内村航平さん「僕はもう主役じゃない」予選落ち後のインタビューで語ったこと【全文】

「もうやることじゃなくて、後輩たちに伝えていかなきゃいけない立場だと思った」
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内村航平選手
LOIC VENANCE via Getty Images

東京オリンピックの体操の男子種目別予選で、個人枠で鉄棒に出場した内村航平選手が演技途中に落下し、予選落ちとなった

競技後のインタビューで、内村選手は代表選考で落選した仲間に「本当に申し訳ない気持ちしか今は出てこないです」と思いを語り、「もう(競技を)やることじゃなくて、後輩たちに伝えていかなきゃいけない立場だと思った」と述べた。

インタビューでのやりとりは以下の通り。

―ずっと見続けてきた我々にとっては、かける言葉が見つからないんですが、内村さん自身どんな思いですか。

「米倉(英信選手)に土下座して謝りたいですね。本当に、そんな気持ちです。なんかもう自分としては、代表が決まってから、強い気持ちでやってきたつもりでしたけど、本当につもりだったのかなっていう。ネガティブな言葉しか今は出てこないですけど、やってしまったことは取り返しがつかないので、これ以上オリンピックで演技することはできないし、現実を今は受け止めて、試合も見てましたけど、若干心ここにあらずみたいな感じで。後輩たちの演技、亀山(耕平選手)のあん馬の演技も見てて、まあでもやっぱり代表選考を共に戦った米倉に、本当に申し訳ない気持ちしか今は出てこないです」

 

―ただ、一度鉄棒から下がったあたり、また戻ってきて各選手とハイタッチしていました。気持ちを彼らに託したのかなと思ったんですけど...

「そうですね、それぐらいしかできないんで、結局。男子体操のキャプテンとしても仕事をしなきゃいけないので、若干見てる中で体操するのはもういいのかなみたいに思っちゃったりしましたね。もうやることじゃなくて、後輩たちに伝えていかなきゃいけない立場だと思ったし、試合4回目ですからね。亀山なんかは初めてですごいいい演技してたんで、気持ちがすごいこもっていたと思うんですけど、僕はもう違うのかなと思いましたね、やりながら。そんな感じでした」

 

―この後は若い彼らにどんな言葉を残して、託していきますか

「僕が団体で出たのは過去3回ですけど、予選1位通過したことがないので、それを初出場でやってのけたというのは本当にすごいことですし。日本で開催されている、一年延期もしているし、すごい気持ちが伝わってきました、彼らの演技から。だからもう心配はいらないのかなというふうには見ていました」

 

―ぜひこの後は頑張ってサポートしてあげてください。

「そうですね、それしかできないんで(笑)。変にスッキリはしていますけど、これまで準備してきたものを出せなかったのは悔しさしかない」

 

―まずはお疲れ様でした。

「まあ疲れてはないですけどね(笑)」

 

―テレビの前の皆さんに一言あれば。

「土下座しますよもう。それぐらい、本当申し訳ないです。でも僕はたぶんもう主役じゃないんで、団体の4人、亀山が決勝に残っているので、彼らが主役ですね。オリンピックは今まで僕が2連覇していますけど、やっぱり過去のことだし、彼らたちが超えて行かなきゃいけないとこだと思うんで、それを今日見させてもらったという感じですね、すごいよかったです」