新型コロナ「診療の手引き」を厚労省が改訂 重症度を分類、血栓症リスクも周知

軽症、中等症、重症の具体的な症状や診療のポイントを解説。若年患者でも脳梗塞を発症した例があるなど、血栓症のリスクについても言及した。
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新型コロナウイルス感染症診療の手引き・第2版
厚労省が公開した診療の手引きより

厚生労働省は5月18日、新型コロナウイルス感染症に対する診療の手引きを改訂した。初めて重症度の分類を掲載したほか、血栓症を合併する可能性などについても報告している。

手引きは医療従事者向けに症例や診断、治療についてまとめたもので、医師などでつくる委員会が作成。3月に発表したものを改訂した。

 

重症度を分類 

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新型コロナウイルス感染症の重症度分類
厚労省が公開した診療の手引きより

改訂された第二版では「重症度分類とマネジメント」とし、軽症、中等症、重症の具体的な症状や診療のポイントをまとめた。

軽症は「呼吸器症状なし」「咳のみ息切れなし」で、「多くが自然軽快するが、急速に病状が進行することもある」などと解説。中等症は呼吸不全があるかどうかで2段階に分け、重症は「ICUに入室」または「人工呼吸器が必要」な状態などとした。

 

若年患者でも脳梗塞の例 血栓症のリスクを報告

若年患者であっても脳梗塞を起こした事例があり、「血栓症を合併する可能性が指摘されている」とし、血栓症対策の治療についても解説している。軽症患者として経過観察中に突然死を起こす事例に関しても血栓症との関連が示唆されているという。

また、欧米で感染した子どもに、原因不明の難病「川崎病」に似た症状が現れていることも周知した。

5月に入って新型コロナウイルス感染症の治療薬として初めて承認された「レムデシビル」の投与方法などについても紹介。他の治験などが進められている薬も列挙している。