たったの3%…U15の女子プレーヤーを増やすため、アディダスが動いた。国際女性デーは『女子サッカーの日』

女子中学生がサッカーできる場が少ない... チーム創設を支援する「HER TEAM」が始動した。
|

女子中学生のサッカーチーム数は、男子と比べて3%未満... 。

サッカーする女子選手の数は、小学校が終わるタイミングで急減し、中学生の年代は右肩下がりになる。

日本サッカー協会(JFA)の年齢別競技人口のデータがそんな傾向を示している。

この状況に危機感を持ったアディダスはJFAと共同で、女子中学生のサッカーチーム創設を支援する「HER TEAM」プロジェクトを始動する。

JFAが今年から、国際女性デーの3月8日を「女子サッカーデー」と位置付けたことを受け、この日に「HER TEAM」プロジェクトが立ちあがった。 

Open Image Modal
「HER TEAM」のトップページのイメージ
アディダス提供

2018年度のJFA女子年齢別競技人口のデータによると、サッカーをしている女子選手の数は、小学6年(12歳)が5149人に対して、中学1年(13歳)は4087人と急減する。そこから右肩下りで中学3年(15歳)は3471人まで落ち込んだ。高校1年(16歳)で4458人と盛り返すが、ピークの小学校高学年の水準にまでは届かない。

Open Image Modal
2018年度のJFA女子競技者登録データ
アディダス提供

一方男子選手では、ピークは中学2年(14歳)の8万10人。女子に見られる中学生でのサッカー離れはなく、小学6年(12歳)の7万2242人に対して中学1年(13歳)は7万3510人で、その後も増えている。逆に高校で人数が絞られ、1年(16歳)で6万3528人となっている。

アディダスによると、女子の場合、中学生選手がプレーできる環境が整っていないため、サッカー離れの一因となっているという。

部活動やクラブユースなど、中学生年代の女子チームは全国に201。部活動はわずか46で、1つもない都道府県もあるという状況だ。

計7557ある男子チーム(女子選手も所属する男子チームなども含む)と比べて、女子チームは全体の3%にも満たない。

中学生の女子サッカー選手は1万1324人。そのうち、女子サッカー部のように女子中学生だけが所属するチームでプレーしているのは、3割ほどにとどまる。残る大多数が、男子チームに混ざったり、中学生以外の年代もいるチームに所属したりしているという。

「HER TEAM」は、こうした中学生年代の女子サッカーの環境改善を目指すプロジェクトだ。

Open Image Modal
アディダス提供

2020年度に新たに創設され、JFAに登録する計10チームを対象に、メンバー募集のためのポスター・チラシ製作やチームユニフォームの提供、サッカークリニックの開催といったサポートをする。支援期間は創設初年度の1年間。

応募できるのは、以下の条件を全て満たすチーム。

・中学生の年代(15歳以下の年代)の女子がプレーできる

・2020年度に新規創設され、「女子」の種別でJFA登録を完了すること

既に「女子」以外の種別でJFA登録しているチームが、新たに「女子」の種別で登録し直す場合も対象となる。(男子チームから女子チームへの変更など)

・日本国内で活動するチーム

・継続的なチーム運営ができる

女子中学生だけが所属するチームが優先だが、その世代が含む幅広い年代が入部できる女子チームの創設も対象となるという。 

応募は、アディダスオンラインストア上の特設ページから。

第一次締め切りが6月末、第二次締め切り10月末日で、順次応募内容を審査し、支援チームを発表する予定だ。

プロジェクト始動にあたり、JFAの今井純子女子委員長は「特にアンダー15世代でプレーヤー人口が落ち込んでしまう現状があります。この年代のプレー環境を充実させることが全体の発展につながると考えています。女子サッカーの普及の実現に繋げたい」とコメントしている。