余った給食「もったいない」。持ち帰った教諭が懲戒処分→退職 ネット上では賛否の声

「もったいなかった」と話している教諭は、持ち帰った給食分の全額を返還をした上で退職したそうです。
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チョコチップクッキーとミルク
Lynne Mitchell via Getty Images

大阪府堺市の高校教諭が12月25日、余った給食を持ち帰っていたとして、懲戒処分(減給3カ月)された。「捨てるのがもったいなかった」と話しているという教諭は、処分を受けて同日付で退職。ネット上では教諭を擁護する意見が上がる一方、衛生面から疑問視する声も出ている。

堺市教育委員会によると、処分を受けたのは、市立堺高(定時制)の男性教諭(62)。給食の配布や片付けの指導を担当しながら、約4年間にわたって、余ったパンや牛乳を無断で持ち帰っていたという。市教委は25日付で減給3カ月(10分の1)の懲戒処分とし、教諭は同日付で退職した。

教諭は市教委の聞き取りに対して、4年間でパン1002個、牛乳約4178本(総額約31万円相当)を持ち帰っていたと話しているという。教諭は「捨てるのがもったいなかった。廃棄担当の仕事を減らしたかった」と説明。教諭は持ち帰った分の約31万円を市に全額返還したという。

 

■ネット上では教諭を擁護する声も

こうした騒動を受け、ネット上では処分を疑問視する意見が相次いで投稿された。タレントのロンドンブーツ1号2号の田村淳さんはTwitterで「悪い事なのかな?食品ロスが問題になってる昨今…」などとつぶやいた。

 他にも「その『総額31万円』はどのみちゴミになる。現代社会の不寛容さが如実に出てる」といった意見や、「1週間給食の食器洗いくらいで許してあげたい」という意見もあった。

 

■食中毒の危険性を指摘する声も

一方で、食中毒が起きる危険性や給食の目的についての観点から教諭の行動の問題点を指摘する意見もあった。

給食調理員だというユーザーは、食材ロスを考えると分からなくもないとしつつ、「食中毒が発生した場合、給食を持って帰ると1番最初に給食室の人間達が疑われます」と指摘。

別のユーザーは「教員が給食を持ち帰る為に、子どもに充分によそわなくなっていった」と経験を綴った。

 今回問題になった給食について市教委は、定時制の生徒に向けた補食と説明。カレーパンやジャムパン、デニッシュパンなど日替わりのパン1個に牛乳1本で、費用は公費負担。教職員は給食費も払っておらず、補食は教職員用のものは無いという。