全区立中学で性別問わずスカート、ズボンが選べるよう検討へ 東京都世田谷区教委が見解

自治体ぐるみで取り組むケースは珍しい。
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urbancow via Getty Images

東京都世田谷区教育委員会は3月19日、すべての区立中学の標準服でスラックスとスカートが選べるようにする方向で世田谷区校長会と検討する方針を明らかにした。区議会の予算特別委員会で、上川あや区議の質問に答えた。自治体ぐるみで性別にとらわれない制服の選択への配慮に取り組むのは珍しい。

上川区議は、中学時代、ブレザーとスカートがいやで体操着で通ったものの、学校から「ちゃんと制服を着ろ」と指導され、詰め襟服は着用が認められなかったというトランスジェンダーの当事者の事例を紹介。その上で性別や国籍・民族の違いによる差別解消を目指す区の条例が4月に施行されることにも言及し、「LGBTに限らず、もっと生徒の良識を信用し、選択の幅を広げるよう求めたい」と指摘した。

これに対し、区教委側は「現段階では、入学前の保護者会などで提示するカタログでは、標準服の例示となる写真で男女別が記載されたものをほとんどの学校で示しているが、女子生徒がスカート・スラックスを選択できる学校もある。日頃から生徒が自分らしく学校生活を過ごせるよう意識を醸成することが大切。教育委員会としては生徒の多様性を尊重し、いずれの学校でも、それぞれの生徒が選択できるような環境整備について校長会と連携して検討に努めていく」と答弁した。