不登校経験のある女性が言った「好きなことに逃げろ」のメッセージ

やろうとしていることに干渉し、動けなくなるとそれも批判される家庭環境は本当につらかったと思います。
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昨日、NHK第

一放送で「"悩める若者たち"への応援歌」という番組があり、教育評論家の尾木直樹さんと一緒に出演させていただきました。

そこには、不登校を経験した女性と、ひきこもり状態となり無業期間を経験した男性もご一緒でした。

現在、5月2日まで放送内容を聞くことができます。こちらです。

内容はお聞きいただければと思いますが、女性は同級生とのトラブルで、自分だけが教師からたたかれたことに心を痛め、ご両親にも理解されないまま、自宅の「押し入れ」に自分の居場所を作ったとおっしゃってました。

10代前半の子どもにとって、自宅から飛び出すことは選択肢とはなり得ず、悩んだ末に自分自身になれる場所として押し入れを選択したのだと思います。きっかけは友人からの不登校経験者が集まる場所を紹介していただいたこと。そして胸の内をお母さまに打ち明け、理解をしていただいたことから前に進めるようになったそうです。

男性は、大学卒業後に就職がなかなか決まらず、あきらめずに就活を続けましたが、求人先についてご両親からもっといいところ、そんなところではだめだと言われ続け、応募行動ができなくなり、ひきこもり状態になったと言います。

「家族に助けられるより、追い打ちをかけられてしまった」という言葉も印象的です。やろうとしていることに干渉し、動けなくなるとそれも批判される家庭環境は本当につらかったと思います。また、不採用が続くと応募書類に言葉が出て来なくなっていくというのも印象的な言葉でした。

しかも、就活ができなくなったとき、求人誌がそっと置いており、特定企業にチェックがしてあることが彼をさらに追い詰めました。

確かに、病気などで社会と離れざるを得なくなることはありますが、ある年齢で仕事をしていないという親にとって「当たり前」の状況でない。その次のアクションが病院に連れていくというのは、お子さんが傷つくには十分なことではないでしょうか。

いま、男性は働かれています。女性は通学しています。どちらも動き出すきっかけがあり、親の理解が進み、いまの状況に至っていますが、その方法が誰にでも当てはまるわけではないでしょう。

最期に、同じ不登校の状況にある子どもたちに女性からメッセージがありました。その回答は「好きなことに逃げろ」というものでした。好きなことにとことん取り組むこと。彼女は漫画家を目指し、その夢が支えになり生きて来られた。

今回は、経験者/当事者の声を大切にする。一方で、出演者の言葉が全部ではなく個別的であることを大切にする番組と聞きました。最後の数十秒をお聞きになっていただければわかりますが、残り20秒の時点で男性に10秒のメッセージを振りました。最後の最後まで彼らの声を発信し続ける意志が体現されている素晴らしい番組だったと思います。

繰り返しですが、5月2日まで放送内容を聞くことができます。こちらです。