餃子の王将、大雪で立ち往生の車に食事を無料提供。なぜ出来た?「まさに救世主」とネットで賞賛

“看板メニュー”の餃子などを約300食提供。この対応ができた背景には店長自身の「過去の経験」があった。
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1月9日から10日にかけ北陸地方を中心に大きな被害をもたらした大雪。

この影響で国道8号では車が立ち往生する事態となったが、福井県坂井市の中華料理チェーン大手「餃子の王将」丸岡店では、従業員が車の運転手らに餃子やチャーハンなどのあたたかい食事を無料で振る舞った。

店側の対応は、ネット上で「まさに救世主」などと賞賛された。

どのような思いで食事を提供したのか。店長の岩谷圭一さんはハフポスト日本版の電話取材に応じ、「何とかして力になりたかった」と話す。

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餃子の王将公式サイト
餃子の王将公式サイトより

「餃子の王将」丸岡店があるのは、北陸自動車道と並ぶ国道8号沿い。

店側が立ち往生する車の運転手などに食事を提供したのは、10日の午後4時半ごろから午後9時ごろ。本社からの指示ではなく、あくまで店長の岩谷さんの判断によるものだった。

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餃子の王将 丸岡店の公式サイト
餃子の王将 丸岡店の公式サイトより

岩谷さんのほか、店の従業員7人で分担して準備し約300人前の食事を用意。

立ち往生する車1台1台に食事を届けると「『本当にありがとうございます。今度店に食べに行きます』と皆さんが感謝を伝えてくれた。ちょうど、配っている最中には20mから30mくらい車が動き出してくれたんです」と当時の状況を振り返る。

店側は、車の人だけでなく地域の警察などにも食事の一部を提供。岩谷さんは「あの時は皆が辛い状況でしたので、何とかしたかったですね」と話す。

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JR福井駅前にある恐竜のモニュメント=2021年1月9日午後、福井市
時事通信社

その後、10日の夜には車が動き出したため従業員を帰宅させたが、翌11日午前3時ごろから再び渋滞が発生したため、岩谷さんは1人で急遽店を開けた。店のトイレを開放したほか、温かいスープを振る舞った。

「(車の中で過ごしていて)寒い中トイレに行けない、足を伸ばせない、緊急時は些細なことでも命の危険に繋がりかねませんから、そのことを考えての対応でした」

岩谷さんの店長歴は10年ほど。丸岡店では5年になるが、こうした判断ができた背景には自身の過去の経験があったという。

「2018年に大雪の被害があった時も、丸岡店では当時の副店長の声掛けで立ち往生した車に食事を振る舞ったんですが、私自身は当時福井市の自宅にいたため、店舗まで来ることができなかったんです。なので今回は、何とか貢献したいなという気持ちでした」

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立ち往生が続く国道8号で、国土交通省の重機にけん引されるトラック(左)=2018年2月8日、福井市
時事通信社

12日は店舗の営業を休む。従業員の疲労を回復させたいという考えと、”看板メニュー”の餃子の食材が店舗に届いておらず提供ができないためだ。

13日以降は、状況を見て営業を再開する見込みだという。

店側の対応がネット上で賞賛されていることを伝えると、「別に王将だけじゃなくて、今回もガソリンスタンドや他の飲食店さんも同じように対応していました。それが”地域の店”の役割だと思うので」と淡々と話した。