最高気温35度以上の予報が出たら、学校を臨時休業に...加須市が独自のルール

背景には、文部科学省が出した通知があった。
Open Image Modal
イメージ写真(本文とは関係ありません)
Getty Images/iStockphoto

埼玉県加須市教育委員会は、最高気温が35度以上、かつ最低気温が28度以上と予報された場合、市内の公立小中学校と幼稚園を臨時休業にすると8月28日に発表した。9月の新学期から適用する。教室にエアコンがついていないための当面の措置。

埼玉県北部の予想気温がこの基準を超えた場合、3日前までに市教委が判断、市内30の小中学校と13の幼稚園に連絡する。また、2019年7月までに、すべての学校の普通教室にエアコン設置を目指す。

教育委員会の担当者はまた、部活など外で行われる活動について「予想される時期にはイベントを入れないよう、今後は団体とも調整していく必要があると考えている」と話している。

■文科省が通知「児童生徒の健康を最優先に」

同市教委の決定の背景には、文部科学省が8月7日、酷暑への対応として、夏休みの延長や臨時休業の設定を検討するよう求める通知を出したことがある。

通知は、愛知県で小学校1年生が校外学習の後に亡くなった事態を始め、各地で相次いだ熱中症の報告を踏まえたもの。気象庁の3カ月予報で「9月以降の見通しについても予断が許されない状況」として、「児童生徒の健康を最優先に考慮した」上での対応を求めている。

学校教育法の施行規則では、学校での休業について「非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は臨時に授業を行わないことができる」とあり、通知では「熱中症の事故防止の必要」もこの中に含まれる、という解釈も示している。

同省教育課程課の担当者は「この通知を踏まえ、すでに夏休みの延長、臨時休業に取り組む自治体があるとは聞いているが、(加須市のような)臨時休業の統一的なルールを設ける事例を聞いたのは初めて」と話す。

年間の授業時間の確保については「本来は高温以外でも、インフルエンザの流行や台風といった、突発的な事態による臨時休業も見越して授業日数を確保している」として、「学年末にかけて授業時間を調整する必要が出てきた場合、冬休みを短くして授業にあてたり、土曜日に補習をしたりして柔軟に対応することも考えてほしい」と話している。