「銀行口座維持手数料」が導入されるの? 銀行口座を持つだけで…

手数料課金はサービス向上とセットというが
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口座維持手数料をめぐり揺れる日本の銀行
Getty Images

銀行口座を持つと「口座維持手数料」がかかるようになるかもしれない、と話題になっている。

口座維持手数料は、銀行口座を維持するために金融機関が預金者から徴取するものだ。口座維持手数料の検討は長年されてきたが、この数ヶ月の間にメガバンクの頭取などが手数料の導入に会見で触れ、議論が活発になった。

議論が表面化したのは、日本銀行・政策委員会審議委員の鈴木人司氏が「貸出金利が一段と低下した場合、金融機関が預金に手数料等を課し、預金金利を実質的にマイナス化させることも考えられます」と導入の可能性に言及した発言だ。8月末の熊本県金融経済懇談会でのことだった。

続いて、全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は、9月19日の記者会見で、記者の質問に対し「預金口座は、キャッシュレスも含めたさまざまな決済等にも利用されており、口座を維持・管理するために一定のコストが発生している。かつ、昨今そのコストが高まっている」と答えた。その上で、「お客さまに対して付加価値の高いサービスを提供し、お客さまのご理解をいただいたうえで、必要な手数料を頂戴していくということが、引き続き基本的な考え方」と述べ、サービス向上を前提にした導入の可能性を示唆した。

 

これまでは銀行の「サービス」だったのか


口座維持手数料は、欧米の既存銀行では一般的だ。

日本では、米国系のシティバンク銀行を引き継ぐSMBC信託銀行の手数料は月額2000円となっている。月額総取引残高が50万円ある場合など一定の条件を満たすと無料になる。りそな銀行は2年以上一度も預入れや払戻しが無い口座に対して、年間1320円の手数料を「未利用口座管理手数料」として徴取している。

 

マイナス金利政策による経営悪化


口座維持手数料の可能性が再び取り沙汰される背景には、日銀のマイナス金利政策で、預金が銀行にとって利益を生み出しにくい状況があるとされる。


銀行は従来、顧客の預金を元に貸し出すことで、預金金利と貸し出し金利の差を収益源の一つとしていた。だが、2016年からのマイナス金利政策により利鞘(りざや)で稼ぎにくくなっている。

ただ、先の高島・全国銀行協会長は「(口座維持手数料は)金融政策と紐付けて議論すべきではない」とし、あくまで銀行のサービス向上と合わせて考えるべきという立場を強調する。経営が苦しい銀行は新たな収益源として課金の道を探っているものの、導入には強い反発が予想されることから、慎重な姿勢をとる。

黒田東彦日銀総裁は9月19日の記者会見で「各金融機関が経営判断で決めること」と述べるにとどまっている。