ワールドカップでブラジル株は騰がる? それとも......

ブラジルは麻薬、売春、窃盗、殺人などの犯罪が多いので、これだけ多くのビジターに対して安全を確保出来るかどうか不安が残ります。実際、リオデジャネイロの貧民街では警察と住民の衝突が絶えません。
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6月13日から7月14日までブラジルでワールドカップが開催されます。ブラジル政府はこのイベントで海外から60万人、ブラジル国内から300万人の観客が各地で開催されるゲームに足を運ぶと試算しています。

ブラジルは麻薬、売春、窃盗、殺人などの犯罪が多いので、これだけ多くのビジターに対して安全を確保出来るかどうか不安が残ります。実際、リオデジャネイロの貧民街では警察と住民の衝突が絶えません。

地政学サイト、ストラトフォアはワールドカップに向けてブラジル政府が15万人の軍隊、2万人の訓練を受けたセキュリティ・ガードマン、特殊部隊、地方警察からリクルートした1万人の治安部隊などを投入し、警備にあたるとしています。

しかしワールドカップ開催期間中にデモ行進や治安の乱れが起こるリスクも高く、せっかくブラジルの進歩を世界にショーケースするイベントが、逆にブラジルの問題を世界に知らしめる結果に終わる可能性もあります。

会場への交通手段となるモノレール建設が開会式までに間に合わないなどのインフラ建設の遅延も、安全対策上の大きな頭痛の種となっています。

いまブラジル経済に目を転じると、このところ同国のGDP成長率は極めて低い水準をウロウロしています。

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低成長であるにもかかわらずインフレはしつこく高止まりしています。ブラジルの市民の不満の原因になっているわけです。

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経常収支は赤字です。

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一方、ウォール街では「ブラジル株式市場にとって最悪のシナリオはブラジル・チームがワールドカップで好成績を収めることだ」という説が囁かれています。その理由は、若しブラジル・チームが勝つと愛国心が盛り上がり、その結果、まったく期待外れの働きしかしていないルウセフ政権が10月の大統領選挙で勝利し、国政に居座るリスクが高まるからです。

(2014年6月2日「Market Hack」より転載)