34歳女性首相の代わりは16歳少女。フィンランドの「1日首相」が訴えたことは?

「現実には、地球上のどの場所でもまだ男女平等を達成していません」
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メディアの取材に応じるアーバ・ムルトさん(右)
ASSOCIATED PRESS

北欧フィンランドで、16歳の少女が1日限定で首相の席を“ジャック”した。子どもの権利を守る活動に取り組む「プランインターナショナル」が、10月11日の国際ガールズデーに合わせて実施する「ガールズテイクオーバー」のキャンペーンの一環。「1日首相」を務めたアーバ・ムルトさんは、「私たちはこの(男女平等の)分野で多くの成果を得ましたが、やらなければならない仕事はまだたくさんあります」と語った。

AFP通信によると、フィンランドのサンナ・マリン首相は10月7日、16歳のムルトさんに1日の間、首相の座を委ねた。ムルトさんは、気候変動や人権問題の解決に向けた活動に積極的に取り組んでいる。この日は司法長官との会談などに臨み、「エキサイティングな1日」と語ったという。午後には、議員や閣僚たちと意見交換した。

フィンランド は「ジェンダー・ギャップ指数」(世界経済フォーラム調べ)が世界3位と、男女平等の先進国として知られている。一方で、AFP通信によると、技術分野で女性の占める割合が非常に低い問題を抱えている。

ムルトさんは、若い世代の女性について「自分たちが重要な存在であるということや、男の子と同じようにテクノロジーに強いということを知る必要がある」と議員たちに伝えていたという。さらに、「若者は、より革新的で、未来について考えられることを大人に教えられると思う」とも訴えた。

BBCによると、ムルトさんはスピーチで「ある意味、私はここに立つ必要も、ガールズテイクオーバーのようなキャンペーンの必要もないことを願っています。ですが現実には、この地球上のどの場所でも、まだ男女平等を達成していません。私たちはこの(男女平等の)分野で多くの成果を得ましたが、やらなければならない仕事はまだたくさんあります」と話した。

フィンランドの現首相であるサンナ・マリン氏は、2019年12月の就任時は34歳で世界最年少の政治リーダーだった。同国では歴代3人目の女性首相。

ガールズテイクオーバーは、若い女性の権利や自由を求めるため、少女たちが政治や経済などのリーダーに1日だけ就任するキャンペーン。2019年の国際ガールズデーでは、世界の60カ国で1800人のリーダーたちの代わりを務めた。