民進党の綱領に書いてある「共生社会」って、なんでしょうか。

いったい民進党の綱領に書いてある「共生社会」とは何のことを指しているのか、と嘆息するばかりです。
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(追記: このブログを読んだ長島昭久代議士からご指摘を受け、修正しました。わざわざ弊ブログにお目通しいただいた上に丁寧にお電話まで頂戴し、誠にありがとうございましたm(_ _)m)

蓮舫さんに台湾籍が残っていた件を受けて、一部の民進党所属議員が、蓮舫さんの代表選からの撤退を公の場で主張し始めました。

非常に残念なことだと思います。

蓮舫さんが「自らの意志で日本を選択した」という事実を無視して、ただの書類上の話でしかないものを問題視し、しかも自陣営への投票を促すならまだしも、「代表選から撤退せよ」とは、いったい民進党の綱領に書いてある「共生社会」とは何のことを指しているのか、と嘆息するばかりです。

我が党は、「自由」「共生」「未来への責任」を結党の理念とする。

私たちは、「公正・公平・透明なルールのもと、多様な価値観や生き方、人権が尊重される自由な社会」「誰もが排除されることなく共に支え、支えられる共生社会」「未来を生きる次世代への責任を果たす社会」を実現する。

二重国籍など本来存在しない。台湾籍が残っていたのは「ミス」の結果。

改めて、蓮舫さんの説明や各種情報を元に、蓮舫さんの二重国籍問題の結論を簡単に整理しておきます。

  • 日本も中華人民共和国も、本来的には二重国籍を認めていない。だから本来、二重国籍問題はそもそも存在しない。ただし日本は積極的な国籍選択の催告を行っていないので、蓮舫さんのようなケースは多数あることが想定される。
  • 日本は台湾を国家として認めていない。

(追記)

長島昭久さんよりご指摘いただきました。

日本は台湾を「独立した国家」としては認めていないが、1972年の日台断交ののちすぐに、台湾については台湾の法律が適用されるとしたそうです。

(訂正)

日本は、台湾人の国籍については台湾の国籍法が適用されるとの立場をとっているとのことですので、上記は誤りです。

お詫びして訂正いたします。

  • 台湾の国籍法では、外国籍を取ったとしても台湾籍は自動的には消滅せず、「国籍喪失許可」の申請をする必要がある。ただしその申請には「外国国籍を取得した時に満20歳以上であること」が要件とされている。当時17歳の蓮舫さんは、この時点では国籍喪失許可の申請ができない。
  • 当時17歳の蓮舫さんの国籍申請手続きを行ったのはお父様であり、17歳の蓮舫さんが父親の申請手続きを信用していて、その後改めてチェックすることがなかったとしても、代表選に出る資格を云々されるほどの瑕疵であると考えるのは無理がある。

以上により、蓮舫さんは本来的には日本国籍のみを有する日本人であり、台湾籍が残っていたのは「ミス」でしかないと、結論はついています。

板橋区議である私ですら、ちょっと調べればこの程度はわかることです。

こうしたことを率先して整理して蓮舫さんをかばわなければならない立場の民進党所属国会議員が、蓮舫さんが自分の意志で日本国籍を選択したという明白な事実を顧みず、単なるミスの結果生じた書類上の国籍を問題視し、自党の議員を公の場で糾弾するなど、恥ずかしいにもほどがあります。

リスクコミュニケーションは課題。党としてノウハウを展開すべき。

ただ、この件に関する蓮舫さんの答えが当初、雑なものであった点は否定できません。

民進党代表であるなら「ネクストキャビネット総理大臣」なのですから、個人的な感覚や記憶のみに頼った受け答えをしていいはずがありません。

この点は、リスクコミュニケーションのノウハウを党としてきちんと確立し、党所属議員に展開することを要望します。

「政権交代」など語れる段階ではない。組織としての基礎固めを徹底的に。

蓮舫さんの二重国籍問題に対する姿勢を通じて、民進党が綱領の1行目に掲げている「共生」とはなんなのか、これにすらコンセンサスがないことが、公の場で露呈してしまいました。

仕方がありません。これが現実です。ここからやるしかありません。「ゼロから作り直す」しかない。

代表選では、私は「民進党を地域主導・現場主導でゼロから作り直す」と訴えている玉木雄一郎さんを支持しています。

やはり、玉木さんの現状理解が正しいと思います。

しかし、蓮舫さんが代表に選ばれる可能性は高いです。ですので、蓮舫さんにもぜひお願いしたい。いまの民進党はこのような体たらくです。到底、任期の3年間で政権交代が狙えるような状況ではありません。いまは、まっさらなゼロベースですべてを見直し、徹底的な基礎トレで足腰を鍛えるべきときです。

「ガラスの天井」を眺めるのは後回しにして、民進党が組織として、チームとしてまっとうなものになるよう力を尽くしていただきたく、どうかよろしくお願いいたします。