「橋下徹氏のテープを流してるだけで当選した」

私は、選挙のたびに、いつも矛盾を感じます。今回の都議選も、矛盾に満ちたものでした。

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都議選が終了して、2週間が過ぎました。

ようやく落ち着いて、少しブログを書く時間が取れました。

時間だけではなく、この間、様々な領域で様々な方向への混乱があり、発言することが非常に難しくなっていたということもあります。

今も発言は難しいですが、考えながら、今の想いを書いておこうと思います。

私は、選挙のたびに、いつも矛盾を感じます。

今回の都議選も、矛盾に満ちたものでした。

私は、今回の都議選で落選した方々をたくさん知っています。

これまで都議会議員として、真摯に誠実に仕事をしてきた優秀な現職議員。

また、前回落選して、次こそはという思いで、地道に真面目に活動を続けてきた元職の候補者。

東京都を変えるとの思いで、逆風とわかっていて挑戦した新人候補者。

大勢落選しました。

議員が落選すると、文字通り、素っ裸で放り出されます。

雇用保険も退職金もありません。議員年金もとうに廃止されてます。

都議会議員の任期は7月末までありますが、その後、どうやって生計を立てるか、どうやって家族を養うか、考えなければなりません。

反面、私は、今回の都議選で当選した方々もたくさん知っています。

正直申し上げて、どう考えてもお勧めできない方もいます。

まあ、それは今に始まったことではないのですが、今回の都議選で当選した新人議員には、どういう方だかわからない方が大勢います。

2015年の統一地方選の半年くらい前だったと思いますが、民主党(当時)所属の大阪府議会議員が東京にいらっしゃって、講演をしてくださったことがありました。

逆風の中、着実な地域活動で万全の選挙を行い勝ち続けてきた大ベテランです。

そのベテラン議員が、こんなことをおっしゃっていました。

「2011年、維新ブームの中での大阪府議会議員選挙は本当にひどかった。真面目にやってきた優秀な議員が大勢落選した。反面、何もわかってない、街頭演説もできない候補者が、何もせず突っ立って、横で橋下徹氏の演説のテープを流しているだけで当選した」

東京も、これに近い状態になってしまったのではないかと思わずにはいられません。

はたしてこれからの東京都議会が、質の高い議論ができるのかどうか。

注視させていただきたいと思います。

選挙が、住民にとってよい結果を生むのかどうか。

いつも矛盾を感じながら選挙をやっています。

しかしそれでも、自身の仕事に価値があると信ずるのであれば、選挙に勝たなければなりません。

逆風下でも、大ベテランの大阪府議会議員はきちんと勝っているのです。

住民一人一人と顔を合わせる「顔の見える政治」によって、ひとつひとつ信頼を積み重ね、一票一票を積み上げる、民主主義の本道をやらなくてはならないのだろうと思います。