不動産会社が挑戦するまちづくりとは

最近は不動産会社も街の再生に取り組むところが増えました。その中の一人が僕です。
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最近、「町づくり」とか「町おこし」という言葉をあちこちで聞く機会が増えました。

この背景には、郊外や地方の衰退という社会問題があります。

「空き家問題」「駅前シャッター通り」「限界集落」といった言葉に代表される日本の街が抱える社会問題。

これを解決しようという試みがいろんなところで起こっています。

その中で、不動産の再生を通じて地域を再生しようというのが、僕たちの取り組みです。

意識の高い地主さんや建築家の方などが各地で様々な取り組みを始めていますが、最近は不動産会社も街の再生に取り組むところが増えました。

その中の一人が僕です。

僕は大阪で不動産会社を経営しています。

大阪の不動産会社と言うと、ちょっといかつい強面のおじさんが出てきて「この土地なんぼでっか~?」みたいな印象をお持ちの方もおられるかもしれません。

まあ、そういうおっちゃんも居なくは無いですが、本来の不動産屋さんの役割はその街の人の課題を不動産を通じて解決してあげることです。

例えば、長い間空き家になっている家があったとします。

これを持ち主と交渉したり、貸しに出したり、売りに出したりして次の利用者を見つけるのは不動産会社です。

場合によっては取り壊して新しく建て直すというケースも出てくるかもしれません。

こういうのをプロデュースするのが不動産会社の仕事です。

つまり、町おこし、街の再生、まちづくりはその街の不動産屋さんが頑張らなきゃ進まないのです。

と、偉そうなことを言ってますが、現実はなかなか簡単ではありません。

最近あったまちづくり道半ばの僕のお話しを聞いてください。

昨年の夏ごろ、とある不動産会社に勤務する同じ学校の後輩から電話がありました。

ある会社が保有している賃貸マンションを売りたがっているらしいとのこと。

相場よりちょっと安かったのですが、古くて手入れがされていないので躊躇していました。

でも、こういう物件を再生して、地域を活性化するのが僕たち不動産会社の本来の仕事ではないかと思い、えいや~で買う事にしました。

幸いにもある銀行がお金を貸してくれたので、無事に取引完了。

そこからドラマが始まりました。

まず地元のシルバー人材センターにマンションの定期清掃を依頼したら拒否されました。

以前、このマンションの定期清掃を請け負っていたそうですが、廊下などの共用部にゴミなのか荷物なのかわからないものが大量に放置されており、放置されていた茶色の謎の液体の処分を巡り家主とトラブルになり契約を解除したことがあったようです。

次に地元の町内会長さんに挨拶に行った時の事。

今までの家主への不平不満のオンパレード。

町内のどぶ掃除、お祭り、国勢調査など協力を要請しても一切無視、ゴミ置き場は野犬か野良猫が荒らして玄関周りはいつも生ごみが散乱、地元の嫌悪施設ですとはっきり言われました。

そうしているうちに隣の駐車場の地主さんから電話が掛かってきました。

境界のブロック塀が崩れかけているので早く直してほしい。

以前の家主さんに何度も要請していたけど無視されてきた。

はい、すいません。

入居者さんから電話。

室内の湿気がひどいので一度見に来てほしい。

行けば、トイレや風呂の壁がカビで真っ黒。

調べると配管から漏水していました。

気を取り直してリフォーム工事に着手。

裏庭の整地をしていると、地中から本来は存在しないはずの使われていない浄化槽が出現。

調べると30年間放置されていたようです。

危険なので埋め殺しにしようとふたを開けると30年熟成された汚泥がぎっしり。

業者に処理を頼んだらバキュームカーが5台来て30万円請求されました。

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そんなトラブルが次々と出る中、築古ボロ物件をちょっとしたデザイナーズマンションっぽくリノベーションしました。

想定をかなり超える費用が掛かり、事業収支としては全然ダメダメですが。

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でもマンション前にいた時、近所の老夫婦が通り過ぎる時の話が聞こえました。

「このマンション、とてもきれいになったね」

「このマンションのおかげで辺りの雰囲気がとてもよくなったね」

地元の嫌悪施設が街のランドマークになった瞬間でした。

思わず小さくガッツポーズ。

近所のうどん屋さんで昼ご飯を食べながら店のおばちゃんに、僕があのマンションのオーナーだと言ったら、

「地元の人の間で評判になっているよ」

と言っていただきました。

いくつか空いていた部屋にも新しい入居者の方が入って来ました。

当初のねらい通り若い人が多いです。

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高齢化が進み、活気がなくなってきたエリアが再び賑わいを取り戻せる日は来るのでしょうか?

まだまだ道半ばですが、一つ一つ街の課題に取り組んでいきたいです。

このような遊休不動産を再生して、街を活性化させていこうという試みは地方や郊外を中心に日本全国のあちこちで行われるようになりました。

そんな不動産屋さんの奮闘を紹介していきたいと思います。