『となりのトトロ』の裏設定。サツキとメイの家は「病人が死んでしまった家なんです」宮崎駿監督が明かす【2022年回顧】

映画を再現した「サツキとメイの家」がジブリパークの目玉として再オープン。赤い三角屋根のある洋間と日本家屋が一体となった不思議な住宅には、裏設定があるそうです。(2022年回顧)
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『となりのトトロ』の作中に登場する「サツキとメイの家」
スタジオジブリ

※2022年にハフポスト日本版で反響の大きかった記事を、再編集してご紹介しています。(初出:10月31日)

愛知県長久手市に11月1日に開園した「ジブリパーク」。目玉の一つがアニメ映画『となりのトトロ』に出てくる草壁邸を再現した「サツキとメイの家」だ。

2005年の「愛・地球博」のパビリオンとして作られ、万博終了後も一般公開されていた。この「サツキのメイの家」がきっかけとなり、2017年にスタジオジブリの世界観を堪能できる「ジブリパーク」の建設が決まった。2020年から休業していたが、ジブリパークの施設の一つとして再開した。

この「サツキとメイの家」は、赤い三角屋根のある洋間と日本家屋をドッキングさせた不思議な住宅だ。これには、ある裏設定が存在する。実は「病人が死んでしまった家」なのだという。宮崎駿監督が過去のインタビューで明らかにしていた。

■日当たりが良い洋間の「離れ」は結核患者のためのものだった。宮崎駿監督が明かした裏設定とは?

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ジブリパークの「どんどこ森」にあるサツキとメイの家
© Studio Ghibl

このインタビューは、2001年に発売された『となりのトトロ(ジブリ・ロマンアルバム) 』(徳間書店)に収録されている。映像評論家の池田憲章さんの質問に答える中で、この家はもともと「病人を療養させるために建てた離れのある別荘」だったと明かしていた。

日当たりが良い洋間の「離れ」は結核患者のためのものだった。だが、完成前に病人が亡くなったため「まだ半完成、全部出来上がってはいない」状態。隣家のおばあちゃんのしゃべり方がハッキリしているのは、この家に「女中奉公してた」ことを想定していた。

未完成のまま放置されていた家に、入院しているお母さんが退院した際に、空気のいい場所に住めるようにと、草壁家の一家が引っ越してきたという流れだった。こうして「サツキとメイの家」は、再び本来の目的に沿った形で使われるようになった……。

そんな裏設定を宮崎監督は思い描いていたのだという。

■宮崎監督が裏設定について明かしたインタビューの該当部分

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『となりのトトロ(ジブリ・ロマンアルバム) 』の書影(三鷹の森ジブリ美術館オンラインショップより)
徳間書店

—— あの引っ越してきた家ですが、あれは入院しているお母さんが退院してきたとき、空気のいい場所に住むために引っ越したと考えていいんでしょうか?

「ええ、そうです。そのため以外は考えられないですよ。ああいう日本家屋と洋間をつなげた家は、昔はよくあったんですよ。実は、あの家はまだ半完成、全部出来上がってはいない家なんです。庭にしても、ちゃんとした庭を作ろうと思ってたんだけど、ちゃんと作らないうちに、家が用なしになってしまった……ようするに、病人が死んでしまった家なんです」

—— そうなんですか。

「僕は、基本的にあの家は、病人を療養させるために建てた離れのある別荘だと思ってるんです。結核患者の人のために建てた離れなんですね。で、その人が死んでしまったので、そのまま用なしになってて空いてた家なんです。これは裏設定ですけどね。だから、あの婆ちゃんはたぶん、あの家に女中奉公してたんじゃないか。だから、田舎の人にしては物言いがハッキリしてるんだとか、これは裏設定なんで、言う必要がないので誰にも言わなかったけれど、そう考えていた家なんです。離れが妙に日あたりがよさそうなのもこの設定のためですね」

『となりのトトロ(ジブリ・ロマンアルバム) 』(徳間書店)より