日本の得意技が生きるハイブリッド戦争

経済ジャーナリストの片山さんが、「トヨタあってのホンダ!ホンダあってのトヨタ!」と書かれているように、両雄の切磋琢磨には思わず拍手を送りたくなってきます。日産はノートで4~9月の累計ではフィットと肩を並べる健闘でしたが、また差がつきそうです。
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トヨタとホンダのハイブリッド車の燃費競争がすさまじくなってきました。同じ土俵で、意地と意地、プライドとプライドがぶつかり合う両雄の姿は、まるで大相撲を見ているようです。9月に発売されたホンダ「フィット」がJOG8モードで1リットル当たり36.4キロを達成し、10月には新車販売台数でトップの座をトヨタから奪ったのですが、「フィット」発売からたった3ヶ月後に燃費が37キロの「アクア」を投入してくるとは、スピード感にあふれる競り合いです。

経済ジャーナリストの片山さんが、「トヨタあってのホンダ!ホンダあってのトヨタ!」と書かれているように、両雄の切磋琢磨には思わず拍手を送りたくなってきます。日産はノートで4~9月の累計ではフィットと肩を並べる健闘でしたが、また差がつきそうです。

ちなみに、互いに競い合っているのは、一定の条件下で測定したJOG8モードです。実際は、走行条件や運転の仕方で実燃費は変わってくるのですが、まあ参考にはなります。JOG8モードのほぼ7掛けぐらいが実燃費という感じでしょうか。

燃費投稿サイト『e燃費』による軽自動車を含めた集計では、10月のトップは「スズキ アルトエコ」(24.9km/リットル)、第二位「トヨタ アクア(24km/リットル)、第三位「ホンダ フィットハイブリッド」(23.6km/リットル)となっています。フォルクスワーゲン(VW)の小型車『up!』は輸入車ではトップで、実燃費17km/リットルと大健闘していますが、やはり日本車の燃費効率には届きません。

さて、ハイブリッド車は電気自動車や燃料電池車のつなぎの技術で、ハイブリッド車による燃費競争は日本だけで通じるコップの嵐だと見る人も多いようですが、そうではないと感じています。

いくら電気自動車になっても、また燃料電池車になっても、自動車はアナログな要素が残ります。多くの部品の仕様や性能を改善しながら、また技術と技術を擦り合わせながら燃費向上をはかっていく技術は残ります。

日本のお家芸の摺り合わせ技術が効く、そこが半導体や液晶パネル、またテレビやスマートフォンなどように、製造技術が製造設備に組み込まれていて、最新の設備をいれればどの国でも高度な製品を製造できる分野とは根本的に異なるところです。

しかもライバル同士が切磋琢磨しあいながら性能を上げていくというのも、日本の企業体質や組織文化ともあっています。

自動車はそうそう単純ではないという例でしょうか、電気自動車で唯一ビジネスとして成功したテスラは破竹の勢いだったのですが、やはりバッテリーが原因だと思われる炎上事故を続けて起こしてしまい、成長に急ブレーキがかかってしまいました。

いや海外ではハイブリッド車は日本ほど売れていない、だからガラパゴスだとおっしゃる人もいますが、まだ判断するのは早いと感じます。

自動車はそれ以外の要素もあります。とくに北米市場ではガソリン価格がほぼ日本の半分ぐらいなので、燃費に対する関心が日本ほど高まらないということもあるのでしょう。中国やロシアもガソリン価格が安いので、燃費効率だけでは厳しいのかもしれません。

しかし日本並みにガソリン価格が高い国も多いのも事実で、まだまだ可能性は残されています。

2014年からのF1で、ハイブリッド化やダウンサイジング過給などの低燃費化技術が必須となってくることで、ハイブリッド車に俄然注目が集まってくるのではないかと感じます。低燃費技術が自動車のステータスに変わってくるのです。ホンダはF1への復帰を決めたのもそこでしょう。

トヨタもホンダも頑張ってもらいたいものです。スバルやマツダは特化しながら健闘し始めていますが、残る日産はどうなんでしょうね。ゴーンさんの自動車に対する世界観みたいなものが問われているのではないでしょうか。

スポーツカー 画像集
20台限定の「フェラーリ」(01 of25)
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フェラーリの日本総代理店コーンズが予約販売を始めたイタリアの高級スポーツカー「フェラーリ」の限定モデル「612 スカリエッティ アニバーサリー」。左はマリオ・ミケリ・フェラーリ・アジア・パシフィック統括責任者(東京都港区芝のコーンズ芝ショールーム) (credit:時事通信社)
北米自動車ショー・トヨタ自動車のコンセプトカー (02 of25)
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9日、トヨタ自動車が米デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーで公開したスポーツカーの試作モデル「LF―A」。 (credit:時事通信社)
「テスラ・ロードスター」(03 of25)
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米ワシントンの連邦議会議事堂前に展示される電気スポーツカー「テスラ・ロードスター」。2人乗りで、1回の充電で最大200マイル(約320キロメートル)の走行が可能(アメリカ・ワシントン) (credit:時事通信社)
マツダのコスモスポーツ(04 of25)
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1967年製のマツダのコスモスポーツ。コスモスポーツは1967~72年に製造された(神奈川・横浜市神奈川区のマツダR&Dセンター横浜) (credit:時事通信社)
US-83818468BP049(05 of25)
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DETROIT - JANUARY 11: Fisker Automotive shows off the Karma S plug-in hybrid during the second press preview for the Detroit International Auto Show at the Cobo Center January 12, 2009 in Detroit, Michigan. The 2009 North American International Auto Show (NAIAS) opens to the public January 17. Automakers have cut back on their displays to save money and are focusing more on the cars they plan to produce in response to the financial weakening of the industry. Bryan Mitchell/Getty Images/AFP (credit:時事通信社)
日産の「フェアレディZ」(06 of25)
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日産自動車の新型スポーツカー「フェアレディZ」(東京・中央区の日産本社ギャラリー) (credit:時事通信社)
競売に掛けられたボンドカー(07 of25)
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ロンドンで競売に掛けられた映画007シリーズ「私を愛したスパイ」に登場のスポーツカー「ロータス・エスプリ」(英ロンドン) (credit:時事通信社)
日産GT―R SpecV(08 of25)
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日産自動車の高級スポーツカー「GT―R SpecV(スペックブイ)」(東京・銀座の日産本社ギャラリー) (credit:時事通信社)
米の人気EVが日本上陸(09 of25)
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ガリバーインターナショナルが公開した米電気自動車(EV)ベンチャー企業の人気スポーツカー(東京・葛飾区のガリバー蔵前橋通り新小岩店) (credit:時事通信社)
スポーツカー「オロチ」を披露する光岡自動車(10 of25)
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北京モーターショーに出品したスポーツカー「オロチ(大蛇)」を披露する光岡自動車の河村賢整副社長(左)(中国・北京) (credit:時事通信社)
メルセデス・ベンツの「SLS AMG」(11 of25)
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ルセデス・ベンツの新型スポーツカー「SLS AMG」(都内のホテル) (credit:時事通信社)
特別仕様のスポーツカー(12 of25)
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光岡自動車の2人乗りスポーツカー「ヒミコ(卑弥呼)クラシック」。(都内) (credit:時事通信社)
京大ベンチャーのEV試作車(13 of25)
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京都大学発ベンチャー企業「グリーンロードモータース」が発表した電気自動車(EV)「トミーカイラZZ―EV」の試作車(京都市の京大) (credit:時事通信社)
ランボルギーニのスポーツカー(14 of25)
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ランボルギーニの超高級スポーツカー、アベンタドール(スイス・ジュネーブ) (credit:時事通信社)
スーパーカー(15 of25)
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ロータス・ヨーロッパ(東京) (credit:時事通信社)
第42回東京モーターショー・ジャガーの「XKR―S」(16 of25)
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東京モーターショーで日本初公開となったジャガーの「XKR―S」(東京・江東区の東京ビッグサイト) (credit:時事通信社)
トヨタの次世代スポーツカー(17 of25)
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トヨタ自動車が北米国際自動車ショーに出品したスポーツカー「LF-LC」(アメリカ・ミシガン州デトロイト) (credit:時事通信社)
ホンダの次世代スポーツカー(18 of25)
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ホンダが北米国際自動車ショーに出品したスポーツカー「NSXコンセプト」(アメリカ・ミシガン州デトロイト) (credit:時事通信社)
3250万円のスポーツカー(19 of25)
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メルセデス・ベンツ日本が発売したスポーツカー「SLS AMG」の「ブラックシリーズ」=22日午後、東京都港区 (credit:時事通信社)
伊マセラティのスポーツカー (20 of25)
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開幕したジュネーブ国際自動車ショーで伊マセラティが出展した高級スポーツカー=5日午前、スイス・ジュネーブ (credit:時事通信社)
トミーカイラZZ (21 of25)
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グリーンロードモータースのEVスポーツカー「トミーカイラZZ」=22日、大阪市北区 (credit:時事通信社)
スポーツカーの前でポーズを取る井岡(22 of25)
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初防衛成功で所属ジム会長からプレゼントされたスポーツカーを披露し、ポーズを取るWBAライトフライ級王者の井岡一翔(井岡)=20日、大阪市内 (credit:時事通信社)
マクラーレンP1を日本初公開 (23 of25)
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日本で初公開された、世界で375台限定生産の高級スポーツカー「マクラーレンP1」=28日、東京都内 (credit:時事通信社)
ランボルギーニ設立50年記念モデル(24 of25)
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高級スポーツカーメーカー「ランボルギーニ」設立50年で、報道陣に公開された記念モデルの「アヴェンタドールLP720―4ロードスター50アニヴェルサリオ」=17日午後、東京都内 (credit:時事通信社)
ホンダの軽スポーツカー(25 of25)
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ホンダが11月の東京モーターショーに出展する軽自動車スポーツカーのコンセプトモデル=東京都江東区 (credit:時事通信社)