私が、結婚しても名字を変えないと決めた理由

名前は自分のアイデンティティだと気付いた。
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名字が変わるのはロマンチック

女の子は、将来結婚したい相手の名字に自分の名前を組み合わせて、ノートに書いたりする。それは実際に結婚するよりずっと前、大抵は小学生の頃だ(私だけだろうか?)。テレビのキャラクター、ザック・モリスが大好きだった私は、筆記体で「リンジー・モリス」と書いていたし、その他にもたたくさんの名前を書いてノートを埋め尽くしていた。

結婚すると、女性は名字を変える。「一つに結束した家庭を作り、アメリカの伝統を守り、夫に誠実さを示す」といった価値観のために女性は自分の名字を変える。それはいいことだと思うし、批判するつもりはまったく思わない。女性には選ぶ権利がある。だけどこの伝統的な価値観は、十分すぎるほど広く世の中に広がっている。だから私はこの伝統を促進したり守ったりする必要はないと思っている。社会や、それに慣習を大切にしている私の家族など、この伝統を支持する人たちは十分たくさんいる。

伝統に疑問を持つ

私は結婚する時に名字を変えるだろうと思っていた。夫は素敵な名字だった。だけど私の名前とは語呂が悪かったし、発音や綴り方が難しかった。2年間の婚約期間が終わり、結婚が近づいてきてようやく、名前を変えることが現実味を帯びてきた。そして慌てた。本当に後から後悔しないだろうか? 自分の名字を変えることについて真剣に考え始めた。

なんでわざわざそんなこと考えるの?と思うかもしれない。 考えて何になるの? と。もちろん夫のことは愛してるし名字も好きだ。問題はそれが私の名前じゃないということだ。名前を変えると、自分のアイデンティティをも捨ててしまうように感じたのだ。

そこで色々調べてみた。多くの人から話を聞いた。「アイデンティティを失うわけじゃなくて、新しい自分を手に入れるんだよ」「名字を変えないと、相手を尊敬していないことになるんじゃない?」「名前が違ったら、結婚していることを周りにどうやってわかってもらうの?」「混乱しない?」色々な意見があった。でも一番よく聞かれた質問はこれだ。「ご主人はどう思っているの?」

私はフェミニストなの?

しかし、誰も私がどう思っているかは尋ねなかった。私たちが住んでいる社会では、結婚すれば女性は名字を変える。変えなければ 、目障りで口やかましいフェミニストというレッテルを貼られる。私ももう少しで同じような考えを持つところだった。フェミニストという言葉がネガティブな意味をもつようになったのはいつからだろう? なぜ女性のために社会を変えようとする女性が悪く言われるのだろう。

自分の気持ちを伝えた後、夫は私を支持してくれた。それは驚きではなかった。名字を変えない「許可を求めた」わけではなかったが、なぜそうしたいのかを伝えるのは大事だった。自分の名字と夫の名字をハイフンでつないで両方使うという選択肢も考えなかった。それもまた、自分の名前やアイデンティティを変えることになるから。

相手を尊重するために名字を変えるのなら、誰が女性を尊重してくれるのだろう? 名字を変えることが大した問題でなく、新しいアイデンティティを生み出すというのなら、なぜ男性は自分の名字を変えないのだろう?

名字を変えるようになった背景

歴史的にみて、女性が結婚と同時に名字を変えてきたのは、所有物とみなされていたからだ。メアリー・Xはジョン・Yと出会い結婚するまでは、父親の所有物だ。結婚して所有権が移れば、メアリーはメアリー・Yとなる。この大切に守られてきた男性支配型の伝統は、私には受け入れがたい。女性を「所有物」とみなし、夫と違うアイデンティティを持たないよう、従順な妻でいるよう求める考えには賛成できない。

変わらない思い

全ての女性に当てはまる解決策はない。ただ私が伝えたいのは、結婚後に名字を変えるかどうかはよく考えて決めた方がいいということだ。

名字を変えようが変えまいが覚えておいてほしい。名字を変えなくても、あなたは不誠実な妻ではない。過激な思想をもった女性でもない。女性には選択する自由がある。自分で考えるための脳がある。それにアイデンティティも持っている。女性のみなさん、あなたは大切な存在なのです(もちろん男性も)。

P.S. 周りに名字を変えない人がいたら、それを尊重して結婚相手の姓で呼ばないで下さい。それは本人の選択を否定していることになります。

P.P.S. 旧姓を使っている人にその理由を尋ねる時は、批判的で険しい表情をしないようにしましょう。笑って、優しく聞くのが一番いい方法です。この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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