あいちトリエンナーレの補助金、不交付の方針に芸術家らが危機感「文化発信力にとどめを刺された」

会田誠さんは「国にとっても文化にとっても良いことが一つもなく、悪いことばかりあります」と危惧した。
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「表現の不自由展・その後」が中止になった国際的な芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」について、文化庁が採択を決めていた補助金全額を交付しない方針を固めたと、NHK朝日新聞が9月26日に報じた。

この方針に対して、会田誠さんや平野啓一郎さんら、アーティストや作家らが危機感を示している。

会田さんはNHKニュースを引用しながら、文化庁長官に向けて「今からでも遅くないので、その方針を取り消してください」と要望。「国にとっても文化にとっても良いことが一つもなく、悪いことばかりあります」と危惧した。

思想家の内田樹さんは「文化活動へのすべての補助金は『政権への忠誠度』を基準に採否を決すると文科省が宣言したと僕は解しました」とツイート。「日本にそれでも最後に残っていた文化的発信力もこれでとどめを刺されました」と悔やんだ。

小説家の平野啓一郎さんは「こんな前例を作ってはならない」と抗議の意思を示した。

映画評論家の町山智浩さんは、文化庁の決定に対して「政府に都合のいい文化事業にしか補助金が出ない」と批判。「今後、戦争の歴史的展示にも同じことが起こるぞ」と警鐘を鳴らした。

 

あいちトリエンナーレをめぐっては、慰安婦を表現した少女像や昭和天皇をモチーフにした作品を展示した「表現の不自由展・その後」に抗議が殺到。脅迫も受け、開始から3日で中止となった。

文化の活用推進を目的とした国の補助事業として文化庁が採択し、およそ7800万円が交付される予定だった

菅義偉官房長官は騒動後、「補助金交付の決定にあたっては、事実関係を確認、精査して適切に対応したい」などと述べていた