今後10年の住宅政策の指針が閣議決定!パブコメは反映されたのか?

国交省は住宅セーフティネットの「新たな仕組みの構築」を検討するため、住宅・宅地分科会に新たに小委員会を設置しました。

3月18日、政府は今後10年の住宅政策の指針である新たな「住生活基本計画(全国計画)」を閣議決定しました。

私が注目していた「住まいの貧困」への対策では、「空き家を含めた民間賃貸住宅を活用して住宅セーフティネット機能を強化」という文言が盛り込まれましたが、その具体策の詳細は盛り込まれませんでした。

一方で、安倍政権が進める「三世代同居・近居の促進」はそのまま盛り込まれました。

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私はこの基本計画の案が出た時、「住宅セーフティネットの強化を求めてパブリックコメントを出そう」という呼びかけを行い、私自身もパブコメを提出しました。

このパブコメ募集では、住宅政策の分野としては珍しく、219件もの意見が集まったそうです。

パブコメは計画に反映されたのでしょうか。以下のページにパブコメ結果が出ているので、見てみましょう。

三世代同居・近居促進はライフスタイルの干渉にならない?

私が出した意見(一部)とその意見に対する国交省の回答を以下に紹介します。

【稲葉】「希望出生率1.8 の実現につなげる」ことを住宅政策の目標の中に明記するのは、個人のライフスタイルへの干渉になりかねず、不適切なので、削除すべき。「三世代同居・近居の促進」も同様の理由で不適切であり、削除すべき。

【国交省】希望出生率は、夫婦の意向や独身者の結婚希望等から算出しているものです。また、三世代同居・近居についても、望む方々が実現できるような支援を行うものであることから、個人のライフスタイルへの干渉にはならないと考えており、また、政府全体として取り組んでいる一億総活躍社会の実現に向けた取り組みとも整合しており、原案通りとさせていただきます。

【稲葉】住宅困窮者対策として、一定の基準を満たす空き家、民間アパート、戸建て住宅を「準公営住宅」として位置付けるべき。対象は、子育て世帯や高齢者ひとり親世帯、若年単身者なども含めた低所得者全般とし、「準公営住宅」が従来の「公営住宅」とあわせて住宅セーフティネットの役割を果たせるように大量に供給できる体制をつくるべき。

【国交省】目標3(基本的な施策)(1)において、「住宅確保要配慮者の増加に対応するため、空き家の活用を促進するとともに、民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築も含めた、住宅セーフティネット機能を強化」と記載しております。これを踏まえ、今後具体的な施策を検討してまいります。

【稲葉】若者の間でシェアハウスが広がっているが、「シェア居住」を定義する法制度が整備されていないことが、空き家の一戸建てをシェアハウスに転用する際のハードルとなっている現状がある。新しい住まい方としての「シェア居住」を法制度の中で位置づけるべき。

【国交省】シェアハウスについては、まずその現状・実態の把握をした上で必要な措置について検討をする必要があると考えており、原案通りとし、計画の実施にあたり適切な対応をしてまいります。

家賃補助については慎重姿勢を崩さず

また、多くの方が求めた「家賃補助制度の導入」については、パブコメへの回答の2ヶ所で「なお、家賃補助制度については、対象世帯、民間家賃への影響、財政負担等の課題があり、慎重な検討が必要であると考えております。」と書かれています。

住生活基本計画が審議された国交省の社会資本整備審議会・住宅・宅地分科会では、委員から「民間の空き家を活用した準公営住宅の創設」や「家賃補助制度の導入」といった意見も出されていたのですが、今のところ、国交省は慎重な姿勢を崩していないようです。

ただ、国交省は住宅セーフティネットの「新たな仕組みの構築」を検討するため、住宅・宅地分科会に新たに小委員会を設置しました。今後、この小委員会で具体策を検討するとのことです。

住宅セーフティネット策の具体化はこれから。さらに声をあげよう!

多くの人がパブコメを出したにもかかわらず、住生活基本計画自体はあいまいな内容になってしまいましたが、今後、住宅セーフティネットの具体策を決める過程において、さらに声をあげていきたいと思います。

7月には参議院選挙もあるので、各政党にも住宅政策の拡充を求めていく予定です。

4月27日(水)には正午から、「住生活基本計画のこれからと家賃補助の実現」と題した院内集会を衆議院第二議員会館多目的会議室で開催します(詳細は後日お知らせします)。ぜひご参加ください。

住宅政策の転換に向けて、ぜひ多くの方のご注目、ご支援をお願いいたします。

(2016年3月22日「稲葉剛公式サイト」より転載)