「こんな選手はもう出てこない」 鳴り止まないイチローコール、誰もがあなたのファンだった

「アメリカで活躍するイチローの姿に、心躍らせ、勇気をもらっていた。不世出の選手だと思います」
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7回、第3打席に立つマリナーズのイチロー=21日、東京ドーム
時事通信社

万雷の拍手に包まれて見送られたシアトル・マリナーズのイチロー選手。予想外に歴史的ゲームの証人となった観客たちは万感の思いでイチロー最後の打席を見送った。

アメリカ在住の会社経営者の小野里晃さん(49)もその一人だ。

イチロー選手を観るために帰国したという小野里さんは、8回裏に交代でベンチに下がったイチローの姿に、涙が溢れたという。

「自分が生きている間、こんな選手はもう出てこないと思っているだけに、これが本当にイチロー最後の勇姿になるのかと思ったら、込み上げてくるものがありました」

本場・アメリカでトッププレーヤーとして活躍を続けてきたイチロー選手は、「アジアを代表する選手だった」と小野里さんは語る。

小野里さんの前に座っていた台湾から来たカップルは、アスレチックスファンだが「野球ファンなら、誰でもイチローのファンだ」と、スタンドが一体となってイチロー選手に声援を送っていたという。

「アメリカで活躍するイチローの姿に、心躍らせ、勇気をもらっていた。そんな気持ちにさせられたのは、野茂、イチローだけです」

「不世出の選手だと思います」

小野里さんは、アメリカ在住の日本人にとってのイチロー選手の存在の大きさをこう語った。

延長12回の激闘を終え、ヒーローインタビューを終えた後も、スタンドから観客が立ち上がることはなかった。

「イチロー」コールが鳴り止まず、ベンチからロッカーに通じるドアが開くたびにイチロー選手の登場を期待してどよめきが上がった。

試合終了後約20分を経過して、イチロー選手が再びグラウンドに登場すると、大きな歓声と拍手。イチロー選手もゆっくりと場内を歩いて回りながら、笑顔で手を上げて答えた。

そんなイチロー選手の様子を、マリナーズの選手らは携帯電話で写真や動画に納めていた。