PRESENTED BY JOHNSON & JOHNSON

育児の不安を医療の力で解消したい。医師が目指す、新たな社会支援のカタチ

深刻な小児科と小児科医不足は、どうすれば解決できるのか?医師が出した一つの答え。
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Johnson&Johnson

より健やかな未来のために献身的に活動する人を称える目的で、公益社団法人日本看護協会とジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループによって創設されたヘルシー・ソサエティ賞。その医療従事者・医療介護部門を受賞した桑原正彦さんと医療技術者(イノベーター)部門を受賞した五十嵐良雄さんに話を聞いた。

小児救急電話相談「#8000」を実現

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東京で開催された授賞式に参加するため、広島から駆けつけた桑原正彦さんは、「たくさんの患者さんが、私を待っていてくれるので」と、授賞式前日の最終の新幹線で東京入りし、式の翌日の始発で戻り、翌日の午前中からの診察をするという。

2000年代、桑原さんは深刻な小児科と小児科医不足による、診療の地域格差を感じていた。また、子どもが体調を崩すとすぐに時間外受診に訪れ「小児科医に診てもらいたい」と言う保護者の不満が、ただでさえ少ない小児科医を苦しめている現状にも心を痛めていた。イギリスの国民保健サービスには、電話で症状を説明すると、家庭での看護方法や行くべき医療機関のアドバイスを受けられるサービスがある。そこにヒントを得た桑原さんは、小児医療で受診前に医師や看護師に相談できる仕組みづくりに取り組んだ。

02年に「小児救急電話相談事業・広島」のモデル事業を開始し、58人の小児科開業医がボランティアで参加。2年間で4,351件の相談を受けた。相談内容から「すぐに受診した方がよい」と判断された患児は約10%、「救急車で受診が必要」と判断された患児は約1%であった。電話相談によって、救急窓口に駆け込む必要のない患児を減らすだけでなく、救急患児の迅速な診療にもつながった。

「これまで救急を訪れていた保護者や電話相談の内容から、多くの保護者が育児不安を抱えているということがよくわかりました。『泣きやまない』『ミルクを飲まない』などを相談できる人がそばにいないため、それを一人で抱えて不安になり、救急の窓口に駆けつけてしまう保護者も少なくありません」と桑原さんは話す。現在「小児救急電話相談」は、共通の番号「#8000」で全国化。そのモットーは「今行くべきか、明日まで待ってよいか」の判断支援だ。

「#8000の電話相談は、小児科医や看護師が子育てを支援する一つのツールです。悩みや相談、それにどう答えたかなどを今後はデータ化して、次の小児医療につなげたい。全国どこでも安心して子育てができるようにしていきたいです」と桑原さんは言う。受診前に相談できる仕組みは、保護者の育児不安と医師の負担の軽減に、大きく貢献していく。

うつ病からの復職支援 リワークプログラム

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うつ病で休職し、復職するものまたすぐに調子が悪くなって再休職してしまう−−。そんなサイクルを繰り返してしまう人が、五十嵐さんのクリニックにも多かった。大学での研究や病院勤務を経て、五十嵐さんが虎ノ門に「メディカルケア虎ノ門」を設立したのは2003年のこと。休職した患者が復職に失敗するケースが多かったため、「リワーク(復職)の成功」までを治療の視野に入れるようになった。「うつの症状が重い場合は、診断もその回復度合いもわかりやすい。しかし、最近のうつは、症状は軽くてもだらだらと続いてしまう、治りにくいうつ病が増えている傾向にあります」と五十嵐さんは言う。さらに、決まった診察時間の中で、復職のタイミングを計ることは、非常に困難でもあった。

そんなとき、NTT東日本関東病院の秋山医師が行っていた「集団の作業療法」を見学した際に、五十嵐さんは「これは復職のタイミングを計るのに役立つはずだ」と直感したと言う。そこで早速五十嵐さんは、クリニックと同じビルに別フロアを借り、集団で復職に向けてリハビリを行う「リワークプログラム」を開始した。プログラムに参加する患者には、まず生活リズムを整えることが要される。生活リズムが規則的でないと、プログラムを始めてもすぐに脱落してしまうためだ。プログラムでは、集団の中で活動しながら、自己分析をしていく。うつ病の原因には、環境などによる外的要因と、その人の物事の捉え方の癖などの内的要因がある。その内的要因に気づいていないと、外的なストレスがかかった時に、自分への備えができていないので症状が悪化してしまうのだ。プログラムでは、職場と似た環境の「リワーク・カレッジ®」が用意されており、そこで集団で過ごすことにより、復職後の仕事や対人関係を経験することができる。

「ケガや病気のリハビリと同じで、うつにも段階を経たリハビリが必要だということがわかってきました。まとまった時間、患者を診ることができるため、病気の診断の確度も上がっています」と五十嵐さんは言う。プログラムが功を奏し、このクリニックから復職した人は1,000人を超えた。精神医療に革新を起こした五十嵐さんの挑戦は、これからも続く。

第13回ヘルシー・ソサエティ賞

より健全な社会づくりを目指し、献身的な活動をしている人をたたえることを目的に、日本看護協会とジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループによって2004年に創設され、今年で13回目を迎える。3月16日にはザ・プリンス パークタワー東京で表彰式が華やかに行われた。

今回の受賞者は桑原さんと五十嵐さんのほかに「教育者部門」で、公益財団法人 結核予防会 理事長の工藤翔二さん、「ボランティア部門(国内)」で全国脊柱靭帯骨化症患者家族連絡協議会会長、一般財団法人北海道難病連専務理事の増田靖子さん、「ボランティア部門(国際)」では一二三日本語教室学校長、123図書館代表の鬼一二三さんが選出された。