原子力業界国内最大規模の総会開かれる 福島県商工会顧問「苦渋の決断 原発再稼働を求める」、双葉郡自治体長から「再稼働は反対」の声も

総会では今井 敬会長(新日鉄住金名誉会長)が所信表明の中で、原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけた安倍政権による国のエネルギー基本計画について「わが国の原子力政策の方向性が国内外に示されたものとして高く評価したい」と述べ、原発再稼働に向けた業界の信頼回復につとめると挨拶した。
|

今月(4月)15、16日の二日間にわたって東京国際フォーラム(千代田区)で原子力関連の企業が加盟する業界団体、日本原子力産業協会の第47回年次大会が開かれた。

総会では今井 敬会長(新日鉄住金名誉会長)が所信表明の中で、原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけた安倍政権による国のエネルギー基本計画について「わが国の原子力政策の方向性が国内外に示されたものとして高く評価したい」と述べ、原発再稼働に向けた業界の信頼回復につとめると挨拶した。

(※内容全文が原産協HPに)

年次大会には、NRC・米国原子力規制委員会のクリスティン・スビニッキ委員やIEA・国際エネルギー機関の元事務局長田中伸男氏など、国内外の原子力産業に関わる政府・企業関係者や研究者などが参加。新興国を含めた世界各国の原子力産業における安全性確保に向けた取り組みの紹介や停止している日本の原発の早期再稼働を求める声などが紹介された。

16日は午後2時から締めくくりのパネルディスカッションが開かれ、福島県から4人のパネリストが招かれ事故後の現状と復興や経済再生策などについてディスカッションした。

パネリストの一人福島県商工会議所顧問の瀬谷俊雄氏は「福島県の商工業者の代表として苦渋の決断を述べたい。年間1ミリシーベルト以下に押さえるとした除染の方針には疑問がある。広大な山林を有する福島県全土を除染するのには限界があり、コストもかかる。年間1ミリシーベルト以下という数値にはこだわらず、5ミリ、10ミリ、場合によっては20ミリシーベルト以下という値まで引き上げるよう求めてきた」などと持論を展開。さらにエネルギー消費型の生活基盤が定着している中、火力発電などにかかる膨大なコストを抑えるため原発の早期再稼働を求めていきたいと主張した。

一方で、福島大学准教授の丹羽史紀氏、双葉郡川内村の遠藤雄幸村長が登壇。原発事故後ふるさとを追われ避難生活を続けている被災者の厳しい現状や放射性物質の影響で地域が分断されている様子など事故から3年が経過した今も福島県では様々な課題が現在進行形で横たわっていると説明。一度の事故によって失うものが大きいとして、原子力災害の過酷な現状を語った。

また4人目にはラジオ福島編成局専任局長の大和田新アナウンサーが登壇。福島県での震災関連死に歯止めがかからない現状に着目し、長期間にわたる避難生活や慣れない土地での暮らしが原発事故の被災者をさらに追いつめているとして「震災関連死ではなく、これは原発事故関連死と呼ぶべきだ」と、事故による影響の大きさを深刻に受け止めてほしいと訴えた。