追い詰められたゴーンさん、日産とルノーのトップ人事になたを振って大忙し

日産にこれといったヒット車がでません。電気自動車(EV)に力を入れるのはいいとしても、ビジネスになるのはまだまだ先で、いつになるのかもわかりません。打ち出せる目立った技術もなく、その流れに乗り損ねてしまうと存在感が薄れてくるのもしかたありません。
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元気になってきた自動車業界のなかで、なにか日産だけが取り残され、独り負けの感があるなあと思っていたら、やはり2014年3月期の最終利益は従来予想の4200億円から3550億円に下方修正、世界販売台数見通しも10万台少ない520万台に変更ということでした。乗用車でこれといったヒット車がないとなると、厳しいのですね。

11月5日に予定されていた中間決算説明会を急遽前倒しして、海外出張を取りやめてまでゴーン社長が発表会見に出るというので、三菱自動車買収かなどと憶測が流れたようですが、蓋を開けてみると、COO(最高執行責任者)を廃止し、ゴーンさんのワントップ体制にするという業績下方修正にともなう人事体制の変更の発表でした。

日産にこれといったヒット車がでません。電気自動車(EV)に力を入れるのはいいとしても、ビジネスになるのはまだまだ先で、いつになるのかもわかりません。先の話よりも、今、市場で話題を呼び込めるのはハイブリッド車やクリーンディーゼル車だと思うのですが、打ち出せる目立った技術もなく、その流れに乗り損ねてしまうと存在感が薄れてくるのもしかたありません。

クリーンディーゼルはマツダが力を入れていますが、日産はクリーンディーゼルをやめて12月から発売される「新型エクストレイル」はクリーンディーゼルをやめて、ハイブリッド搭載になるとか。

欧州債務危機の影響でルノーも低迷していて、日産からの利益でなんとか黒字にしている状態、勢いを失っている日産、ルノーもCOO(最高執行責任者)を廃止し、その両社を束ねて直接率いるとなるとゴーンさんも大変です。さてゴーンさんのワントップ体制と経営陣の若返りで、果たしてゴーンさんの奇跡が再来するのでしょうか。まずは日産に元気がでてくることを期待します。

(※この記事は11月3日の「大西宏のマーケティング・エッセンス」より転載しました)