幼少期に見たアニメが見られない? 文化振興のための著作権法のあり方とは

私たちが子どものころ見てきたマンガ・アニメはもう見ことができなくなっています。お金を出してみようと思っても見れないので著作権違反の動画を見ることしか出来ない状況です。
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子どもの頃に見て育ったマンガ・アニメを二度と見ることができないとしたら...。このような悲しい現実を救うアーカイブセンター設立についての取り組みとMANGA議連役員に訴えた内容についてお伝えします。

MANGA議連の役員にマンガ・アニメ・ゲームの重要性を説明

今、マンガ、アニメ、ゲームのアーカイブセンターを作ろうという議論が、MANGA議連の中において進んでいます。それに関連し、MANGA議連の役員メンバーでニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展FROM1989(8月31日まで開催)を見に行きました。その中で、マンガ・アニメ・ゲームの現状と、TPPの著作権の非親告罪化の問題、そして同人誌などの二次創作の重要性について解説をしました

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展では、1989年(平成元年・手塚治虫先生が亡くなられた年)以降に流行したマンガ・アニメ・ゲームが展示されていましたが、これらの作品は、などは従来のように週刊誌から誕生するものだけではありません。たとえば、「ひぐらしのなく頃に」のように同人サークルのゲームから生まれたものや、YOUTUBEなどの共有サイトから生まれたものもあります。

私は議員たちには、このような具体的なケースを説明しつつ、展示されている作品の作家たちが少しずつ他作品の真似をしながら育ってきた事実、そして、著作権の非親告罪化が進んでしまうと作家の卵たちが生まれる道を閉ざしてしまうことなどを訴えました。

また、マンガ*アニメ*ゲーム展のような形で、アーカイブセンターを作るべきだということも提案しましたが、私の主張は、十分に伝わったのではないかと実感しています。

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なかなか集めることのできない版権の実態

館長も、展示の責任者の方もおっしゃっていましたが、今回展示された作品の版権を集めるのが、かなり大変だったそうです。90年代でさえ版権集めが大変だったことを考えると、70年代、80年代作品ともなれば、著作権を持っている人たちを探し出すことは、さらに困難になります。また、原画などの重要資料も分散してしまい、どこにあるのか分からないという状況も多くあります。

また、私たちが子どものころ見てきたマンガ・アニメはもう見ことができなくなっています。お金を出してみようと思っても見れないので著作権違反の動画を見ることしか出来ない状況です。著作権法の本来の目的である、文化の振興の観点で言えば、既存の権利者が著しく有利になるような著作権法は必ずしも良いとは言えない状況だと思います。

さまざまな人たちの人格形成に、大きな影響があったであろうアニメを見ることができなくなってしまうということは大きな問題であり、例えば、今回設立を検討するアーカイブセンターでは、直接の閲覧や、二次利用についても認めていくなど、"活用できる"アーカイブセンターを作っていく必要があるでしょう

また、今後は著作権の非親告罪化など同人誌などの創作活動が萎縮していく可能性もありますので、著作権の背景にある問題をしっかり捉え、日本の文化にとって何が良いかを考え提案していきます。

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展(国立新美術館@六本木)

※8月31日(月)までです。皆さん是非行ってください

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(2015年8月29日「山田太郎ボイス」より転載)