トランプ氏はエジプトからアメリカ人1人を連れ戻して自慢しているが、残りの人たちを無視している

「私は2016年12月1日からエジプトの刑務所にいます」

2016年の大統領選でトランプ氏は、「エジプトでの『組織的な人権侵害』を公に批判する『道徳的な勇気』が欠けている」という理由でオバマ氏をこき下ろしていた

オバマ氏がカイロで2009年に行った演説を評して、トランプ氏はこう主張した。「イスラム教徒が多数派を占める多くの国々で、女性や同性愛者に対する抑圧、組織的な人権侵害が行われ、地球規模のテロ活動に対して資金援助されているのを非難しなかった。それなのに、オバマはアメリカの人権状況とイスラム教国の人権状況を同じであるかのように扱った」

トランプ氏のオバマ大統領の人権に対する姿勢への批判は、特にエジプトの場合、不当とはいえない。2012年、エジプトで当時のムハンマド・モルシ大統領に抗議する民衆を当初は支持していたのに、当時エジプト軍の司令官だったシーシ国防相が民主的に選ばれた政府を打倒した時、アメリカは沈黙していたからだ。多くの学者たちが、この出来事を軍事クーデターと捉えている。

しかし3日の会談で、トランプ氏の人権に対する情熱は、影も形も見えなかった。大統領執務室では入念にシーシ大統領との友好関係を演出していた。

その場では、トランプ氏はアメリカがエジプトと「偉大な友好関係」を築く可能性を強調した。さらにシーシ氏に「アメリカはエジプトの大切な友人で同盟国だ。私もそうだ」と語りかけた。

人権団体によると、シーシ大統領が権力を掌握して以来、4万人以上の反対派が投獄されたとみられる。2016年国務省が発表したエジプトの人権状況に関する報告書には、拷問、令状なしの身柄拘束、国家治安警察による権力乱用の例が多数記載されている。

4月3日の記者会見の席で、スパイサー報道官は人権問題を「懸念」していると認めた。しかし「こういった問題は非公開で協議することで、改善されていく類のものだと私は強く思う」と述べた。

■ 「トランプ氏はゴルフをして週末を過ごすが、拘束されたアメリカ人は誕生日を刑務所で過ごすことになる」

アメリカとアメリカ人を最優先するというトランプ氏の言葉にもかかわらず、支援者たちは、実際にアメリカ政府の影響力を推し進めるには、より際立った注目が必要だと考えている。

ソルタンさんと彼の姉で中東戦略コンサルタントのハナ・ソルタンさんは、ハフポストUS版に「市民のために行動するよう、行政に対し圧力をかける上で、世論が決め手になります。モハメドとアヤの両事件は、政権が行動を起こすまでにかなり注目を集めました」と語った。オバマ政権は2015年、モハメド・ソルタンさんを解放するようエジプト政府に働きかけている。

「いずれのケースも、さまざまなレベル、さまざまな当事者のエジプト人たちと長期に、公式に、そして私的に接触してきました。こうした戦略は、エジプト国内で事件がどのように進展しているかによっても異なります」と、ヒジャジさんの弁護士で、NPO「ロバート・F・ケネディ正義・人権センター」のウェイド・マクマレン氏は語った。

「トランプ大統領と彼の政権が、アヤと彼女の夫モハメドの事件についてシーシ大統領や他のエジプト当局者に話した点は評価に値します。しかし、アヤとモハメドが解放されたように、他の多くの人々も解放されなければいけません」

現時点では、他のアメリカ人は収監されたままだ。

「トランプ氏はニュージャージーのベッドミンスターでゴルフをして週末を過ごしています。一方のアーメドは5月25日、18歳の誕生日を刑務所で過ごすことになる」とマドヒラジュ氏は語った。「アメリカ大統領には、外国政府に対しアメリカ人を不当に拘留することに異議を申し立てることが法的に求められている」と、マドヒラジュ氏は指摘した

ハッサンさんは3月、トランプ氏に宛てて書いた手紙で、自身の状況をこう説明した。

「私は2016年12月1日からエジプトの刑務所にいます。私はアメリカ人であるため、ここの警察官に嘲られ、虐待されています。どうか私を助けてください。私は20人以上の大人たちと一緒に刑務所にいます。彼らや警察官とここにいるのは恐ろしい。私はアメリカ人であることを誇りに思っています。私が自由になる権利を守ってくださるよう、お願い致します」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

Open Image Modal

Open Image Modal