プレゼントが2回もらえる! 大使館居候ネコに聞くドイツのクリスマス

クリスマスイブまであと4日!欲しいクリスマスプレゼントはもう決まってる?ハフポスト日本版ではこれまで、「」や「」を紹介してきた。その取材の中で、フィンランドやデンマークと同じヨーロッパに、クリスマスプレゼントが2回もらえる国があるとの情報を入手。しかも、プレゼントを届けてくれるのは必ずしも赤い服を着たサンタクロースではないという...
|

Open Image Modal

聖ニコラウスとクランプス

クリスマスイブまであと4日!欲しいクリスマスプレゼントはもう決まってる?

ハフポスト日本版ではこれまで、「フィンたんに聞く伝統的なフィンランドのクリスマス」や「デンマーク大使館のイェンセンさんによるデンマークのクリスマス」を紹介してきた。その取材の中で、フィンランドやデンマークと同じヨーロッパに、クリスマスプレゼントが2回もらえる国があるとの情報を入手。しかも、プレゼントを届けてくれるのは必ずしも赤い服を着たサンタクロースではないという。

その国とは、クリスマスマーケットが有名なドイツ。そこで真相を確かめようと、ドイツ大使館(東京都港区)を訪ねてみた。謎を解明してくれたのは、ドイツ大使館にこっそり住み着いた居候ネコさん(@neko_blog)。いつも大使館の様子やドイツのことをこっそり情報発信しているそう。Twitterでも人気の居候ネコさんに、今回はドイツのクリスマスについて色々紹介してもらった。

Open Image Modal

――ドイツの子どもたちは2回プレゼントがもらえるって本当?

ぐーてんもる元気ですかー!もうすぐ、クリスマスだね。欲しいプレゼントは決まったかニャ?

実はこの前、ボク見ちゃったんだ。ドイツ大使館の子供たちが、クリスマスプレゼントをもらうところを!12月6日、ドイツ大使館に聖ニコラウスがやってきて、みんなにプレゼントを配ったんだ。

もちろん24日にもプレゼントがもらえるから、ドイツのお友達は「倍」楽しめてうらやましいニャ~=^_^=

ドイツでは、クリスマスプレゼントが2回もらえる。最初は、12月6日の「聖ニコラウスの日」。前日の5日の夜、子供たちは、ピカピカに磨いた靴やカラフルなプレートを玄関や窓などに置く。すると、子供たちが寝ている間に聖ニコラウスがやって来て、1年間良い子に過ごしていたご褒美に、お菓子や果物などのプレゼントをくれるという。しかし、悪い子には「おしおき」が待っていて、プレゼントの代わりにムチ(小枝)や石炭を置く、と言い伝えられている。聖ニコラウスは、真っ白な大きなひげをたくわえ、赤い服を着て、サンタ帽ではなく先のとがった布製の冠をかぶっている。見た目はサンタクロースと似ているが、正体は3世紀に生まれ多くの奇跡を起こしたと言われる伝説上の聖人だ。

■悪い子にお仕置きをする「ブラックサンタ」の正体は

――聖ニコラウスは一人でやってくるの?ブラックサンタがいるって本当?

実は、聖ニコラウスは東京のドイツ大使館に来たにように直接プレゼントを渡すパターンと、寝ている間にやって来てプレゼントを置いて帰る2つのパターンがあるんだ。

これは色々な情報や習慣が混ざり合って地域ごとに独自のパターンが受け継がれているんだ。帽子もサンタ帽をかぶって、サンタクロースと何ら変わらない聖ニコラウスの姿も!

大切なことは12月6日にプレゼントを持ってやって来るということですニャ=^_^=

Open Image Modal

聖ニコラウスとクネヒト・ルプレヒト(後ろ)

聖ニコラウスが直接プレゼントを渡すパターンでは、悪い子供をお仕置きする「クネヒト・ルプレヒト」や怖い顔をした魔物の「クランプス」が一緒にやって来る場合があるんだ。

大使館にはクネヒト・ルプレヒトもクランプスも来なかったけど、悪い子供には聖ニコラウスがお仕置きもするんだ。聖ニコラウスが持っている「黄金の本」には、子供達の一年間の様子がちゃ~んと書かれてるから、みんなとっても緊張していたニャ=^_^=

クネヒト・ルプレヒトやクランプスは、良い子にプレゼントを配る聖ニコラウスとは対照的に、悪い子供をこらしめる、と伝わる。長いひげのクネヒト・ルプレヒトは、毛皮を着ていたり、ワラで体を覆っていたりして、悪い子供を袋で叩いたり、袋に入れて連れ去ったりしてこらしめるという。クランプスは、角や牙があって怪物のような見た目。そのため、「悪魔」とも呼ばれる。

――24日には誰がプレゼントをくれるの?お父さんとお母さん?

「クリストキント」や「ヴァイナハツマン」がプレゼントをくれるんだ♪=^_^=

クリストキントは、ドイツ語で「幼子キリスト」という意味。「天使」のような姿ニャんだけど、性別は不明。

ヴァイナハツマン(Weihnachtsmann)は「Weih-(ヴァイ)=聖なる」+「nachts(ナハツ)=夜に」+「-mann(マン)=男」で「サンタクロース」のこと。赤い服を着ているよ。

プロテスタントが多いドイツ北部はヴァイナハツマン、カトリックが多い南部ではクリストキントがプレゼントを届けてくれると言われているニャ=^_^=

Open Image Modal

クリストキント(役) ニュルンベルクのクリスマスマーケットのオープニングセレモニーにて

ここでドイツ大使館の二等書記官ドミニク・ボーネンさん(写真下)の例を紹介する。オランダやベルギーに接するドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州(州都:デュッセルドルフ)出身のボーネンさんの家では、リビングにクリスマスツリーを飾り、12月24日のクリスマス・イブには家族がそろって教会に出かける。帰ってくると、なぜか子供たちはリビングにだけは入れてもらえない。他の部屋でクリストキントを待っていると、玄関からベルの音が。急いでリビングに駆けつけると、クリスマスツリーの根元にはプレゼントが置かれていて、ボーネン少年が「クリストキントはどこ?」とお父さんに尋ねても、「もう帰ったよ」といつも言われたそうだ。「クリスキントの姿を見たくて、玄関に急いで駆け寄ったり、窓から外をのぞいたりしたけど、結局一度も見たことがないんだ」とボーネンさん。家族みんなでキリスト教の詩を唱え、伝統的なクリスマス・キャロルを歌ってから、いよいよプレゼントを開けることができるという。

Open Image Modal

ドミニク・ボーネンさん

ドイツの子供たちは「クリスキント」や「ヴァイナハツマン」に欲しいものを書いた手紙(ウィッシュリスト)を書いて、24日を心待ちにしている。聖ニコラウスの日は、お菓子など、ささやかなプレゼントをもらうことが多いが、この日はウィッシュリストにあるものがプレゼントとして届けられる。また、ドイツでは子供だけがプレゼントをもらえるのではなく、家族同士でプレゼントを贈り合う習わしだ。

ドイツ最大級のニュルンベルクのクリスマスマーケットでは、クリストキントがマーケットの開会宣言をする(写真下)。クリストキントはニュルンベルクに住む16~19歳の少女の中から選ばれ、任期は2年。

■ドイツにもあるサンタクロース郵便局 フィンランドなど世界中から26万通

――サンタクロースへの手紙を受け付ける郵便局があるって本当?

ヒンメルフォルトというブランデンブルクの小さな町の郵便局には、サンタクロース宛ての手紙が世界中から届くんだ。2012年には25万7000通もの手紙が届いたんだ。びっくりだニャ!=^_^=

Open Image Modal

ヒンメルフォルトに直接ウィッシュリストを持ってきた子供たち

ヒンメルフォルトはドイツ語で「天国への扉」。この町のサンタクロース郵便局には、ドイツ国内だけでなく、日本や中国、ロシア、インド、ペルー、フィンランドなど世界中の子供たちから手紙が届く。宛先は「An den Weihnachtsmann, 16798 Himmelpfort (サンタクロースさんへ 郵便番号16798 ヒンメルフォルト)」。11月13日のオープン前の夏に、すでに1000通が届いていたというから驚きだ。毎日山のように届く手紙はサンタクロース郵便局に「出張中」のヴァイナハツマンと20人のクリストキントが受け取り、16カ国語で子供たちへ返事を書くという。

ベルリンでは、多くの学生がヴァイナハツマンのアルバイトをする。1949年から続く「ベルリナー・ヴァイナハツマン」はヴァイナハツマンに扮した学生が家庭を訪問するサービス。ベルリンにある4大学(自由大学、フンボルト大学、工科大学、芸術大学)の学生を対象にしたアルバイトサイトでは、このアルバイトに約400人の学生からの応募があったという。残念ながらヴァイナハツマンは男性限定。女性は希望すればクリストキントになれる。大学生が対象ということもあり、ヴァイナハツマンになるための教授による講義や「黄金の本」の作成コンテスト、総会もある。もちろん全員、ヴァイナハツマンの衣装を着て参加する。ちなみに、このサービス、1回28ユーロ。5000件の家庭から申し込みがあったという。

■ドイツ人はサンタクロースがどこに住んでいると思っているの?

――サンタクロースは「フィンランドにいる」ってフィンたんは話しているけど、デンマーク大使館の広報官・イェンス・イェンセンさんは「デンマークのグリーンランドに住んでいる!」って言っているよ。ドイツ人はサンタクロースがどこに住んでいるって思っているの?

ん~、どこニャんだろ?=^_^;= 本来は聖ニコラウスもクリストキントも姿が見えないし・・・そう♪サンタクロースはみんなの心の中にいるのかもしれないニャ!=^_^=

【ドイツ大使館居候ネコ プロフィール】

ボクは緑あふれるドイツ大使館の敷地内にこっそり住み着いたネコ。名前はまだニャい。ツイッターの「Miau!」はドイツ語の猫の鳴き声。誰かいい名前つけてくれないかな、と思っているけど・・・まだ誰もボクに気づいてないみたい。

好きな食べ物はグミ。実はサッカー・ブンデスリーガ「バイエルン・ミュンヘン」の大ファン!内田篤人選手や長谷部誠選手、岡崎慎司選手ら多くの日本人も活躍するブンデスリーガをいつも注目。ブログではつい試合解説に熱くなってしまうニャ=^_^;=

大使館では毎日いろいろなことがあるよ。「ドイツ大使館ネコのきまぐれブログ」やTwitter(@neko_blog)でボクが見たドイツ大使館の様子をこっそり教えてあげるから、みんな見てね! 大使館のFacebookでもドイツに関する情報を発信しているよ。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています
ヨーロッパ伝統のクリスマス・マーケット10選
ポーランド、ヴロツワフ(01 of10)
Open Image Modal
古くから交易・金融業で知られるヴロツワフの町 では、毎年この時期になるとシフィドニツカ通りから旧市街へかけて、伝統のお菓子やオーナメンツはもちろん、手作り石鹸や皮・ウール製品を扱うお店など、様々な屋台が軒を連ねます。ここでしか味わうことのできないオスチペク(羊のミルクから作られたスモークチーズ)や、ハンガリーやリトアニアといった近隣諸国の郷土料理を楽しむこともできます。冷えた身体を温めるにはグジャニエ ッツと呼ばれるホットワインがおすすめです。 (credit:trivago )
ベルギー、ルーヴェン (02 of10)
Open Image Modal
ベルギーの首都、ブリュッセルから列車で20 分ほどに位置するルーヴェンは学生で活気ある街です。旧市街の中心に位置するラデウズ広場と、ヘ ルベルト・ホーフェルト広場には約140もの屋台が立ち並び、毎年10 日間で約50万人の人が訪れます。伝統的な木製のクリスマス雑貨や、ベルギー西部を代表するスペキュロスと呼ばれるお菓子 など、ベルギーのクリスマスを満喫することができます。ビール好きには、すぐ側にあるアルトワ醸造所のクリスマス限定ツアーも見逃せません。 (credit:trivago )
オーストリア、ザルツブルグ(03 of10)
Open Image Modal
モーツァルトゆかりの地、ザルツブルグのクリスマスマーケットは煌びやかなライトアップと美しい音楽が訪れる人を魅了します。この街を象徴する大聖堂前のドーム広場と、隣接するレジデンツ広場にまたがるようにして、伝統工芸品や焼き菓子など様々な出店が並びます。さらに、ブラスバンドの演奏やクリスマスキャロルのアンサンブルが会場に華を添えます。鮮やかなイルミネーションに彩られ、甘い焼き菓子の香りに包まれたマーケットをグリューワイン片手に楽しんでみませんか? (credit:trivago )
スウェーデン、イェーテボリ(04 of10)
Open Image Modal
スウェーデン西部のイェーテボリにあるリセベリという北欧最大のテーマパークは、この時期になると華やかなクリスマスマーケットに変貌を遂げます。会場では、本物のトナカイがソリを引いて 歩く姿や、焚き火など本場クリスマスならではの風景を目にすることができます。芸術品や工芸品を集めたコーナーには、お土産にぴったりのアイ テムが揃っています。ポリカグリースと呼ばれる縞模様のキャンディーや、魚の燻製といったスウェーデン名物も味わうことができます。 (credit:trivago )
オーストリア、ウィーン(05 of10)
Open Image Modal
1294 年から続くウィーン市庁舎前の伝統的なクリスマ スマーケットは、その鮮やかなライトアップやおとぎ話のような雰囲気から「アドヴェントの魔法」と呼ばれています。このマーケットの楽しみの一つは、1 から24の数字がふられた市庁舎の窓で、12 月1日からクリスマスイブまで毎日1つずつ開き、カウントダウンが行われます。また、市庁舎内では子供を対象にしたクッキーやキャンドル作りの体験教室や、無料のコン サートが開催されるなど、子供から大人までが一緒に楽しめる企画が数多く用意されています。 (credit:trivago )
ドイツ、ニュルンベルグ(06 of10)
Open Image Modal
ドイツ、ニュルンベルグの「クリストキントレス・マルクト」は世界一有名なクリスマスマーケ ットと言われ、毎年200 万人以上の観光客が訪れ ます。シンボル的存在でもあるクリストキントは2年に1 度、地元の女の子の中から選ばれ、白と金色の華やかな衣装を身にまとい様々な場に登場します。ところ狭しと並ぶ屋台も世界最大級。名物のニュルンベルガーソーセージはお忘れなく。 職人の街で造られたクリストキントの置物や、幸運のシンボルと言われるプラム人形も必見です。 (credit:trivago )
オランダ、マーストリヒト(07 of10)
Open Image Modal
「マジカル・マーストリヒト」と呼ばれるこのクリスマスマーケットは、ドイツとベルギーの国境にもほどちかいオランダ、マーストリヒトの中心 部、フライトホフ広場で行われます。煌びやかに彩られた敷地には、マーケットともにスケートリンクや巨大な観覧車が出現。高さ60メートルの観覧車からは、光に包まれたマーストリヒトの街をパノラマで眺めることができ、ロマンチックな夜を演出します。また、オランダ名物のポッフェルチェスやクロケットを食べずには帰れません。 (credit:trivago )
ドイツ、ハンブルク(08 of10)
Open Image Modal
ドイツ第2の都市、ハンブルクでは数多くのマ ーケットが開かれます。中でも、市庁舎前のマルクトが最大で、商業性よりもアート性を重視しているのが特徴です。南チロル地方の手工芸品を始め、数多くの芸術品が並びます。毎週日曜にはクリスマス・パレードが開催され、トナカイや妖精などに仮装した人々が市内を練り歩きます。マルクトの後は、この時期に行われる有名オペラや、クラシックコンサートの特別公演を楽しむのも良いかもしれません。 (credit:trivago )
フランス、ストラスブール (09 of10)
Open Image Modal
クリスマスツリー発祥の地として知られるフラン ス、アルザス地方のマルシェ・ド・ノエルは 1570年から続くフランス最古のクリスマスマーケットです。カテドラル広場を中心に街の数箇所にアルザ ス地方特有の木組みの出店が建ち並び、伝統的な工芸品やオーナメント、アルザスワイン、ブレデレと呼ばれるアルザス地方特産のビスケットを楽しむことができます。クレベール広場に飾られた、本物のもみの木にデコレーションがされた巨大クリスマスツリーも要チェックです。 (credit:trivago )
イタリア、メラーノ(10 of10)
Open Image Modal
標高3000 メートル級の山々に囲まれた北イタリアのメラーノは、夏は避暑地として、冬は温泉保養地として人気のリゾートです。この時期になると、町の中心を流れるパッシリオ川沿いにはいくつもの屋台が並び、まるで絵に描いたようなクリスマスの風景を目にすることができます。カトリ ック教徒が多いイタリアでは、クリスマスは1年で最も重要な日。派手すぎず、どこか温かみのあるこのマーケットで、本場のクリスマスを体験して見てはいかがですか? (credit:trivago )