Apple創業者スティーブ・ジョブズ、IBMで撮った写真に秘められたストーリー

7月15日、AppleとIBMが歴史的とも言える、戦略的提携を結んだ。Apple創業者、スティーブ・ジョブズとIBMの関係は、並々ならぬものがある。
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7月15日、AppleとIBMは法人向け分野で戦略的提携を結んだと発表した。このことは、Apple創業以来の大きな出来事として受け止められている。

Appleの歴史のそばには、常にIBMがいた。

1980年代前半、IBMは企業・研究機関向けのコンピュータ市場を牛耳っていた。そこにそれまでなかった、個人向けパソコンという新しい市場を創りだしたのがAppleだ。

1984年、Appleは「IBMに支配された画一的な世界を打ち破る」というコンセプトで、ジョージ・オーウェルの小説「1984」を下敷きにしたMacintoshのCM映像を制作。賞賛を得た。Macintoshの開発時には、ジョブズは巨人・IBMを海軍に、自らを海賊になぞらえ、「海軍になるより、海賊であれ」と言った。

やがてIBMもAppleを追いかけ、個人向けコンピュータ市場に参入する。Appleは「ようこそ、IBM。マジで。」という、ウィットの効いた新聞広告でIBMを「歓迎」した。

時は流れ、今やAppleはモバイル市場の巨人。IBMは、すべてのパソコン事業を手放し、企業向けのソリューションビジネスを手がけている。1984年から、30年。ついにAppleとIBMは手を組んだ。

2011年、スティーブ・ジョブズが亡くなった直後の12月。初代Macintoshの開発チームの一員として、ジョブズと働いていたアンディ・ハーツフィールドが、自身のGoogle+に、一枚の写真を投稿した

彼はこの写真について、こう記している。

ここに、彼の自由な精神を象徴する、貴重な写真がある。1983年12月。初代Macintoshの発表直後、Macを特集記事にするという、Newsweekの取材を受けるため、僕らはニューヨークを訪れた。この写真は、たまたまマンハッタンを歩いていた時、同行していたフランス人の旅行代理店のスタッフが、思いつきで撮ったものだ。どういうわけかその写真は僕が持っていることになった。僕が本を出すときに、編集者はこの写真を使わせて欲しいと言ってきた。だけど、許可するにはさすがに怖かった。だって、あの時は、MacのCPUは、IBMが作っていたからね。

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スティーブ・ジョブズ 名言集
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「われわれは数字について心配したことはない。市場において、アップルは製品に焦点を当てている。それは、製品こそが実際の違いになるからだ。(中略)広告キャンペーンは競争に必要だ。IBMの広告は至るところにある。しかし、優れた広報活動は人々を教育する。それがすべてだ。このビジネスで人々をだますことはできない。製品を物語るのは製品自体だ」\n-- 『Playboy』紙のインタビュー(1985年)\n (credit:Getty)
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「私が信念にしてきたのは、集中と単純さだ。単純さは複雑さよりも難しいことがある。単純にするには、自分の考えを明快にするよう懸命に取り組まなければならない。そして、それにはそれだけの価値がある。いったんそこにたどり着けば、山をも動かせる」\n-- 『BusinessWeek』誌のインタビュー(1998年5月) (credit:Getty)
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「近い将来、ほとんどの人が家庭用にコンピューターを買う最も大きな理由は、全国規模の通信ネットワークに接続することになる。我々は、電話と同じくらい大きな、真の革新がまさに始まろうとする局面にいるのだ」\n-- 『Playboy』誌のインタビュー(1985年) (credit:Getty)
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「我々の結婚については10年以上秘密にしてきた」\n-- ジョブズ氏とビル・ゲイツとの関係における「最大の誤解」に関する、技術系コラムニストカラ・スイッシャーの質問に対するジョブズ氏の回答(2007年5月) (credit:Getty)
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フォーカスグループ(グループ対話形式で自由に発言してもらう手法)によって新しい製品を設計するのは実に難しい。多くの場合人々は、実際に製品を示されるまで、何が欲しいのかわかっていないのだ」\n-- 『BusinessWeek』誌のインタビュー(1998年5月) (credit:Getty)
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将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることが、いずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。運命、カルマ…、何にせよ我々は何かを信じないとやっていけないのです。私はこのやり方で後悔したことはありません。むしろ、今になって大きな差をもたらしてくれたと思います。\n-- スタンフォード大学卒業式でのスピーチ(2005年6月)\n (credit:Getty)
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ぼくのセックスライフは最近とてもうまく行ってるよ。きみは?\n-- グーグルとの関係で「裏切られた」と感じているかという、ウォルト・モスバーグからの質問に答えて(2010年6月)「彼らはわれわれと競合する道を選んだ。われわれは検索ビジネスに入っていったことはないのに」とも述べている。 (credit:Getty)
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自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです。\n-- スタンフォード大学卒業式でのスピーチ(2005年6月)\n (credit:Getty)
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