「アマビエ」の商標登録出願、電通以外にもこんなにあった。神社のお守り、高濃度アルコール、お菓子…

「アマビエ」や「あまびえ」の商標登録の出願は、7つの企業や団体から計11件ある。
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江戸末期の瓦版に描かれた「アマビエ」
京都大学附属図書館

「疫病退散」の祈りの象徴でもある妖怪「アマビエ」。

新型コロナウイルスの沈静化を祈って、多くのクリエイターたちの手によってイラストやぬいぐるみ、お菓子まで、様々な作品に生まれ変わってきた。

その「アマビエ」について、大手広告代理店の電通が6月30日に商標登録を出願。一転、7月6日に取り下げたと話題になっている。

 

「独占的かつ排他的な使用は全く想定していない」

電通は「『アマビエ』という名称を使うキャンペーンを検討していた」が、「再検討することとなった」と出願取り下げの理由を説明している。SNSでは「#電通のアマビエ商標登録に抗議します」というハッシュタグとともに、反対の声が広がっていた。

同社広報部によると、キャンペーンを企画する際、名称の商標登録を出願するのは通常の手続きだという。

「今後第三者が商標登録をする可能性を考慮した結果、キャンペーン中に権利侵害が発生する可能性があるため登録を試みました。商標の独占的かつ排他的な使用は全く想定しておりませんでした」(同社広報部)

 

電通以外にも、クリーニング・高濃度アルコール・神社のお守りも… 

「アマビエ」の商標登録を出願しているのは、電通だけではない。

商標の登録や出願の状況をまとめた「特許情報プラットフォーム」によると、7月7日午前10時現在で「アマビエ」や「あまびえ」の商標登録の出願は、7つの企業や団体から計11件出ている。

もっとも早く出願しているのは、アマビエをかたどったケーキなどを販売している福島県の銘菓「お菓子のさかい」で、イラストの商標も出願している。

衣類雑貨を手がける竹村(名古屋市)は、抗菌加工などを施したクリーニングサービスなどを展開する「Amabie Project(アマビエプロジェクト)」について商標を出願中。

福岡県の石蔵酒造は高濃度アルコールのスピリッツなどの商標として3件を出願している。同社の公式サイトによると、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能な商品だという。

また、宗教法人八坂神社からはお守りやおみくじ、護符などの商標として「アマビエお守り」が出願されている。