増え続ける「偽サイト」どう対策する? 楽天とヤフーに聞いた

サイトのパーツや商品情報を「偽サイト」に流用されるなどの被害にあった大手ショッピングサイトに取材した結果を掲載する。
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Getty

通販サイトのふりをして商品を発送せず、代金をだまし取ったり、個人情報を収集したりする「偽サイト」の被害が相次いでいる実態を、ハフポスト日本版では7月に詳しく報道した。今回はそれに続き、国民生活センターに寄せられた実際の被害相談と、大手ショッピングサイトを運営する楽天とヤフーが、どのように対策を取っているのかを伝えたい。

■「そんなショッピングサイトは運営していない」と言われた…。

国民生活センターによると、2017年4月だけで少なくとも2件の被害相談があったという。

母がキッチン用品をある日、ネットで検索して購入。1万1000円を振り込んだ。「入金次第、商品を届ける」となっていたけど商品が届かない。サイト名をインターネットで検索したところ、よく似た名前の「本物のサイト」が見つかり、問い合わせたところ「同様の問い合わせを他にも受けている」という回答があったと。「物が届かないので、返金をしたいんだけどどうすればいいか?(北海道 or東北地方の30代女性)

収納用品を買おうとしてスマートフォンで検索していたところ、約9000円で欲しいものがあった。顧客登録をして注文した。しかしその後、届いたメールに振り込み先の口座情報が書かれていなかった。「変だ」と思って、ネットで検索したところ、大手オークションサイトの中に同じ会社名の会社があったので、電話で問い合わせた。「そんなショッピングサイトは運営していない」と言われた。代金は振り込んでいないが、登録した個人情報がどうなるか心配だ(北関東の30代女性)

同センターでは「もし被害に遭った場合には、まずは最寄りの消費生活センターに相談して」と訴えている。

こうした「偽通販サイト」は近年巧妙化している。日本通販協会の消費相談室長、八代修一さんによると2013年ごろまでは日本語が稚拙だったり、会社名や住所の記載がなかったりして、「怪しさ」がまだあった。しかし、商品案内やサイトの構造を、別の通販会社をコピーするケースが増えたため、「リアルっぽさ」が増したという。

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日本通販協会提供のデータを元に作成したグラフ

偽サイトの多くは大手ショッピングサイトの商品画像や商品説明を、そのままコピーしているケースが多い。実際にパーツ流用の被害にあった大手ショッピングサイトに取材した。

■楽天「検索サイトに載らないようにするのが先決」

楽天市場」を運営する楽天株式会社に5月、実際に広報担当者に面会取材した。PR推進課のシニアマネージャー・加藤浩利さんが答えた。

——日本通販協会や京都府警に聞くと、2016年度には詐欺的なサイトの被害が1.5倍〜1.6倍に、増えているそうです。

2013年ごろに話題になり、その頃からすでに力を入れています。具体的には、そういう怪しいサイトを見つける専門チームをつくり、人力で見つけています。セキュリティ会社やGoogleなどの検索サイトの会社に連絡してブロックしてもらう。利用者の目に入らないようにするというように取りくんでいます。

——ということは、こうしたパーツを流用する偽サイトは、ゆゆしき問題と認識していると?

はい、サイトの作りをコピーして実際には商品を販売せずに金銭を受け取るという意味で非常に悪質です。楽天の名前を直接使われていないにしても、被害者の方が『もうネット上で買い物するのはこりごり』と思ってしまうと、ECへの信頼が揺らいでしまいます。その意味でも偽サイトの撲滅に力を入れており、撲滅に向けて努力しています。

——たとえば楽天の画像を偽サイトで使えなくするなど、システム的に対処するのは厳しいのでしょうか?

検討はしていますが、ブログパーツでアフィリエイト用に画像を使うなど、他のサーバーから画像を読み込むこと自体を禁止するというのは難しいという面があります。それよりは、そうしたサイトが利用者の目に止まらないように、検索サイトに載らないようにするのが先決だと考えます。

サイトがあっても検索でたどり着かなければ問題ありません。そのため検索エンジンではなく楽天市場の公式サイトや公式アプリを使ってその中で検索していただければ、それが一番だと考えています。

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↑左は架空の会社「ダイスケ株式会社」が運営していた偽サイト「jkkbmkic.top」の楽器購入ページ。右の楽天市場のサイトをコピーしたものだった。

■ヤフー「ユーザーのみなさまに注意喚起」

また「Yahoo!ショッピング」を運営するヤフー株式会社にも取材した。面会取材はできなかったが、「偽サイトからの注文はしないよう、ユーザーのみなさまに注意喚起をしている」などと文書でのコメントが寄せられた。

社内に確認したのですが、あいにく「テクノロジーでの対応」といった点ではお答えできる事実がございませんでした。弊社では、ヘルプページお知らせページなどを通じ、Yahoo!ショッピングの正しいドメインをお伝えするとともに、偽サイトからの注文はしないよう、ユーザーのみなさまに注意喚起をさせていただいております。

また、弊社でインターネット上をパトロールをする中で、弊社が運営するサービスの偽サイトを発見した場合は、サーバー運営者に対して削除要請も行っています。

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↑右は架空の会社「株式会社ダイスケ」が運営していた偽サイト「hvjemsi.top」の「五島うどん」の商品ページ。左のYahoo!ショッピングのサイトをコピーしたものだった。