家入一真さんが描く『やさしい革命』は、誰でも声をあげていい。「生きづらい社会をアップデートする」

「一人一人が『自分にできることって何だろう』って考えていくことこそが大事なんじゃないかなって」。
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株式会社CAMPFIRE代表取締役社長・家入一真さん
HUFFPOST JAPAN

支援金の総額が100億円を突破したクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」。社長の家入一真さんは、「小さい声をあげようとしている人に寄り添うこと」が、クラウドファンディングの本質だと語る。

【家入さんの過去記事はこちら】

CAMPFIREでの支援総額が100億円突破。背景には、家入一真さんが気付いたクラウドファンディングの本質があった。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/ieiri-campfire_jp_5c7cfabfe4b0e5e313ccbeae

そのためCAMPFIRE社も、「資金集めを民主化し、世界中の誰しもが声をあげられる世の中をつくる」をミッションに、さらにビジョンとして『やさしい革命』を掲げている。

「やさしい革命」とは、どんな形で、何を目指しているのか。家入さんが描く社会の全貌に迫った。

■「『声をあげてもいいんだ』と思える社会をどう作るかが大前提」

ーー「声をあげる」がキーワードのように感じています。

今までは声をあげることすら諦めてしまっている人たちも多くいて、その人たちに「上げていいんですよ」と啓蒙することはひとつ大事なことだと思っています。

東京都知事選の時に、「僕は政策を一切持っていません。皆様の声で政策を作ります。どんなに小さなことでいいので投げてください」とTwitterで呼びかけたら、めっちゃ集まったんですよ。「家の前の坂道が舗装されてなくてベビーカーで上がるのがしんどい」などの身近な声をめっちゃあげてくれたんですね。

ーーTwitterで集められたんですか。

「Twitter」というツールを使ったのも理由があります。

普段から選挙区の人々の声を聞くという態度をTwitterを通じて示すことが、SNSを使う選挙の本質だと思いました。そういう政治家が増えることで、「もしかしたら話を聞いてもらえるかもしれない」という人も増えていく訳じゃないですか。

どうせ声をあげたところで自分の声なんてかき消されるし、誰の耳にも届いてないって感じてしまったら、誰も声をあげなくなりますよね。

だから先ずは「声をあげてもいいんだ」と思える社会をどう作るかが大前提としてあるかなという気がします。

ーーそれが「啓蒙」ということですね。

ただもちろん、声をあげることを諦めている訳ではなくて、「余計なお世話だよ」という人に対して、無理に「声をあげようぜ」と言うつもりはないですけど(笑)。

少なくとも、こちらからの働きかけや社会の雰囲気によって、「声をあげて良かったんだな」と気づいてもらえることは結構あるんじゃないかなと思っています。

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時折、考え込みながら話す家入さん
HUFFPOST JAPAN

■「『生きづらい』と感じる社会の方をアップデートしていく」

ーー「声をあげる」ということを家入さんはずっと考えているんですね。

僕個人のミッションは「居場所をつくり、誰しもが声をあげられる世界をつくる」なんですよ。色々な活動をやっていますが、これが全てを通じたミッションです。

僕らは、どれだけ理不尽なことがあっても「声をあげる」という権利は持っているはずです。そういう人たちに必要なのは「居場所」で、居場所があるからこそ「声をあげられる」ようになると思っています。

ーー誰しもに権利があると。

障がいとか貧乏とか、人間の数だけ生きづらさはあると思うけど、それを「生きづらい」と感じるのは、その人のせいではなくて、それを生きづらいと感じる社会があるからなんですよ。

きっと時代とともに、「社会」の定義や「生きづらさ」自体も変わると思うけれど、生きづらさみたいなものを、自己責任とされる世界ではなくて、生きづらいと感じる社会の方をアップデートしていくことが大事なんじゃないかなと。このような、社会をアップデートすることを「やさしい革命」と呼んでいます。

「革命」とは言っていますが、現政権を倒すんだ!ということではなく(笑)。

ーー社会をアップデートすることが「やさしい革命」なのですね。

今の社会をどうアップデートするか。それはきっと、今いる場所でもできることだと思っています。

ある人は起業という選択をするかもしれないし、ある人はNPOを立ち上げるかもしれない。でも、今いる場所、今働いている場所でも、できることもあるだろうと。

そうやって、一人一人が「自分にできることって何だろう」って考えていくことこそが大事なんじゃないかなって。

■「自分なりの教育への関わり方は何だろうと考えている」

ーー家入さんが、個人的に今後取り組みたいことはありますか?

この10年ほど教育について妄想しています。「N高」や「ゼロ高」が出てきていますが、教育こそが本質的な次世代への投資だと思っていて、自分なりの教育への関わり方は何だろうと考えています。

ーー「教育」ですか。

今、目の前で動いているのは、少年院の中での受刑者へのプログラミング教育や起業教育です。まだ始まってはいなくて、ヒアリングしている状況なんですけど。

ーー出所後ではなく、少年院の中なのですね。

学ぶことによって再犯率が下がるようですし、既にやっている方々の話を聞くと、学ぶ機会が今までなくて、よくわからないままオレオレ詐欺の手伝いをさせられて捕まっちゃった人が、感謝の手紙を送ってくることもあるらしいんですよね。

親が貧困だとそのまま学ぶ機会も得られず、子どもも貧困になって、負のスパイラルに陥るという話がよく言われるじゃないですか。その負のスパイラルから脱却できずに罪を犯してしまう人がたくさんいるんですよね。

被害者がいる訳ですし、もちろん罪を償うことは大事です。一方で、法治国家で罰を受けて出てくる訳なので、それ以上は咎められる必要はないはずだし、学ぶことによって次につながるのであれば良い話だと思う。この分野に興味があります。これも教育ですよね。