【大雪】携帯電話の通信障害 停電対策済みの基地局と孤立集落を比べると......

大雪で孤立した集落と、災害対策が施されている携帯電話の基地局の立地を比較すると、重ならない状態になっていた。携帯電話会社の大雪に対する対策の見直しが、今後問われることになりそうだ。
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大雪で孤立した集落と、災害対策が施されている携帯電話の基地局の立地を比較すると、重ならない状態になっていた。携帯電話会社の災害対策の見直しが、今後迫られることになりそうだ。

2月14日から降り始めた大雪により、全国18の都県であわせて588の携帯電話基地局が機能を停止し、携帯電話が利用できなくなった。その9割は停電が原因。17日午後6時時点でも、17都県325の基地局で機能が停止したままだったという。新藤義孝総務相が2月18日の閣議後の記者会見で、明らかにした。MSN産経ニュースが報じた。

新藤総務相は「地方自治体からの要請があれば、災害対策用の移動通信機器、移動電源車の貸与も行う」と述べた。基地局停止の原因は約9割が停電で、回線の寸断が約1割だった。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社は東日本大震災の後、非常用電源の拡充などの対策を講じてきたが、今回の大雪では停電が長時間に及び、道路の寸断で復旧作業ができなかったりしたことで、被害が広範囲に拡大した。

(MSN産経ニュース「【大雪再び】携帯基地局の停止、一時18都県588局に 大雪、停電、道路寸断が影響」より 2014/02/18 11:50)

東日本大震災の後、携帯各社は災害対策への取組みとして、停電が発生した際でも通信を確保する目的で、エンジンを設置して無停電化したり、バッテリーを増設するなどして非常用電源を確保するなどを行ってきた。しかし、これらの停電対策は、都市部の役所近辺の基地局に集中していたため、今回の大雪で孤立した地域の基地局については、対応がなされていない地域も多く見られる。

例えば山梨県内について、NTTドコモの停電対策を強化した施設(赤)と、2月18日午前7時時点で孤立している集落のうち50世帯以上が孤立している集落(青)をマッピングしてみると、重ならない。このうち、668世帯が孤立した早川町(黄)は、18日も携帯電話が繋がりにくい状態となっている。

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日立コミュニケーションネットワークスによると、バッテリーの強化は重量などの問題があり、簡単なものではないという。NTTドコモは停電対策の実施について、人口の約65%をカバーするとしていたが、大雪に対する災害対策という考え方では、停電対策を施すべき基地局の選別はどのようにあるべきなのか、今後の課題が浮き彫りになった。