福島・津波で行方不明の女の子の遺骨見つかる、父はずっと捜索を続けていた

「少しずつ汐凪に近づいている気がします」と綴っていた。
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Norio Kimura, 50, who lost his father, wife and younger daughter in the March 11, 2011 tsunami, poses with a portrait of his missing daughter Yuna at a temple near his home inside the exclusion zone in Okuma, near Tokyo Electric Power Co's (TEPCO) tsunami-crippled Fukushima Daiichi nuclear power plant, Fukushima Prefecture, Japan, February 14, 2016. Survivors exposed themselves to high levels of radiation five years ago while searching for family members swept away by the tsunami that triggered meltdowns at Japanâs Fukushima nuclear plant. The disaster in March 2011 killed nearly 16,000 people along Japan's northeastern coast and left more than 2,500 missing. Family members continue to look for the bodies of their missing loved ones, when access to the area is permitted, as they still try to bring closure to their loss. REUTERS/Toru Hanai SEARCH
Toru Hanai / Reuters

東日本大震災で津波被害を受け、福島第一原発事故の避難区域に指定された福島県大熊町で、行方不明の最後の1人となっていた当時小学1年生の木村汐凪(ゆうな)さん(7)の遺骨の一部が見つかった。NHKニュースなどが報じた。

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木村紀夫さんは自宅があった場所の裏手に、汐凪さんのための小さな地蔵を建てた(2016年2月撮影)

父親の木村紀夫さんによる捜索活動を報告していたFacebookページ「team汐笑」によると、木村さん一家は津波で大熊町の自宅を流され、紀夫さんは次女汐凪さんと妻、父を津波で亡くした。

震災後、紀夫さんは長女と長野県白馬村に避難している。一方で原発事故による避難指示で汐凪さんらを満足に探すことができなかったことを悔やみ、避難後も一時帰宅などの機会を利用して、海沿いでボランティアらとともに自ら捜索活動に取り組んでいた。

紀夫さんはFacebookページで11月に行われた環境省や建設作業員らによる捜索で瓦礫の中から汐凪さんのランドセルが発見されたと報告。さらに、12月10日〜13日の捜索で、汐凪さんが津波のあった当日に身につけていたマフラーや上着などが見つかったとして、「少しずつ汐凪に近づいている気がします」と綴っていた。

NHKニュースは、紀夫さんの話として、汐凪さんの首やあごの骨の一部が見つかり、DNA鑑定で本人の遺骨と確認されたことが、12月22日に警察から伝えられたと報じている。また、NHKの取材に対して紀夫さんは「汐凪をずっと探し続けてきたので、見つかったことは、ほっとしています。一方で、原発事故のせいでなかなか捜索ができず、発見が遅れ強い怒りを感じています」と語っている。

汐凪さんの遺骨の発見により、福島県内では行方不明者が1人減り、残る行方不明者は196人となる。

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原発事故前の福島
優雅に咲く古代ハス(01 of09)
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福島県いわき市の白水阿弥陀堂の庭園池で古代ハスが見ごろを迎えている。この古代ハスは、千葉市の落合遺跡で発掘された、2000年以上前の種が発芽、開花したもので、住職が根を譲り受けて育成した。早朝から咲き始め、昼ごろには閉じてしまう。 \n\n撮影日:2009年07月14日 (credit:時事通信社)
「Jヴィレッジ」のメディカルセンター (02 of09)
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サッカー日本代表の合宿地「Jヴィレッジ」に完成した「JFAメディカルセンター」。スポーツ医科学の研究拠点となるほか、整形外科、リハビリテーション科の一般外来診療を行う(福島・楢葉町) \n\n撮影日:2009年07月17日 (credit:時事通信社)
古関裕而氏の記念モニュメント(03 of09)
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JR福島駅前に設置された作曲家、古関裕而氏の記念モニュメント(福島市) \n\n撮影日:2009年08月11日 (credit:時事通信社)
須賀川市の火祭り「松明あかし」(04 of09)
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400年以上の歴史を持つ福島県須賀川市の伝統の火祭り「松明(たいまつ)あかし」が、14日夜、同市内の翠ヶ丘公園内の五老山一帯で開催された。長さ10メートル、重さ約3トンもある大松明をはじめ、市内の団体や学校、企業がつくった本松明など計33本が次々と点火されると晩秋の夜空に激しい炎が立ち上った。祭りは、1589年(天正17年)須賀川城が伊達政宗に攻められ落城、戦死した多くの霊を弔うために行われたのが始まりといわれる。例年、地元住民や観光客13万人が訪れるという。 \n\n撮影日:2009年11月14日 (credit:時事通信社)
伝統と新しさ、二つの「とら」の張り子=福島県 (05 of09)
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伝統工芸品である三春駒や三春張り子の発祥地、福島県郡山市の「高柴デコ屋敷」では、来年のえとの「寅(とら)」の張り子づくりの仕上げ作業がピークを迎えている。 この地域では人形のことを「デコ」と言い、その歴史は江戸時代にまでさかのぼる。現在、市内で4軒ほどがお面や十二支の人形などを制作し、伝統の技を受け継いでいる。 このうち、彦治民芸の「腰高とら」は、1998年のお年玉年賀切手の絵柄となり、全国に広く知られた。同民芸十代目当主の橋本高宜さん(写真左。右は妻の京子さん)は「腰高とらはすべて手作業で1日10体を作るのがやっと」と語る。一方、今年は新しい張り子づくりということで、癒し系のかわいらしい表情の新作を36年ぶりに完成させた。 橋本さんは「お客さんに認められるよう、職人としての技術向上を心がけている」と一つ一つ精魂を傾けて仕上げている(福島県郡山市西田町の高柴デコ屋敷) \n\n撮影日:2009年12月10日 (credit:時事通信社)
世界フリースタイルスキー・里谷のエア (06 of09)
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女子デュアルモーグル予選を通過した里谷多英(フジテレビ)のエア(福島・猪苗代町のリステルスキーファンタジア) \n\n撮影日:2009年03月08日 (credit:時事通信社)
商標登録を目指す福島市名物の円盤餃子(07 of09)
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商標登録を目指す福島市名物の円盤餃子(福島市の「ら~めん石狩」) \n\n撮影日:2009年04月23日 (credit:時事通信社)
「猫駅長」のツーショット (08 of09)
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岡山県美咲町の旧片上鉄道吉ヶ原駅の「駅長猫のコトラ」(左)が11日、福島県会津若松市の会津鉄道芦ノ牧温泉駅の猫の名誉駅長「バス」を表敬訪問した。コトラ駅長が「他の猫駅長の待遇を見てみたい」と熱望したことが表敬訪問のきっかけ。2匹の猫駅長は「今度は猫駅長サミットをやろう」と意気投合したという。旧片上鉄道保存会の森岡直子さん(左)は「こんなに歓迎されるとは思っていなかった」と驚いた様子。芦ノ牧温泉駅の小林美智子駅長も「バス駅長も喜んでいる」と笑顔で話した(福島・会津若松市の芦ノ牧温泉駅) \n\n撮影日:2009年05月11日 (credit:時事通信社)
尾瀬が山開き(09 of09)
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新潟、栃木、群馬、福島の4県にまたがる尾瀬国立公園が20日、山開きを迎え、福島県側の御池登山口で開かれた山開きに300人を超えるハイカーが駆けつけた。尾瀬の代名詞ともなっている水芭蕉の見ごろは今月末から6月上旬ごろ。7月には燧ヶ岳(ひうちがたけ)なども山開きになり、尾瀬が一番にぎわう季節となる。 \n\n撮影日:2009年05月20日 (credit:時事通信社)