (credit:時事通信社)
衆院予算委・自民党、強行採決 (23 of29)
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企業代表の喚問をめぐり、衆議院予算委員会を職権で開会し採決を強行する荒船清十郎委員長(中央立っている人)と抗議する野党議員(東京・国会) \n\n撮影日:1974年02月15日 (credit:時事通信社)
衆院予算委開会阻止する新進党 (24 of29)
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住専処理をめぐる予算案に反対して座り込み、9日目を迎え疲れ気味の新進党ピケ隊(東京・国会) \n\n撮影日:1996年03月13日 (credit:時事通信社)
参院大蔵委で酒・たばこ値上げ強行採決 (25 of29)
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参院大蔵委員会での酒・たばこ値上げ法案に野党議員が委員長席に殺到する中、強行採決する自民党議員(東京・国会) \n\n撮影日:1975年11月20日 (credit:時事通信社)
衆院予算委・強行採決 (26 of29)
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強行採決を前に、砂田重民衆議院予算委員長席周辺に詰め寄る与野党理事ら(東京・国会・衆院第1委員室) \n\n撮影日:1987年04月15日 (credit:時事通信社)
衆院予算委・強行採決 (27 of29)
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大混乱の中、62年度予算案を強行採決した衆議院予算委員会。中央右よりは、口に手を当て可決を宣言する砂田重民予算委員長(午後2時3分)(東京・国会・衆院第1委員室) \n\n撮影日:1987年04月15日 (credit:時事通信社)
国会・衆院環境委で強行採決に抗議する自民議員ら (28 of29)
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衆議院環境委員会で地球温暖化対策基本法案が強行採決され、樽床伸二委員長(中央右)に詰め寄る自民党の議員ら(左)(東京・国会内) \n\n撮影日:2010年05月14日 (credit:時事通信社)
参院公選法改正特別委・強行採決 (29 of29)
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参議院公職選挙法改正特別委員会は野党欠席のまま自民党が参院全国区改革の公職選挙法改正案(自民党案)を単独強行採決(東京・国会内) \n\n撮影日:1982年07月09日 (credit:時事通信社)

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